うえぽんの「たぬき鍋」

日々のつれづれ、野球ネタ、バカ話など、何でもありの闇鍋的世界?

ドラフトワッショイ2006-大学・社会人編「特攻やろう!各チーム」Part1

2006-11-22 23:55:36 | 野球・ドラフト「怪」説
さて、「たぬき鍋」恒例のドラフト解(怪)説です。まずはセ・リーグ下位3球団から。
※なお、年齢は学年をわかりやすくするために2007年4月1日現在のものとします。

★…横浜ベイスターズ
希望枠…高崎 健太郎 (たかさき・けんたろう)投手 右投右打 175cm80kg
21歳 熊本・鎮西高-日産自動車
高校時代、指名の確約をもらいながらドタキャンを食らった悔しさをバネに、社会人で心身共に大成長。ただ力任せに行くのではなく、打者心理を考えて投げられるのが心強い。常時140キロ台中盤は出る速球に、高速スライダーが大きな武器だ。
3巡目…木村 雄太 (きむら・ゆうた)投手 左投左打 189cm85kg
21歳 秋田・秋田経法大付属高-東京ガス
長身投手にありがちなフォームのバランスの悪さがなく、精神的にも常に冷静に飄々と投げられるのがいいところ。完成度は高くないが、一つきっかけをつかめば大化けの可能性あり。ロッテ入りを熱望していたが、果たして口説き落とせるか!?
4巡目…下園 辰哉 (しもぞの・たつや)外野手 左投左打 179cm80kg
22歳 宮崎・宮崎日大高-九州国際大
好球必打の積極性が最大の持ち味で、大学では1年から主軸として安定した活躍を見せた。通算114安打は九州六大学リーグ最多記録で、横浜では次代を背負う左のアベレージヒッターとして即戦力の期待がかかる。守備・走塁も高レベルで安定。
5巡目…下窪 陽介 (しもくぼ・ようすけ)外野手 右投右打 175cm78kg
28歳 鹿児島・鹿児島実業高-日本大-日本通運
高校時代は投手で、3年春には優勝。夏もベスト8まで進んだが肩を痛め、大学3年に野手転向。社会人ではクリーンアップを務め、今夏の都市対抗では打率.414で首位打者に輝いた。紆余曲折を経て、ついに念願のプロ入りが叶った遅咲きの花!
6巡目…吉原 道臣 (よしはら・みちおみ)投手 右投右打 181cm85kg
25歳 東京・日大豊山高-日本大-ホンダ
常時140キロ台が出る速球、ブレーキの効いた大きいカーブ、落差十分のフォークが魅力的な本格派。制球はアバウトながら、ひとたび波に乗ったら低めにビシビシ決まって手がつけられない。ただ、ピンチになると脆さが出る点は要注意である。

解説
「投手3人野手2人」という方針は伝えられていましたが、希望枠の高崎以外、誰をどの順位で指名するかに関しては、割と直前まで読めませんでした。毎年情報を出し過ぎるほど出してしまう横浜にしては、珍しい秘密主義。そして、これまた珍しく他球団志望の選手を強行指名(木村)ということで、「おっ、やるじゃん!」という感じです。この木村強行が引き金となり、あちこちで「玉突き」が発生して、近年稀に見るアツいドラフト会議になりましたね。さて、内容の方はというと、現在のチームに足りないタイプの選手をきっちりと指名できて、なかなかの充実度だと思います。惜しむらくは、木村がこれからどうなるか不透明なだけに左腕投手をもう一人確保しても良かったかな、と。吉原が左投げであったらもう万々歳だったんですが(爆)。ともあれ、攻めの姿勢のドラフトだったのは大いに評価できます。

