男子バスケはアジア大会にベストメンバーで臨む必要はない

　9月20日から中国の杭州で開幕するアジア大会のバスケットボー
ルで先日終了したバスケットボールW杯で、来年行われるパリ五輪
出場権を獲得した男子チームはトム・ホーバスHCをはじめベスト
メンバーで臨まない旨を発表したのに対し中国メディアが‘日本は
2軍を送り込む’と批判したようだ。

　確かにHCをはじめW杯メンバーは川真田紘也のみという状況を
見れば2軍呼ばわりされるかもしれないが、W杯では自分達よりも
格上の敵と戦って3勝2敗としてアジア1位になりパリ五輪出場権を
獲得してから1カ月足らずでアジア大会に臨んでもいいパフォーマ
ンスは期待できないのは火を見るより明らか。

　中国は先のW杯では5試合で1勝したのみの29位で最終予選にも
進出を逃しているので、自国開催という事もあり優勝を義務付け
られているからベストメンバーで臨むだけ。

　どんな試合でも常にベストメンバーで臨むというのはアマチュ
アの発想であり、プロの場合はケガを含めたコンディション不良
のベストメンバーよりベストコンディションの控えの方が怖い。

　これは95ラグビーW杯で日本は控え中心のNZに145失点して敗
れた例が顕著なように既に決勝トーナメント進出を決めたチーム
の場合、ベストメンバーで臨む方がモチベーションを考えると控
え中心の方が効果的だ。

　しかも五輪出場権をかけたW杯と、ローカルな戦いでしかない
アジア大会のどちらに注力するかといえば自明の理。

　まぁ某国は98年10月にラグビーW杯出場をかけた予選で敗れた
にも拘らず、12月のバンコクアジア大会で優勝するとメンバーは
兵役免除などの特典を得ていたがW杯出場しても特典はなかった
との事。

　今はアマチュアスポーツの時代と異なり出場する試合も増えて
いるので常にベストメンバーで臨むのは無理だから、力を入れる
試合の選別が必要でそこの判断が問われるし案外Bリーグ発足前
の日本バスケなら協会がベストメンバーで臨んだかもしれない。