優勝は逃したものの一皮むけた稀勢の里

白鵬、10度目の全勝=大相撲夏場所(時事通信) - goo ニュース

 今年の大相撲夏場所は14日目に大関・稀勢の里との全勝対決を制した横綱・
白鵬が千秋楽でも日馬富士に勝って全勝優勝を果たしたのだが、今場所を盛り
上げたのは13日目まで白鵬と全勝で併走した稀勢の里なのは間違いない。


 大相撲ファンが待望久しい日本人横綱の期待の一番手だった稀勢の里が、
ようやく覚醒した感じなのだ。


 横綱昇進には2場所連続優勝か それに準ずるという成績を残さないといけない
のだが、大関に昇進して以降の稀勢の里は2桁勝つのがやっとという感じで
大関としては合格でも横綱への期待を裏切る成績でファンも失望していた。


 稀勢の里の優勝を阻む要素として挙げられるのが自分の型に拘り過ぎる事と、
腰高の立ち合いだ。


 入門以来 元横綱・隆の里の教えを忠実に守って番付を駆け上がった稀勢の里
だが角界一といわれる豊富な稽古量をこなす反面、親方の教えである‘自分の
型さえ作れれば百戦危うからず’という己の型万能理論を頑なに守った結果
出稽古すらせずに過ごしていたから自分の型に嵌れば強いものの崩されると
驚くほど脆いという二面性を持つ事になったので
相性の悪い特定力士に必ず
負けるケースが目立った。


 具体的に言えば琴欧州や把瑠都のような長身力士に差して攻めるという型に
拘るあまり相手十分になってしまうので、舞の海あたりからも‘差すよりおっつけ
で’と言われていたのが今場所は ようやく差さずに おっつけで勝ったのだから
自分の型への拘りを捨てたのかと思ったのだ。


 聞くところによると稀勢の里は今場所前に これまでの禁を破って出稽古に赴い
たらしく、これが今場所の自分の型に拘り過ぎない取り口になっているのでは
ないだろうか。


 たしかに自分の型を作るというのは勝利への近道だろうが、あくまで それは
手段であり自分の型が通じない相手に勝つには それを放棄する勇気が求めら
れる。


 これが大関でキャリアを終える素材なら それでいいだろうが横綱を期待される
力士が自分の型に拘り過ぎて相性の悪い相手に勝てないというのは本末転倒
だから、それを崩そうとしない稀勢の里の姿勢に相撲ファンは歯痒さを感じて
いたのは間違いない。


 それが今場所前に出稽古を行ったと聞いて‘ようやく稀勢の里も分かって
きたか’と思ったし、優勝は逃したものの全勝での優勝争いを演じられたのは
その成果ではないかと考えるので この成功体験を糧にして更に出稽古を
重ねて柔軟な対応を身に付ければ日本人横綱の誕生は そう遠い日ではない。

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