★広島東洋カープ
希望枠…宮崎 充登 (みやざき・みちと)投手 右投右打 181cm78kg
28歳 和歌山・智辯和歌山高-ホンダ鈴鹿
毎年のようにドラフト候補に挙げられながらも、なかなかチャンスを掴めなかったが、昨年3月からスリークオーターに転向したことで一気にブレイク。持ち前の速球はMAX153キロまで上昇し、制球難も解消した。脂が乗りきっている晩成型右腕!
3巡目…上野 弘文 (うえの・ひろふみ)投手 右投右打 176cm83kg
25歳 鹿児島・樟南高-トヨタ自動車
パワーがぎゅっと詰まったようなゴツイ体格!MAX151キロの速球に、カットボール、スライダー、フォーク、チェンジアップといった多彩な変化球を絡め、三振を狙って取れる投球が持ち味。社会人では抑え役中心で、プロでもリリーフ起用か。
4巡目…青木 高広 (あおき・たかひろ)投手 左投左打 187cm80kg
25歳 岐阜・県立岐阜商業高-愛知大-日産自動車
長身を軟体動物のようにクニャクニャっとさせて投げる独特のフォームからイメージされたのか、チーム内でのあだ名が「ペロン」(笑)。打ちにくさピカイチ、今のプロにはいないタイプの変則技巧派左腕だ。細かな制球力が身に付けば即戦力に。
5巡目…中東 直己 (なかひがし・なおき)外野手 右投左打 170cm72kg
25歳 広島・広島工業高-東亜大-JR西日本-ホンダ鈴鹿
大学では強肩巧打の捕手として名をはせた。今年度、JR西日本から移籍して外野手登録となり、今夏の都市対抗では初戦敗退も、1番・センターで5打数4安打。俊足を活かした守備範囲の広さは特筆モノで、プロの水に慣れれば即戦力の期待も。

育成枠
1巡目…山中 達也 (やまなか・たつや)投手 左投左打 175cm75kg
18歳 香川・丸亀城西高
今夏の県大会ではエースとして4試合全て完投、チームをベスト4に導く活躍を見せた。体力があり、肘、肩の柔軟性が抜群で、MAX137キロの速球はこれからまだまだ伸びる可能性を秘める。変化球も、縦のカーブ、スライダー、シンカーと豊富。

解説
獲りも獲ったり即戦力候補4人!広島のドラフトというのは、伝統的に高校生中心であり、大学・社会人も将来性重視の指名が多く、いわゆる「すぐ使えそうな選手」にはそんなに積極的ではない…という感じだったのですが、ブラウン監督の就任や古参スカウトの引退もあってか、今年はかなり趣向が変わったような印象があります。ファンも「何かいつもと違うぞ」と思ったのではないでしょうか。確かに基本は高校生重視だと思いますが、時にはこうして即戦力候補をガンガン指名するなど、メリハリを利かせることが大事だと思います。ブラウン監督のコメントがこれまたケッサクで「自動車メーカーの選手ばかり?マツダ以外は全部取ったよ!」とニヤリ。…監督、三菱が抜けてます!でも、こういうユーモア精神大好き(笑)。黒田の残留も決まり、これからのカープは結構侮れないんじゃないでしょうか。

★読売ジャイアンツ
希望枠…金刃 憲人 (かねと・のりひと)投手 左投左打 176cm80kg
22歳 兵庫・市立尼崎高-立命館大
高校時代から、威力のある直球と縦・横2種類のスライダーが評判の好投手と言われてきた。大学では、細かった体が別人のようにガッチリとして、直球のスピードがアップ(MAX147キロ)。変化球の球種も増え、文句なしの即戦力候補に成長した!
3巡目…上野 貴久 (うえの・たかひさ)投手 左投左打 177cm75kg
24歳 東京・帝京高-東洋大-NTT東日本
キレのいい直球に、カーブに近いスライダー、シュート、フォークと変化球も多彩だ。ただ、もともとスリークオーターだったのが、最近は球速を追い求めてかオーバースローに近くなった模様。持ち前の制球力が落ちないかが少々心配ではある。
4巡目…円谷 英俊 (つぶらや・ひでとし)内野手 右投左打 181cm75kg
22歳 神奈川・横浜高-青山学院大
高校でも大学でも、1年からレギュラーを手にした実力の持ち主である。打球に対する反応の良さが光る守備は、プロでも十分通用する。打撃も年を追うごとに力強さが加わり、昨年春には打率.444で首位打者に。機動力野球にピッタリの選手だ。
5巡目…深沢 和帆 (ふかさわ・かずほ)投手 左投左打 180cm72kg
23歳 山梨・駿台甲府高-東亜大(中退)-山梨球友クラブ-四国アイランドリーグ・香川
大学1年までは外野手。投手経験は3年という浅さながら、今年のリーグ戦では33試合登板で5勝2敗4セーブ、防御率1.01(リーグ1位)を記録した。MAX145キロの速球を中心に力で押す豪快な投球が魅力。課題の変化球を磨けば大化けもあるぞ!
6巡目…寺内 崇幸 (てらうち・たかゆき)内野手 右投右打 177cm74kg
23歳 栃木・栃木工業高-JR東日本
高校時代は無名ながら、足、肩など抜群の身体能力を買われて社会人入り。昨年からショートとしてレギュラーの座を掴み、課題だった打撃も体重移動のコツを覚えて成長まっただ中にある。技術に対する関心の高さ、向上心の強さもプロ向きだ。
7巡目…深町 亮介 (ふかまち・りょうすけ)投手 右投右打 180cm81kg
22歳 愛知・中京大中京高-中京大
高校時代は「速いけれどノーコン」という典型的控え投手だったが、大学で辛抱強く起用されていくに従って安定感が増してきた。抑えで起用されたことで素質が開花し、MAX154キロ!将来の夢は日本最速男・クルーン(横浜)の161キロ超えとか。

