大人の世界の現実を見せてくれた 帰ってきた  ウルトラマン6話

 40年前の今日71年5月7日にOAされた帰ってきたウルトラマンの6話:決戦!
怪獣対マットがOAされた。

 前話の続編になっている このEPは小型原爆並みの威力を持つスパイナーを
東京で使おうとする地球防衛庁の姿勢に対して郷の師匠である岸田森演じる
坂田健が疎開を拒否する理由を語るシーンなど名シーンの連続なのだが、当時
最も違和感があったのがMATと岸田長官をはじめとした地球防衛庁上層部
との対立である。

 前話で‘ツインテールを卵のうちに焼き払うように’という上層部からの命令に
対し恋人の坂田アキをはじめとした5人が卵が現れた地下に閉じ込められて
いるのを考慮して人命救助を主張する郷の意見を受け入れた加藤隊長が岸田
長官から叱責されるのだが、それに対して隊長も自分の判断の正しさを主張する
というセブンでも見なかった展開だ。

 面白いのが岸田長官を演じたのがセブンでヤマオカ長官を演じた藤田進だし、
佐竹参謀を演じたのもセブンでタケナカ参謀を演じた佐原健二なのに全く違う
キャラになっていた。

 セブンでは上層部とウルトラ警備隊の関係は良好だったし、キリヤマ隊長の
判断に上層部も少しは反発しても基本的に信頼しきっていた。

 ところが帰ってきたウルトラマンでは全く逆で常に上層部がMATに解散をチラ
つかせるプレッシャーを与えていたのが印象的で、今回のEPがその象徴に
なっている。

 スパイナーを使うと凄まじい高熱で一瞬にして東京を壊滅させるぐらい強烈なの
だが2大怪獣を倒すためには手段を選ばないという姿勢は強烈だし、その指揮
権を長官が握る事になっているというのも これまでのウルトラでは異例だった。

 とはいえ
‘MATの使命は人々の自由を守り、

それを脅かす者と命を懸けて戦う。

そのためにMATはあるのでは

なかったんですか’ 

と隊長は郷からMATの存在について問われMAT隊長としての最終決断を下す
シーンは帰ってきたウルトラマンならではで、10mの至近距離から怪獣に麻酔
弾を撃ち込むという陸上作戦を長官に進言した。

 これを受けて長官は当然のように難色を示しスパイナー作戦の続行を宣言
するが、驚いたのが甥っ子である岸田隊員が‘長官私からもお願いします’
と進言すると‘よし分かった’と許可が出るシーン。

 後に分かる事だが岸田隊員の家は軍人一家でMAT隊員の中でもエリートだった
からか当初はツインテールの卵を焼き払うという上層部からの命令を人名優先した
隊長の姿勢に岸田は反発していたのだが、ここに及んで隊長や他の隊員達の
姿勢に絆されて‘私からも’と言うのは分からないでもなかったけど

‘隊長が言っても変わらなかった事が

甥っ子が言ったら変わるのか’

と大人の世界である現実世界の不条理を知る事ができた。

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