ウルトラマンネクサスではビースト被害者達の記憶をTLTのメモ
リーポリスが消去するというシーンが出てきて、そういう行為の
是非が問われるのも1つのテーマになっている。
ビーストに関する記憶を消去するのはビーストが知的生命体の
恐怖心を捕食するという理由からで、かつてビーストの襲撃で自
らの星を爆破した来訪者達のテクノロジーを受けてのものだった。
記憶消去というのは いかにも21世紀のウルトラっぽいものの、
人間の記憶を消去するのは意外にも初代ウルトラマンで見られる。
ウルトラマンネクサスのプロローグである劇場版ULTRAMANでは
ウルトラマン・ネクストの赤い発光体と最初のデュナミストである
真木舜一が搭乗したF-15イーグルと衝突して同化するという初代
ウルトラマンと同じ設定からスタートしていた。
初代ウルトラマンは逃亡したベムラーを追って地球に飛来した
ものの竜ヶ森上空でハヤタが搭乗した小型ビートルに衝突して、
それからハヤタと同化し地球に留まって怪獣や侵略宇宙人と戦い
始めるわけだ。
ところが最終回でゼットンから倒された後に命を2つ持って来た
ゾフィからウルトラマンとハヤタが分離され、ハヤタはウルトラ
マンがゾフィと共にM78星雲に帰還するのを見て‘竜ヶ森上空で
遭遇した赤い球体’とムラマツキャップに報告するシーンが最後
に出てくる。
つまりゾフィか初代ウルトラマンによってハヤタはウルトラ
マンと同化して戦っていた記憶を消去されていた事になる。
ハヤタがウルトラマンと同化している事は当然ながら秘密で
だしウルトラマンが去った後に赤い球体を見て‘あれですよ、
竜ヶ森上空で見たのは・・・’と言ったのが何より。
現実的にはハヤタがウルトラマンと同化していた事を一般に
知られると劇場版の真木舜一のようになりかねないとウルトラ
マンも判断したのだろう。
それを考えると記憶を消すというのは決して悪い事ではない
のだ。