僕は確実に自分の力で空を飛んだ記憶がある。
穏やかな春風の吹く陽気なある日、風に向かって上半身を前に傾け両腕をゆっくり広げると、ふんわりと足が地面から浮いた。
頭を風の方向に差し向け全身の力を抜くとさらに足は地面から離れ、私の体は風の中に漂った。
何も考えてはいけない、何も逆らってはいけない、ただ身体を風の中にすべてゆだねて、風の気まぐれに任せる。
気流に乗るとずいぶん高くを飛ぶことができ . . . 本文を読む
私は現在50歳を超える年齢になったが、
子供のころを振り返ってみると、ずいぶんと腕白で乱暴なことをして育ったものだと思う。学校が終わったらほとんど外で暗くなるまでガキ大将連中と遊んでいた。ガキ大将連中は中学生から小学生まで、時々高校以上または近所の青年が仲間に入ってくるような構成で、まるでギャング団であった。一番思い出すのは、お正月明けのドンド焼きと言う行事であ . . . 本文を読む