友愛労働歴史館の解説員便り

当館は2009年8月で一時休館いたしました。しかし資料の収集・研究、PR活動等は継続します。再開は2012年8月1日!

河合栄治郎門下生が創立した社会思想研究会、発足から62年

2008-10-23 14:28:38 | Weblog
■民社党綱領に繋がる研究会綱領!
 友愛労働歴史館は現在、特別展「民社党の35年」展を開催中ですが、これを紹介するホームページに日本の民主社会主義の理論的先達として河合栄治郎の名前が挙げられています。
 河合栄治郎は1891年2月13日に東京府南足立郡千住町に生まれ、戦時下の1944年2月15日に53歳で亡くなっています。戦前の著名な社会思想家・経済学者で、共産主義批判、軍部批判を行い、1939年に東大教授の座を追われています。
 この河合栄治郎の門下生が1946(昭和21)年10月15日に創立趣意書を作成、同年11月1日に東京日比谷の市政会館で結成したのが社会思想研究会で、「哲学と実践との仲介たる社会思想」の研究を目的としていました。創立者として山田文雄、長尾春雄、木村健康、土屋清、石上良平、関嘉彦、猪木正道氏らの名前が挙げられています。
 創立趣意書は「日本再建の原理たるべき社会哲学を徹底的に検討し、社会改革の具体案たる社会政策を科学的に研究し、之を江湖に普及せしめて聊かなりとも日本復興に資せんとする」とし、また「社会の凡ての成員の人格の成長を保証する如き日本国家を再建」するとしています。
 社会思想研究会は翌47年4月に事務所を内幸町幸ビル内鶴見事務所に移転した後、会員を広く募集するための綱領を作成しました。これは関嘉彦起草で「我々は人間性の尊厳を重んずるものである。国家ではなく、階級ではなく、況や物質的富でもなく、正に個人人格の完成こそ最高の価値であることを信ずるものである」と始まる社会思想研究会綱領は、後の民社党綱領に繋がるものでした。
 友愛労働歴史館に「河合栄治郎全集」、「社会思想研究会の歩み」、「民社党綱領」などが備えられており、自由に閲覧できます。どうぞご利用ください。
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