メトロン星人編はセブン版あしたのジョー

 4月からBSプレミアムでOAされているウルトラセブン4Kリマス
ター版だが、昨日OAされたのがファン待望のメトロン星人編。

 人を狂わせる赤い結晶体をタバコに混入し人間同士を争わせて
自滅を狙うメトロン星人が登場するわけだが、星人とモロボシ・
ダンが夕陽の射し込む安アパートの一室でちゃぶ台を挟んで話し
合うシーンや夕陽の中で戦う名シーンの連続で基本的にセブンを
代表するEPの一つになっている。

 面白いのはこのEPのみ金城哲夫と実相寺昭雄が組んでいるいる
わけで極端な話、ウルトラセブン版のあしたのジョーとも言える
と思うわけだ。

 このEPの脚本を担当したのはウルトラQ以来のメインライター
である金城哲夫で、Qからセブンまでの3つのシリーズの中で組ん
だのは円谷一:14話・梶田興治:3話・飯島敏宏:2話・野長瀬三
摩地:7話・満田かずほ:8話・鈴木俊継:2話というようにメイン
EPを担当している。

 一方で実相寺昭雄監督はウルトラマンから監督をしているが全
6話は佐々木守が担当しており、セブンでもメトロン星人編と一
緒に造られた幻の12話・遊星より愛をこめても佐々木作品である。

 つまりメインライターで直球系の金城哲夫脚本と変化球系の佐々
木守は全く作風が違うわけで、その佐々木守と常に組んでいたのが
実相寺昭雄なのだ。

 これと似たようなケースとして典型的なスポ根ものの作風の梶原
一騎と、ほんわかした学園ものを中心とした緩い作風の ちばてつ
やが組んだあしたのジョーである。

 本来ならば全く作風が違う人達による作品は下手すると個性がぶ
つかり合って空中分解しかねないわけだが、上手く行くと歴史に残
る名作日なるわけだ。

 それを考えるとメトロン星人編は全く作風が違うライターと監督
が組んだ稀有な作品だと思うのだ。

 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Bill McCreary)
2021-05-25 23:48:01
第2期は、本多猪四郎は別格として、筧監督や東條監督、山際監督、実相寺監督と同じTBS出身の真船監督などもすごい監督ですが、やはり実相寺監督ほどのすごい才能の人はいませんよね。ていうか、実相寺監督が何本も演出してくれたということが、たぶん奇跡のようなものだったのでしょう。

いろんな事情があったのでしょうから仕方ありませんが、もう少し本多監督には第2期の監督をしていただきたかったと思います。
 
 
 
その実相寺監督が (こーじ)
2021-05-26 20:52:46
>Bill McCreary様

 その実相寺昭雄監督が第1紀の頃は変人扱いされていたのですから、やはり才能を正当に評価するのは難しいという事でしょう。

 本多猪四郎監督はメカゴジラの逆襲の後は親友の黒澤明監督を助監督としてサポートしていたようです。
 
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