■日本労働会館について
友愛労働歴史館は現在、常設展「日本の労働運動（戦前）－友愛会・総同盟」を開催中ですが、今回の常設展のポイントは、日本労働会館とその建設を支えた5名の知識人（安部磯雄、賀川豊彦、鈴木文治、新渡戸稲造、吉野作造）です。以下、日本労働会館について解説しますが、そのためには前身のユニテリアン教会・惟一館の説明を行わなければなりません。
明治20（1887）年12月、アメリカユニテリアン協会の牧師アーサー・メイ・ナップが、福沢諭吉らの招請で来日。そして明治27（1894）3月、活動の拠点としてユニテリアン教会・惟一館を建設しました。
このユニテリアン教会・惟一館を、5名の知識人の支援を得て買い取ったのが当時の総同盟であり、惟一館の買取り、管理のために設立されたのが財団法人日本労働会館です。昭和6（1931）年8月のことです。
戦前の財団法人日本労働会館は、「労働者の地位の向上、教育、相互扶助等の事業推進」を目的として①労働学校の経営、②労働者アパートと病院の設立・運営、③共済事業の実施、④食堂の経営など幅広い事業を展開しました（総同盟は政府の圧力で昭和15年7月に解散、日本労働会館は昭和20年5月の空襲で消失）。
戦後、日本労働会館（旧ユニテリアン教会・惟一館）は、再建総同盟の拠点として復活しました。1964（昭和39）年には現在の友愛会館・三田会館を、昭和52年にはホテル三田会館を竣工し、今日に至っています。同盟が1964年の結成から、連合へ合流する1987年までの23年間、本部を置いていたのもこの会館です。
現在、（財）日本労働会館は、①労使関係研究協会による労働者教育と労使関係研究の事業、②友愛労働歴史館による民主的労働運動、民主社会主義運動に関連する各種資料の収集・管理・公開の事業、③ホテル三田会館による宿泊サービス事業、などを行っています。
■ユニテリアン教会・惟一館、日本労働会館関係年譜
西暦（和暦） ユニテリアン教会・惟一館、日本労働会館関係
1884（明治17）年 福沢諭吉、時事新報に「キリスト教が日本国民に利益」と説く
1886（明治19）年 金子堅太郎ら米国ユニテリアン協会ＡＵＡに代表派遣を要請
1887（明治20）年12月 ユニテリアン牧師アーサー・メイ・ナップ来日、福沢諭吉ら支援）
1889（明治22）年10月 ナップ、クレイ・マッコーレイらユニテリアン使節団7名来日
1890（明治23）年02月 麻布区飯倉4丁目に移転（建物は惟一館と呼ばれた）
1891（明治24）年05月 日本ユニテリアン弘道会、京橋区加賀町8番地に移転
1893（明治26）年04月 三田四国町で惟一館定礎式（28日）。Ｊ・コンドル設計
1894（明治27）年03月 惟一館開館式（25日）、久米邦武等演説、福沢諭吉ら祝詞
1898（明治31）年10月 社会主義研究会（安倍磯雄、幸徳秋水、片山潜ら）発足
1910（明治43）年01月 日本ユニテリアン協会、東京ユニテリアン教会と改称
1911（明治44）年11月 東京ユニテリアン教会、統一基督教会と改称。鈴木文治幹事就任
1912（明治45）年01月 鈴木文治、惟一館で通俗講話会開催。3月 労働者倶楽部開催
1913（大正 2）年10月 友愛会創立一周年記念大会を惟一館で開催
1919（大正 8）年08月 友愛会第7周年大会で大日本労働総同盟友愛会に改称
1920（大正 9）年09月 総同盟、日本労働学校開設（惟一館講堂
1923（大正12）年09月 関東大震災や会員減少でユニテリアン教会解散、惟一館売却へ
1928（昭和 3）年02月 第一回普選でユニテリアンの安部磯雄、鈴木文治ら当選
1930（昭和 5）年08月 総同盟、新渡戸稲造・吉野作造氏らの後援を得て惟一館を買取る
1931（昭和 6）年08月 総同盟、惟一館を改築（27日）し、日本労働会館とする
1940（昭和15）年07月 総同盟、政府の産業報国会加入強制に反対し自主解散、分館処分
1945（昭和20）年05月 日本労働会館（旧ユニテリアン教会・惟一館）、空襲で消失
1946（昭和21）年初頭、友愛病院修復、芝園橋食堂開業（財団戦後最初の事業）
1947（昭和23）年11月 総同盟会館建設着手（隣接の全繊会館と共に）
1949（昭和24）年08月 総同盟会館・全繊会館共同の開館式（木造モルタル2階建）
1964（昭和39）年12月 三田会館・友愛会館竣工（地上9階、地下2階。同盟や産別本部入居）
1977（昭和52）年03月 ホテル三田会館開館
1978（昭和53）年08月 「日本労働運動発祥之地」記念碑建立
1991（平成03）年08月 財団法人日本労働会館創立60周年
