オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

緑豊かな日本?

2019年07月23日 | Weblog
中東に半年ほど滞在していたことがあるが、
 
 砂漠の地はほとんど緑がない。航空機から地上を見ると、平坦で起伏が少ないので砂漠がまるで沼地のように広がって見える。これを切り裂くように直線の道路がどこまでも続いている。砂漠の地で自動車が故障して動かなくなると死活問題である。周囲には人家も店舗もなく当然水もない。携帯電話が通じるかも定かではない。そのために、車の中にはいつでもミネラルウォーターのペットボトルがゴロゴロと沢山転がっていた。いざという時の用心のためである。
 
砂漠の地では水は命をつなぐため不可欠のものである。
 
 街中ではあちこちに給水ポイントがある。水飲み場であるが、すべてがミネラルウォーターで賄われている。日本の水道みたいに蛇口をひねれば出てくるわけではない。わざわざタンクを備えて有料のミネラルウォーターを補給しているのである。誰でもタダで飲むことができるが、これは慈善事業の助け合いみたいに運営されているようだ。イスラム社会では施しは当然のことで、裕福な人が貧しい人に施しをするのは義務もしくは使命であるような感じである。施しを受ける人も当然と思って疑わない。
 
日本は水に恵まれた国である。
 
 砂漠の地から見たら天国のような自然環境である。そして、日本は緑の多い国である。ところが、昔は日本もはげ山が多かったのを現代人で知っている人は少ない。昔は森林の資源を利用し尽くして山は荒れ放題であったようだ。後進国で焼き畑農業などにより森林破壊が進んでいるのに似ている。日本での森林破壊のピークは第2次世界大戦中であった。資源枯渇のため山の資源を消耗し尽くしたようである。
 
戦後になって、森林の回復がなされた。
 
 戦後復興に必要な建築材供給のため生育の早い杉材が植林され、現在でも日本全国に整然と造林された森があちこちに見られる。青々とした山はほとんどが造林された国有林か公有林である。そういえば「林野庁」という農林水産省のお役所もあり、日本全国に地方部局を展開して運営されている。ところが高度成長期頃から外国からの安い材木が輸入され、国内の建築資材としての材木の需要は減少し、国内の林業は衰退している。
 
各地で台風や豪雨で水害が発生しているが、
 
 よく見られる光景が河川が氾濫した時の大量の流木である。この流木により被害はさらに甚大になっている。なぜ流木が大量に流されるのかと言うと、山が荒れているのである。材木の需要がなくなったために、造林された森林の管理が不十分で、成木の切り出しもなされていないため、風倒木として放置されている。その大量の材木が洪水で下流に向かって流れているのである。流木が激流に乗って押し寄せたのでは家屋や建築物はひとたまりもない。何とか対策しなければならないと思う。
 
昔の森は原生林でほとんどが広葉樹だったのである。
 
 それを針葉樹林にしてしまった。針葉樹林には動物のエサとなるものがなくて動物は棲息できない。また、もっとひどいことに高度成長期の乱開発で原生林の一部として残されていた里山付近の雑木林も切り倒してしまった。国有林や公有林、そして農地は宅地開発が制限されているため、雑種地である雑木林が徹底して狙われ宅地化されていった。ますます野生動物の棲み家がなくなってしまっているのが現状である。
 
このために、猪や猿や熊や狸が街中に出没するようになった。
 
 人間が野生動物の棲み家を奪っているのである。何とか対策をしなければならないが、一番のいい方法は、現在の造林した材木の国内需要を掘り起こして、放置状態にある国有林や公有林に手を入れて、ちゃんと管理し、成木となったものを切り出して、その後に人間の手で自然の原生林を復活させることだと思う。また針葉樹で造林するような過ちは犯してならないのである。緑豊かな日本の国の動植物が快適に生存できる自然環境を取り戻さなければならないと思うし、そのことが人間の健全性にも貢献できると思う。

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