パソコン教室でパソコンを教えているが、
生徒さんのタイプに2種類あることに気づいた。本質を理解できる人と具体的な手順を暗記しようとする人である。前者が理解できる人は上達も早く、関連するものも自然に理解してくれるようである。しかし、後者は忘れないようにいちいち手順をメモしながら教わるが、結局はあまりメモも見ることもなく最終的には間違った操作をしてしまう。何度か教えて繰り返すと、手慣れてできるようにはなるが、その他のものに応用することはできない人が多い。教える側としては前者のほうが効率がいいので、一生懸命説明するが、受け付けない人も多い。
本質の対義語は現象である。
現象は観察すれば分かる事実であるが、それだけでは不十分で、わかったつもりになっているが、上っ面や見せかけだけで本質は理解できていない。本質はその現象が起こった背景となる理由、正体や真髄などの根本的な意味や性質・要素である。手順を暗記しようとしている人は現象に囚われ過ぎているようで、本質を説明しても聞く耳を持たないようで、「どうでもいいからやり方を教えて下さい」といった態度である。本質を理解すれば関連することを効率的に取得できるにも関わらずである。今、目の前にある疑問を直ちに解決してほしいという要求である。
本質的な問題と現象的な問題がある。
現象的な問題の集合の中に共通的・統一的に本質的な問題が存在している。解決すべきは現象的な問題ではなく、本質的な問題なのである。本質的な問題を解決しない限りその問題はいつまでたっても残ったままである。現象的な問題は際限なく存在し続けるし、これにいちいち対処していても埒が明かない。とりあえずは目の前の現象的な問題に対処しなければならないだろうが、その後にこれをきっかけに本質的な問題に取り掛かって根本から解決する努力をすべきなのである。やりっぱなしではいつまでも問題を残し、後手後手で右往左往するばかりである。
この頃の世の中はあまりにも現象に囚われ過ぎている気がする。
ゆっくりと落ち着いて本質を見極める努力をしているのだろうかと危惧するところである。また、ズバリ本質をついたような情報に出会うことは希少である。ズバリ本質をついた情報を流すことに躊躇する傾向にあるのではないかと思う。本質そのものが絶対正しいわけではない。現象が変化すれば本質も変わってゆく。変わってゆかなければならない。自然災害や、コロナウィルス騒動や、ウクライナの紛争や、地球環境問題や、世界経済不安や、色々とあるだろうが、その本質を見極めて対処する努力を怠らないことが重要だと思う。
トータル
昨日、自分の体調が優れず、横になっていました。小学生１年生の娘と４年生の息子がいます。いつも通り、散らかしたままの部屋や台所に腹が立ち、
母が体調の悪いときくらい、部屋を片付けてあげようとか、思わないものなのと、声をあげてしまいましたが、
どのようにしたら、彼らは、そんな行動が出来るようになるのか、もっと思いやりの持てる人間に育つのか、自分自身の生き方を見つめ直しています。
本質を理解しようとする思考も、親の背中をみて、感じとるものなのかもしれませんね。
冷静にかつ客観的になることが本質を理解するために重要なことだと思います。