ドミニカのWBC優勝に思う

ドミニカ共和国、全勝で初優勝=プエルトリコに完勝【WBC】(時事通信) - goo ニュース

 カリブ対決となった第3回WBCのファイナルはドミニカがプエルトリコに3-0で
勝ち 初優勝を飾った。

 CSに入ってないため深夜にOAされた録画中継を見たのだが身体能力が高い
者同士の ハイレベルな一戦は4年前の日韓決戦とは また一味違った趣で
ベースボールの最高峰を決めるという雰囲気だった。

 もともとベースボールは先に21点入った時点で終わるという点取りゲームから
スタートしていてアメリカ周辺諸国は その伝統を大事にしているのに対して日本
の場合は9イニング制が定着して輸入されたという事と高校野球に代表される
ようなトーナメント主体の運営の影響で負けないスタイルが主流に なっている。

 杉浦大介氏のコラムでも語られているように日本の試合は投手と打者の果し合
いのようなピリピリしたものに対しカリブ系のスタイルは路地裏の三角ベース野球
の延長でプレーしている伸びやかさがあるのが野球とベースボールの違いでも
あるだろう。

 過去2大会で日本が勝った主な相手としてキューバ・アメリカ・韓国がある。

 06年の第1回大会終了後に芝山幹郎氏が

「アメリカが早々と敗退した事で醜悪な‘お手盛り大会’を避ける事ができ、
キューバや韓国が優勝を逃した事で国威発揚の道具にされずに済んだ。
 訓練や規律が勝利に欠かせない事は認められても才能や技芸の快楽に乏しい
野球は寂しいもの」
と語っていた。

 つまりキューバや韓国は勝つ事によって国威を示すという狙いが見え隠れして
いたしアメリカの場合はビジネスライク過ぎて殺伐としている感があるのに対
して、ファイナルを戦った両国の戦い方は純粋にプレーする事に喜びと誇りを
持っているチーム同士で大いに好感が持てた。

 個人的に日本の三連覇は厳しいと思っていたし、正直言って してはいけない
という思いもあった。  

 これが第2回大会以降ならば問題ないだろうが第1回から3大会連続で優勝して
しまうと‘日本のための大会’‘目先の1点に拘り過ぎるのは邪道’的な見方を
される可能性が高く大会の質そのものが問われかねないし、国内でもミニマム
ベースボール化に拍車が かかってしまう危険性が高かった。

 何の競技でも勝ったチームのスタイルが主流になる。

 過去2大会は整然としたチームプレーで1点に拘る日本的なスタイルが勝った
ものの、3大会連続ともなると‘日本式でなければいけない’状態になり、快楽的
な要素がなくなる可能性が高いので野球の神様は今大会は快楽的なスタイルの
カリブ野球に勝たせてバランスをとったのではないだろうか。

 最後に こういうレベルの高い試合が日本が敗退したからという理由で深夜の
録画中継にしたというのは視聴率に左右される民放地上波だから仕方ないかも
しれないが、せめてBSで生中継して欲しかったし それがホスト局の義務では
ないかと思うのだ。  

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