ドラゴンへの道の魅力

 ここ数年ブルース・リーの命日である7月20日にはブルース・
リー主演作品を見るようにしており、今年はドラゴンへの道を
見たのだった。

 ブルース・リーの主演作品は編集版の死亡遊戯を含めて5作品
あるのだが日本での公開は最初に燃えよドラゴンから始まり危機
一発、怒りの鉄拳にドラゴンへの道の順番だったので‘最後のブル
ース・リー’などという妙なタイトルが付いているのが鬱陶しい。

 また公開前にドラゴン電光石火という作品があるという情報が
あったので、それが何でドラゴンへの道になったのかと子供心に
思っていたら配給会社の悶着によるものとウィキに載っており妙
に納得したものだった。

 それにしても原題が英語版ではWay of the Dragonだから直訳
すればいいのに、The Big Bossをドラゴン危機一発などという邦
題にしたのに続き電光石
火などという妙な題を付ける東宝東和の
センスには今でも怒りを感じる。

 当時は燃えよドラゴンが最初に公開された後にブルース・リャ
ンやジミー・ウォングらが主演でタイトルに‘ドラゴン’と入れた
香港カンフー映画が次々に公開され、ようやく危機一発と怒りの
鉄拳が来たもののブルース・リーが出演しているだけという内容
だっただけにドラゴンへの道はリー自身が脚本や監督まで兼任し
たという情報を得ていた事から大いに期待していた。

 しかもクライマックスのコロシアムで戦う相手が空手の世界王
者チャック・ノリスときているし、ダイジェストなどではさわり
の部分もあったので楽しみにしていた。

 前半はブルース・リー演じるタン・ロンが慣れないローマで悪
戦苦闘するシーンがユーモラスに描かれ、特に空港のレストラン
でメニューが読めずスープばかりを注文し全部平らげるものの腹
を壊すシーンは他の作品にないもの。

 つまりシリアスとユーモアのバランスがよく燃えよドラゴンの
時のようなギラギラ殺気立った雰囲気がないのを見ると、ブルー
ス・リー自身が脚本を書いているだけの事があると思ったのだ。

 クライマックスのコロシアムでのシーンなど当初はチャック・
ノリスのパワーに圧倒されるものの、ボクシングのフットワーク
を活用し始めてからはノリスの蹴りを円の動きでかわして翻弄し
キックをカウンターで叩き込み最後は首をへし折るという総合格
闘技の要素をふんだんに挿入している。

 考えてみれば脚本と監督を兼ねたのは他には未完成だった死亡
遊戯ぐらいだから、そういった意味でもドラゴンへの道はブルー
ス・リーが作りたかった世界という感じになっていると思う

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