17度目の先頭打者本塁打=高校野球(時事通信) - goo ニュース
今年の夏の甲子園も今日からベスト8の戦いで残りは5試合になったのだが
今大会はホームランが よく出る大会で今日3本出たので今大会通算49本と
なっている。
しかも今日の第2試合で大阪桐蔭の森が先頭打者HRを放ち龍谷大平安-
旭川工、光星学院-神村学園、倉敷商-秋田商戦に続いて4試合目だ。
こういう展開を見ていると高校野球も変わったなと改めて思う。
昭和の時代の1番打者は例え自分がアウトになっても球数を投げさせて
後ろの打者に球筋を見せるために追い込まれるまでは手を出さず、ファウルで
多く粘るという打者が理想だった。
だからイチローや仁志敏久みたいに初球から打っていくタイプは保守的な野球
観の者からは異端児扱いされていたのだが、負けると終わりの高校野球の1番
打者が初球からフルスイングをするアグレッシブなスタイルになっているのだから
驚きで中継を見ていても‘1番打者が初球からフルスイングをするとはけしからん’
的な非難も聞かない。
まぁプロ野球でも一昨年は200本安打を放った打者が3人も出たのだが、当然
ながら1番打者だったわけで確実に1番打者に求められるものが昭和の時代とは
変わってきているのだが・・・・
15年ほど前に九州から春夏連続出場した古豪チームのベテラン監督は‘最近の
高校野球は長打が出過ぎで乱れており嘆かわしい、高校野球の理想のスコアは
1-0なのに’とボヤいていたが当然ながら そのチームは共に1勝したものの
2回戦で敗れていた。
もっとも春は敗れた試合で一旦同点に追い付き流れを掴んだのは皮肉な事に
HRだったにも拘らず‘HRが出たから負けた、ウチの野球にHRは必要ない’と
言い切っていたのには笑ったが・・・・
そういえば06年夏は早実・斎藤と駒大苫小牧・田中の延長15回引き分け再
試合がハイライトになっていたが、この年はHRが実に60本も乱れ飛んだ大会で
特にベスト8での智弁和歌山-帝京戦などは両校併せてHRが6本も出る引き
分け再試合の試合を上回るベストゲームと共に華々しいエンターテイメントだった。
にも拘らず高校野球特集号のベテラン記者は‘野球が乱れている’と非難して
いたのだが、正直言って高校時代にフルスイングをベースにした野球をした方が
将来的にもスケールの大きな選手が増えるし それに対抗するべく好投手も誕生
するもの。
日本野球の更なるレベルアップを考えた時にスケールの大きな選手育成こそが
最重要課題になっているわけで、既に160㌔前後の速球を投げる投手が誕生した
のも最新のトレーニング理論の発達と打者のレベルアップからではないか。
昭和のノスタルジー溢れる野球を復活させたところで甲子園では勝ち進む事は
できないし時計の針を逆行させる愚行は避けるべきでマスコミも‘ホームランが
よく出るようになったのは高校野球のレベルが上がったから’と評価し、レベル
アップを喜ぶべきなのだから。