佐々木朗希を甲子園で見たいような、見たくないような

 今年も夏の甲子園予選がたけなわで、そろそろ代表校も決まり始
める頃だが今夏もっとも話題を集めているのが大船渡のエース・佐
々木朗希だろう。

 4月の代表合宿で163㌔の速球を投げたとして大いに話題になり
俄然注目され始めたわけで、予選の1回戦からメディアが殺到する
大騒ぎになっている。

 大船渡といえば84年の春・夏連続で甲子園出場し春は軟投派の
金野を擁して多々良学園・日大三島・明徳義塾に勝ってベスト4に
進出したものの、決勝で桑田&清原を擁して夏春連覇を狙ったPLに
勝って優勝した岩倉にサヨナラHRを打たれて準決勝敗退だった。

 夏は初戦で長浜に15安打を浴びせながら3-4で競り負け、こ
れを最後に甲子園に出場してない。

 大船渡は公立普通校だから84年のみの出場というのは仕方ない
し80年代までの岩手代表の出場校は一関商工ぐらいが私立だった
のに対し、ここ10年はご他聞に漏れず花巻東や盛岡大付という私
立校が占める一方でレベルも跳ね上がっている。

 そんな中で優勝がまだない東北地区の公立普通校に凄い逸材が現
れたのだからメディアは大騒ぎで、昨夏の吉田輝星を擁した金足農
が決勝まで勝ち進んだ事もあり‘甲子園に出場して当然’や‘豪腕 ・
佐々木が東北勢悲願の初優勝に導く’的な報道が垂れ流されている。

 だから個人的には佐々木が甲子園に出場すると注目されまくるだ
けでなく‘炎の連投’や‘魂の○百球’などと煽られるのがオチだ から、
十分プロ野球のスカウトからも注目されているので予選で負ける方
がいいのかもと考えていた。

 ただし大船渡の国保陽平監督は野球のコーチングで日本をリード
する筑波大を出ており海外での野球経験もあるだけでなく、1人の
エースに頼らない複数投手制をチーム作りの哲学にしているし実際
に春の県大会の初戦で佐々木を投げさせずに敗れている。

 春季大会は甲子園が絡んではないもののシード権がかかっている
のだが、そういった大会に敢えて控え投手を投げさせ実戦経験を積
ませようとする姿勢は素晴らしく‘エースと心中’を是とする監督が
多い中では貴重な存在だろう。

 投手の酷使が問題になっているにも拘らずエースと心中論が蔓延
るのは特に選手層の薄いチームが勝つにはこれしかないという事が
大きいわけだが、逆に言えば1人のエースに拘らなくても勝てれば
複数投手制が主流になるのは当然だ。

 そういう意味で地方の公立普通校の大船渡がスーパーエースを抱
えながら頼らないスタイルで甲子園に出場すれば、世間の風向きも
複数投手制に流れが行く事を考えると甲子園出場して欲しい気もす
る。

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