育成枠
1巡目…鈴木 誠 (すずき・まこと)投手 左投左打 175cm67kg
22歳 東京・京華商業高-JR東日本
大きな実績はないが、肩胛骨の可動域の広さと腕の振りの速さに定評がある。将来的には150キロの速球も期待できそうな左腕だ。ピンチでも堂々としたマウンド捌きは頼もしい。なお、マック鈴木(元・オリックス)とは同姓同名の別人である。
2巡目…下山 学 (しもやま・まこと)外野手 右投右打 180cm85kg
22歳 神奈川・法政二高-青森大
シーズン7本塁打、1試合3本塁打、通算19本塁打など北東北大学リーグ新記録を次々に打ち立て、大学・社会人ドラフトで指名があってもおかしくなかったスラッガー。遠投123mの鉄砲肩にも定評がある。負けじ魂で、育成枠から這い上がるぞ!
3巡目…松本 哲也 (まつもと・てつや)外野手 左投左打 170cm66kg
22歳 山梨・山梨学院大付属高-専修大
俊足強肩で守備範囲が広いことを買われ、大学ではセンターを務めた。また、主将としてチームをよくまとめ、今秋のリーグ戦では2部優勝及び9季ぶりの1部昇格にも貢献、2部のベストナインに選ばれた。パワーが付けばなかなか面白いかも。
4巡目…隠善 智也 (いんぜん・ともや)外野手 左投左打 174cm73kg
22歳 広島・広島国際学院高-広島国際学院大
体は小さいが、野球センスは抜群!高校時代のある試合では、左投げなのにショートを守ったという逸話を持つ。走守のスピードに加えてパンチ力もあり、大学通算13本塁打。リーグ戦ではまともに勝負してもらえないこともしばしばだったとか。
5巡目…芦沢 明 (あしざわ・あきら)内野手 右投右打 180cm76kg
23歳 山梨・日本航空高-専修大-元・シダックス
社会人1年目ながら、シダックス野球部が廃部となり退社。11月に入団テストを受けて合格し、一度は閉ざされた野球の道が再び繋がった。高校、大学とクリーンアップを務めたパワフルな打撃と、本職はサードだが外野もこなせる守備が持ち味。
6巡目…作田 啓一 (さくた・けいいち)外野手 右投右打 178cm83kg
22歳 北海道・札幌国際情報高-苫小牧駒澤大
恵まれた体格を活かしたパワフルな打撃で高校通算44本塁打、大学通算10本塁打を放っている。また、50m6秒1、遠投110mという身体能力も評価が高い。巨人スカウト陣が高校時代から徹底マークしていた逸材で、将来に大きな期待がかかる。
7巡目…大抜 亮祐 (おおぬき・りょうすけ)投手 右投右打 186cm70kg
18歳 岐阜・中京高
高校生ドラフトで横浜から4巡目指名を受けた高森勇気捕手とバッテリーを組む。長身から投げ下ろす角度のある球を武器に、3年春は東海大会ベスト4、夏の県大会ではベスト8に食い込んだ。制球が安定しているだけに、体力が付けば面白い。

解説
4年連続で優勝を逃した巨人。もうなりふり構っちゃいられないとばかりに大学・社会人ドラフトで6人、続く育成ドラフトで7人、計13人の超貪欲指名を見せました。特に育成ドラフトでは他球団が1~2人の指名で終わったのに対し、えんえんと指名して、一体どこまで行くのかと思わせました(笑)。これには、巨人とロッテによる「フレッシュリーグ(仮称)」構想が絡んでいて、育成選手に2軍の若手を加えて新チームを結成し、現在7球団あるイースタン・リーグのうち、試合がない球団や社会人、独立リーグのチームと試合を行おう…というものだそうで、いずれは育成選手だけによるリーグに発展させていこう、という動きのようです。あの巨人がこんな面白い試みを考えるとは(笑)。ちょっと見直しちゃいました。あとは、現場が育成を重視して、無節操な「補強」がなくなると、なおいいんですけどね~。
コメント (3)
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