W杯の3位決定戦考

　ドイツが4度目の優勝を果たしたブラジルW杯で開催国のブラ
ジルはSファイナルでドイツから1－7の惨敗を喫しただけでなく、
3位決定戦でもオランダから0－3で完敗するという屈辱を味わった。

　開催国優勝を義務付けられたブラジルにとってSファイナルで
惨敗した後に臨む3位決定戦は、気持ちの切り替えが難しい試合
だったろう。
　
　問題は3位の価値だが陸上や水泳などのタイムを含めた記録に
アタックする競技や採点競技などならあるだろうが、トーナメント
による勝ち抜きの場合は臨む選手やチームのモチベーションにより
勝敗が左右される。

　五輪などのアマチュア上がりの大会では‘表彰台に上る’という
価値もあるし3位と4位では天と地の差があるのに対し、サッカー
の場合は真っ先にプロ化に踏み切ったのでプロが出場するW杯の
目的は優勝のみ。

だからかブラジルとアルゼンチンが出場しないW杯といわれる
ヨーロッパ選手権では3位決定戦は行われないし、後発である野
球のワールドベースボールクラシックでも3位という概念はない。

　とはいえ定着してしまっているものを今さら廃止はできないだろ
うから、観戦する者達は3位決定戦をエキジビションマッチとして
見ればいいだろうし出場チームも06ドイツ大会で控えGKだった
オリバー・カーンを起用したように これまで出場できなかった選
手達で臨むような流れを作るのが現実的だろう。