先日北海道を旅行してきた
帰りの空便の時間に余裕があったので、札幌駅の地下街で暇をつぶしていたら、北海道物産展が催されていた。北海道産のいろんなものが売っていたが、どれも定番でそれほど新規性が見られないのと、値段が私の物差しにすれば高すぎることでほとんどが見ているだけであった。それだけでも「へぇ!こんなものもあるんだ」という驚きもあって時間つぶしにはもって来いだった。
そんな中で「山わさび」なるものを発見した。
以前北海道勤務があるので山わさびは知っていた。北海道の田舎では道端に生えているのである。歴としたわさびで、素朴な味があって私は気に入っていた。そんな懐かしい山わさびが目の前にあるのである。生産者のメモもある。旬を大切にして春と秋に収穫しているそうである。そうであれば、この山わさびは春に収穫したものであろう。それを大切に保存して販売しているのだろう。
迷うことなく購入した。
15センチくらいのゴボウが2本という外見である。別名わさび大根とも言う。カバンに入れてもかさばらないし、荷物にもならない。値段は300円もしない。私にしたら最高のお土産である。うちに帰ったら、さっそく披露した。妻はこの山わさびをすりおろして、しょうゆを少し垂らして熱いご飯の上に乗っけて食べるのが大好きで、何膳でもご飯がすすむ。懐かしい味でもある。あっと言う間に一本は消費して、あと一本しか残っていない。
山わさびは市販の粉ワサビやチューブワサビの原料になっている。
皆さんはわさびはみんな高原のわさび沢の清流で育てられていると思っているだろうが、本わさびは生産量が少なくて需要にこたえられられないのである。当然高価でもある。考えてみると本わさびで市販のワサビをあの値段で買えるわけがない。全国の需要にこたえるためには山わさびが最適なのである。なにせ道端にでも生えているようなものなので、畑で育てれば大量生産も可能である。
山わさびをすりおろすと鼻につんと来る。
刺身にも冷奴にもステーキにも風味満点である。何でこんなものを全国で売り出さないのだろうと強烈に思っているところである。まぁ、スーパーで粉ワサビやチューブわさびを買えば中身は山わさびがほとんどであるが、生の新鮮な山わさびはまた格別である。そのまま冷蔵庫に保存しておけば何も問題ないし、使いかけは水の中に漬けておくと辛みが増してますますおいしくなる。何で売り出さないのだろう。
わさびと言えば薄緑色の物を思い出す。
山わさびはすりおろすと白っぽいものになる。味わってみないとわさびとは思わないだろう。そう言えば、北海道でもわさびは薄緑色の本土と同じものを使っている。山わさびは薄緑色のワサビの原料としか認識されていないのだろうか。いや原料としても認識されていなく、闇に葬られている。是非日の目を見る場所に登場してもらって世の中に大いに流通してもらいたいものである。
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