亀海、王座ならず=コットに判定で完敗―WBO・Sウエルター級
今日の昼前にカーソンのスタブハブ・センターで行われたWBO:
Sウエルター級王座決定戦で、6位の亀海喜寛は元4階級制覇王者の
ミゲール・コットと対戦し0-3の判定負けで81年の三原正以来の
アメリカでの王座獲得はならなかった。
1年9か月ぶりの実戦となるコットに対し亀海は体格差を生かし
プレッシャーをかけてパンチをヒットさせ先制するが、2R以降は
コットの巧みなテクニックの前にペースを握られポイントをピッ
クアップされていく。
亀海もボディを中心に攻め立てるがコットは鋭いステップワー
クとボディーターンでポジションを常に変えるなど、変幻自在の
動きを見せて手数で圧倒し最終的に最も接近した採点でも118-
110という大差が付いた。
ただし結果的に大差は付いたが11年から海外に拠点を移して戦
績を積み重ね、ビッグネーム相手の世界戦にこぎ着けた事自体が
最近のボクシング界では見られなかった事である。
ここ数年のボクシング界は多くの世界王者を輩出しているものの
フライ級以下が多く日本人選手ではSフェザーまででメジャータイ
トルであるライト級から上の階級は層が厚く、日本に王者を呼んで
挑戦するというのは難しく海外に出て行くしかないわけだが国内ば
かりで勝ち続けてもアメリカを中心とした市場で知名度がないと挑
戦すら難しい。
ところが内山高志を擁していたワタナベジムの会長に見られるよ
うに、とかく国内のジムの会長は帝拳や大橋ジムら一部を除き海外
での試合には消極的なのが実情だ。
現実問題としてジムのエースを海外に行かせて潰されたら?とい
う危惧は分からないでもないが、目の肥えたファンを納得させるに
は海外で審の強豪と対戦する事が重要になって来る。
そういう意味で亀海は11年から海外で戦い敗れたとはいえロバー
ト・ゲレーロのような強豪と対戦してキャリアを積み今回のコット
との対戦にこぎ着けたわけで、願わくばライト級から上で世界を狙
えるボクサーは亀海のような路線を取らなければ世界を取るどころ
か世界挑戦すらできなくなるだろう。