オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

改革・改善

2009年12月23日 | Weblog

民主党政権になって、いろいろな改革・改善が行われている。

 改革・改善は大賛成だが、その母体となるのは前自民党政権が行っていた政策である。この悪いところを徹底して改革・改善すると、すばらしい前自民党政権の政策が出来上がるはずである。前政権の政策そのものがすばらしいものであったかどうかは疑問であるが、現在行っている改革・改善が立派に成功したとしても、出来上がるものは前政権の延長線上の目標しか到達できない。そんなことに一抹の不安を持っている。当座のやり方としてはいいとしても、あくまでも「当座」の話で、そのあとには民主党自ら歩み始めるための新たな目標を見出さなければならないが、今のところその目指す目標が皆目見えない。

昔、新職務に就いた時、ひとつの自分なりのやり方があった。

 職務上で問題が発生した時、すべてを前任者を悪者にして解決するのである。前任者はすでに業務を離れているので、悪者にしても影響はないし前任者の耳に入ることもない。利点としては前任者の改革・改善できなかったことでも思い切って実行できることである。ただし、この効果は半年から1年である。一回り年が巡ると、知らなかったとは言えないし、その時点で前任者のせいにしていたら「馬鹿」扱いされる。その時点で自分の責任で自分で判断して独り立ちしなければならない。この1年間で自分なりの考え、自分なりの目標を明確にしておく必要がある。このやり方は先輩からの教えられたものでもあった。

今の民主党政権がまさにこのやり方を実践しているのではないかと思う。

 前政権を悪者にすれば何でも改革・改善できる。前政権ができなかったことでも大胆に実行できる。しかし、その先には、自分の責任で自分で判断して独り立ちしなければならない。昔の若輩者の私がやっていたようなことが政治手法で通用するはずがない。最初から政党の考え、目指すべき目標を明確にすべきだと思う。前政権の悪いところを改革・改善するのは結構だが、そのあとに民主政権が何を目標に何を創り上げようとしているのかが杳として見えない。情報を公開して大いに議論し合って全員の合議の下に政治を運営しようというやり方は何となく感じられるが、それだけで政治的問題がすべて解決されるとは思われない。

外交とか、軍事とか、文化、科学、経済、教育などの政策のあり方が問われる。

 どうあるべきか、何を目標とすべきかを明確にする必要がある。やり方だけで解決できる問題ではない。ビジョンを明確にして、そのビジョンを公開して賛同を得る手続きは不可欠である。みんなで話し合って決まる性質のものでもない。全員一致で決まるものに価値あるものはない。なぜならば何も努力する必要のない目標であり、ありふれた常識的な内容であることを確認しただけなのである。全員が一致できない目標を提示して、その意義と価値を明確にして賛同しない人を説得してゆくことにこそ新たな価値を見出すことができる。その目標を提示するのが政治家の役割である。

改革・改善の真価が問われる。

 改革・改善と言うと、とにかく実行しなければならない、やることに意味があるという気持ちになるが、何もしないという選択肢があることを視野においておく必要がある。従来通り、変化なし、プラスマイナスゼロ、現状維持、も十分に評価されるのである。私的には現状維持も十分合格ラインで、マイナス、下降または後退でない限り悲観することはないし、安定感は抜群である。確かにすばらしい成果を残すことが追求すべき目標だが、そのためには冒険に伴う危険も生じるので、何もかも改革・改善というわけには行かない。そのためには目指すべき目標を明確にして、その目標を達成するために必要な改革・改善を集中的に実行する感覚が重要だと思う。改革・改善を裏返すと常に膨大な犠牲が付きまとう。最終的には国の借金と国民負担の更なる増大を招くだけである。

全体サイクルの収支決算を合わせない限りいつまでたっても国の借金は減らない。

 環境問題も一緒だが、いくらリサイクル運動と掛け声をかけてもリサイクルで問題は解決しない。なぜならば、リサイクルに多大なエネルギーを消費しているからである。全体サイクルで環境浄化をしているのは最終的には自然そのものの浄化作用である。そうであれば、自然の浄化能力の範囲で生活することで環境問題を解決する必要がある。政治も同じで、最終的には国家予算の全体サイクルの収支を合わせる必要があるが、政権が変わっても年度の収支決算を合わせる考え方は最初からない。金そのものをばら撒いて借金を増やすばかりである。こんな財務は会社であればとっくに倒産しているが、国の場合は許されるようだ。環境問題と同じように将来の世代に付けを回しているだけである。ぜひ考え直してもらいたい。

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