オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

政治家を啓発するのは誰?

2014年10月13日 | Weblog
政治家は一般市民の代表であり、政治家を選出したのは一般市民である。

 政治家も政治家になる前は一般市民である。一般市民の中から選ばれたに過ぎない。その政治家に権限を与え、一般市民を代表して政治を委ねていることになる。しかしながら、政治家が政策や統治を独占し、幅を利かせることは公共の利益のためには害を及ぼすばかりである。それでは、この政治家を啓発できるのはいったい誰なんだろう。少なくとも政治を委ねた一般市民ではなさそうである。一般市民にあるのは政治家に対する信任投票によるしかない。公共の利益に反するような政治家は投票により排除しなければならない。

政治家は一般市民の代表であり、政治手腕には長けているが、政治理念を創造する能力がすばらしいわけではない。

 政治家を啓発できる能力を持っているのはいったい誰だろう。私が思いつくのは「哲学者」である。政治理念は物質的要求だけでなく、道徳的、知的、美的な欲求を満たすものであろう。一般市民もこのような政治理念によって大きく突き動かされる。このような思考に没頭しているのが「哲学者」であろう。この世の原理や真実を探求し続けているのが「哲学者」であろう。果たして、日本にこのような「哲学者」が存在しているのだろうかと疑問に思う。私の感覚では、このような「哲学者」を見たことがない。いわゆる哲学を学問とする学者さんはチラホラ見るが、政治家を啓発するような「哲学者」は見たことないし、政治家も哲学者に知恵を借りようという人は少ない。日本の哲学は不毛なんだろうか・・・。

政治家はその道の専門家の意見を仰ぐ。

 経済であり、科学であり、教育であり、医療であり、etcである。しかし、専門とはその分野の能力に秀でているのであり、全体を統一したものではないし、多くは物質的欲求を満たすものである。物質的欲求は即物的であり、可視化された具体的な事業にしやすいし、一般市民の理解と賛同を得やすい。それでも個々の物質的欲求を満たすことは決して目的ではなく、最終的な目標を目指すための出発点に過ぎない。最終的な目標(あるべき姿)を我々一般市民に示してくれる、もしくは啓蒙してくれるのは「哲学者」ではないだろうか。我々一般市民全員が「哲学者」であれば何も問題ないが、それも不可能な話である。一部の優れた能力を持った者が、「生きるとは何か」「善悪とは何か」「人間とは何か」「自然は?」「宇宙は?」「神は?」と常に問いかけ模索し、永遠の真実を探求し、成果を残せるような能力を持っており、それがすなはち「哲学者」であろう。

今の日本の政治を見ていると、

 ほぼすべてが物質的な欲求を満たすものであり、政治理念といわれるものは、せいぜい5年か10年のレンジでしか考えられていない。しかし、その根本にはもっと長いレンジでの、もっと言えば永遠の理念が存在するはずである。その理念に基づいて説得を繰り返せば一般市民を突き動かすことは可能であり、決して一般市民に迎合して、その意見を全面的に汲み上げるのが政治ではないはずである。また、個々の一般市民は決して優れた「哲学者」でないことを自覚すべきである。政治家を啓発するなどという無謀なことは止めるべきである。人間の本質は身の回りの自分の生活や公共の場での問題を少しずつ改善することに重要性を見出す。これも重要なことであるが、たとえ一割でもいいので、たまには永遠の真実に思いを馳せる努力をしたいものであり、少なくとも一般市民の代表である政治家はさらに大きな永遠の真実を追究する誠実で謙虚な心を持っていてほしいものである。

日本の哲学者は奮起してもらいたい。

 そして、政治家はその哲学者の啓発に耳を傾けてもらいたいし、立派な政治理念を創造してもらいたい。決して一般市民の声を無視しろと言っているわけではない。核心となる政治理念を果たすために一般市民の声を聞くのであり、無節操にその場限りの決断をすることに警告を発しているのである。このように考えて新聞の紙面を見てみると、私にとっては全く「理念」が感じられない。単なる生起した事実をぶちまけただけのように見える。かろうじて積極的か消極的か、革新的か保守的か、などの「政治姿勢」は見えてくるが、これは理念でも何でもない。この政治姿勢を持ってどんな政治理念を目指しているのかが重要なのである。よりよく生きるためには日本の政治をどうすればいいのかが全然見えてこない。これは私だけであろうか・・・。

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