オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

「話し合いによる平和的解決」

2006年07月10日 | Weblog

国際社会において純粋な「話し合いによる平和的解決」が存在するのだろうか?

 一対一の関係でしかも単純な問題であれば、もしかしたら存在するかも知れない。お互いの利害が完全に一致し、解決策が相互の利益を増大し、害益を減少するものであれば何も問題ない。この場合は話し合いそのものも必要としない。有無も言わず即座に解決する。まさに理想的な平和的解決である。次は、利益と害益の関係が混在し、利益もあれば害益もある場合で、その割合を相互に話し合う場合、うまく調整できれば「話し合いによる平和的解決」が存在するかも知れない。しかし、利益と害益を調整する範囲(時間的、空間的)を明確にしない限り相互の認識が統一できず、話し合いもうまくいかない。よって「話し合いによる平和的解決」は局部的かつ暫定的なものでしかない。

複雑化した国際関係の中での「話し合いによる平和的解決」は現実に難しい。

 これを可能にするためには、問題点を特定して、解決策を明確にして、かつ条件付きの期間限定、地域限定の解決策について話し合うことになろう。全体的に見れば、解決すべき問題は過去にも未来にも無数に存在し国際情勢も前提条件も変わって行くので話し合いは永遠に継続すべきものである。話し合いが継続して可能な状態そのものが平和な状態だと思う。普遍的な解決なんて空想の産物でしかない。そういう意味で「話し合いによる平和的解決」という言葉には現実離れした空想の掴み所のない曖昧な要素が感じられる。

「平和的解決」とは、何を意味しているのだろう。

 たぶん「武力を行使しない」ことをもって「平和的」と表現しているのだと類推する。だが、解決のための話し合いには、武力を行使するしないは別として、基本的には相互に諍いが起き、その諍いをきっかけにして何らかの争いが始まっているのであり、相互に戦っている(論争)状態にある。それを話し合いによって解決しようとしているのである。その論争さえも避けようとすれば話し合いははじめから成立しないことになる。話し合う必要はないのである。その争いは外交レベルから軍事レベルまで存在する。外交レベルだから「平和的」ということもなく、外交で一国を滅亡させることも可能である。

相手が軍事レベルの手段を行使して話し合いをしようとしている時、

 相手に対して軍事力を行使しない意味での「平和的解決」を一方的に叫んでも何の効果もないし虚しいだけである。いっそのことそんな理不尽な相手には最初から話し合いのテーブルにつかないのが利口な選択である。話し合いに応じるつもりなら、こちらも軍事レベルの手段に対抗できる準備をして対等な立場で話し合いの場に臨むのが妥当な判断であろう。この時に「周辺諸国の平和」だとか「国際平和」を持ち出して、周囲を最初から巻き込むのはいただけない。話し合いの当事者は相手国と自国であり、まずは二国間での問題解決を最優先すべきであり、二次的に諸外国との関係があると思う。プロレスの試合で勝ち目のない側が最初から場外乱闘に持ち込むようなものである。

相手国に自国の主張を飲ませるためには、

 交換条件として、相手国の主張を飲まなければならない。対等な立場であって初めて自国の主張と相手国の主張が等価で均衡が取れる。相手国が軍事力の行使又は恫喝により一方的に自己の有利な主張を押しつける場合は、不公平な話し合いとなる。対等で公平な関係を保持するためには相手国の軍事力に対抗するものを準備しなければならない。もし準備できない場合はこの不公平な話し合いは中断すべきであり決裂させなければならない。この時は相手国から武力行使を受ける覚悟は固めておく必要がある。武力行使を避けるつもりなら相手国からの不公平な主張を飲まざるを得ない(これが平和的と言うことか・・・)。相手国は話し合いでは解決できないと決断したから武力で解決しようとしているのである。

要は、

 「話し合いによる平和的解決」なんて現実には存在しない。力と力の均衡の中で相互に妥協したところが解決点であるし、「話し合い」は過去から未来へ永遠に続くもので、常に過去の膨大な経緯を踏まえた現在の結論である。それは既得権益でもあるし、過去から永遠に築き上げた伝統の結晶でもある。これらを前提としてそれぞれの個性をもった国同士が「話し合い」をするわけである。「話し合い」の落ち着くところは力と力の均衡点である。権利は主張し、自己の権益はしっかりと守る断固とした意思力があって初めて「話し合い」は成立する。ただ単なる空理空論を振り回しているだけではいつまで経っても解決点は見いだせないと思う。「平和的」ではなく、お互いの正々堂々とした戦いの結果によってお互いの納得できる解決点が見いだせるのである。 

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1 コメント

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すごい ()
2012-09-20 10:02:35
参考にさせてもらいます
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