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コロナ禍以降の日本社会

2020年07月28日 22時06分10秒 | 政治経済論・メモ
コロナ禍以降の日本社会

 パンデミックと呼ばれる伝染病の世界的な感染拡大は、ほぼ100年に一度起きている。

 1900年代の「スペイン風邪」、1800年代の「コレラ」、1700年代の「ペスト」。

 このそれぞれが社会に変化をもたらしている。「スペイン風邪」は第一次世界大戦の終結を早め、「コレラ」は絶対主義国家の衰退と市民の政治的自立、民主主義の深化をもたらした。「コレラ」は封建国家の衰退と命脈つきそうだったローマ帝国にとどめを刺した。

 そして今回の、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大。ここでも社会の変化が始まっている。

1、テレワーク。

 在宅勤務、ネットを使った遠隔会議。大学の遠隔授業。こういったものが在宅で可能なのが明らかになった。在宅では不可能な職業もあるが、こういう就労形態が可能であるのが実証されたのは初めてだろう。僕もzoom会議を数回体験し、FM西東京の番組収録も遠隔録音をやっている。こういう技術はこれから、どんどん進化していくだろう。人と人の関係が希薄になるというマイナス面は、近隣の人との人間関係が密になるなど、人間関係にも変化が出てくるだろう。

2、医療体制。

 感染拡大にともなっ明らかになったのは、日本の医療・保健体制が意外と弱いと言うこと。「新自由主義」によって削減され続けて来た、病院や病院のベッド数、保健所の数などが明らかに不足している。これは世界的に見直しが進むだろう。

3、検疫。
 
 沖縄で、在日米軍の集団感染が発生した。これは「日米地位協定」で在日米軍の入国時の検疫が免除されているからだ。感染した米軍の兵士が補足されず逃げられたという報道もあった。日本には多数の米軍基地がある。神奈川、東京も例外ではない。赤坂、麻布といった都心にも米軍基地がある。沖縄で起こったことが、神奈川や東京で起こっても不思議ではない。


4、世界的な貧困の問題。

 このパンデミックの死者数、死亡率の高い国には、発展途上国が並んでいる。ここを何とかしなければ、パンデミックは終息しない。貧困問題に世界的に取り組まなくてはならなくなるだろう。

5、経済優先のツケ。

 過去のパンデミックは自然発生的なものだったが、20世紀にはいってからは、こうした大規模感染が相次いでいる。「エイズ」「エボラ出血熱」「サーズ」「マーズ」。いずれも人跡未踏の密林に人間の開発の手がのび、そこから未知のウイルスが人間社会にはいってきた。これも見なおす時期に来ている。

 先ずは、新型コロナウイルスの感染拡大の終息が最優先だが、終息したあとは、社会が大きき変化するだろう。これが広く認識されれば、活動の自粛も意義あるものとなろう。



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