友愛労働歴史館は現在、常設展「日本の労働運動（戦前）－友愛会・総同盟」を開催中ですが、今回の常設展のポイントは、日本労働会館とその建設を支えた5名の知識人（安部磯雄、賀川豊彦、鈴木文治、新渡戸稲造、吉野作造）です。以下、日本労働会館について解説しますが、そのためには前身のユニテリアン教会・惟一館の説明を行わなければなりません。
明治20（1887）年12月、アメリカユニテリアン協会の牧師アーサー・メイ・ナップが、福沢諭吉らの招請で来日。そして明治27（1894）3月、活動の拠点としてユニテリアン教会・惟一館を建設しました。
このユニテリアン教会・惟一館を、5名の知識人の支援を得て買い取ったのが当時の総同盟であり、惟一館の買取り、管理のために設立されたのが財団法人日本労働会館です。昭和6（1931）年8月のことです。
戦前の財団法人日本労働会館は、「労働者の地位の向上、教育、相互扶助等の事業推進」を目的として①労働学校の経営、②労働者アパートと病院の設立・運営、③共済事業の実施、④食堂の経営など幅広い事業を展開しました（総同盟は政府の圧力で昭和15年7月に解散、日本労働会館は昭和20年5月の空襲で消失）。
戦後、日本労働会館（旧ユニテリアン教会・惟一館）は、再建総同盟の拠点として復活しました。1964（昭和39）年には現在の友愛会館・三田会館を、昭和52年にはホテル三田会館を竣工し、今日に至っています。同盟が1964年の結成から、連合へ合流する1987年までの23年間、本部を置いていたのもこの会館です。
現在、（財）日本労働会館は、①労使関係研究協会による労働者教育と労使関係研究の事業、②友愛労働歴史館による民主的労働運動、民主社会主義運動に関連する各種資料の収集・管理・公開の事業、③ホテル三田会館による宿泊サービス事業、などを行っています。
■ユニテリアン教会・惟一館、日本労働会館関係年譜
西暦（和暦） ユニテリアン教会・惟一館、日本労働会館関係
1884（明治17）年 福沢諭吉、時事新報に「キリスト教が日本国民に利益」と説く
1886（明治19）年 金子堅太郎ら米国ユニテリアン協会ＡＵＡに代表派遣を要請
1887（明治20）年12月 ユニテリアン牧師アーサー・メイ・ナップ来日、福沢諭吉ら支援）
1889（明治22）年10月 ナップ、クレイ・マッコーレイらユニテリアン使節団7名来日
1890（明治23）年02月 麻布区飯倉4丁目に移転（建物は惟一館と呼ばれた）
1891（明治24）年05月 日本ユニテリアン弘道会、京橋区加賀町8番地に移転
1893（明治26）年04月 三田四国町で惟一館定礎式（28日）。Ｊ・コンドル設計
1894（明治27）年03月 惟一館開館式（25日）、久米邦武等演説、福沢諭吉ら祝詞
1898（明治31）年10月 社会主義研究会（安倍磯雄、幸徳秋水、片山潜ら）発足
1910（明治43）年01月 日本ユニテリアン協会、東京ユニテリアン教会と改称
1911（明治44）年11月 東京ユニテリアン教会、統一基督教会と改称。鈴木文治幹事就任
1912（明治45）年01月 鈴木文治、惟一館で通俗講話会開催。3月 労働者倶楽部開催
1913（大正 2）年10月 友愛会創立一周年記念大会を惟一館で開催
1919（大正 8）年08月 友愛会第7周年大会で大日本労働総同盟友愛会に改称
1920（大正 9）年09月 総同盟、日本労働学校開設（惟一館講堂
1923（大正12）年09月 関東大震災や会員減少でユニテリアン教会解散、惟一館売却へ
1928（昭和 3）年02月 第一回普選でユニテリアンの安部磯雄、鈴木文治ら当選
1930（昭和 5）年08月 総同盟、新渡戸稲造・吉野作造氏らの後援を得て惟一館を買取る
1931（昭和 6）年08月 総同盟、惟一館を改築（27日）し、日本労働会館とする
1940（昭和15）年07月 総同盟、政府の産業報国会加入強制に反対し自主解散、分館処分
1945（昭和20）年05月 日本労働会館（旧ユニテリアン教会・惟一館）、空襲で消失
1946（昭和21）年初頭、友愛病院修復、芝園橋食堂開業（財団戦後最初の事業）
1947（昭和23）年11月 総同盟会館建設着手（隣接の全繊会館と共に）
1949（昭和24）年08月 総同盟会館・全繊会館共同の開館式（木造モルタル2階建）
1964（昭和39）年12月 三田会館・友愛会館竣工（地上9階、地下2階。同盟や産別本部入居）
1977（昭和52）年03月 ホテル三田会館開館
1978（昭和53）年08月 「日本労働運動発祥之地」記念碑建立
1991（平成03）年08月 財団法人日本労働会館創立60周年