井上大仁の金メダル獲得に思う

アジア大会男子マラソンで井上大仁が優勝 日本勢では32年ぶりの金メダル

 インドネシアのジャカルタで今朝行われた男子マラソンで日本の
井上大仁が、バーレーンのエルハッサン・エラバッシに競り勝って
86ソウル大会の中山竹通以来の金メダルを獲得した。

 レースはスローペースで進み35㌔過ぎに先頭集団が日本勢2人を
含めた5人になると、37㌔あたりで井上と前回1万m王者のエラバ
ッシの争いになり競技場までの競り合いになったのだが最後の直
線でリードを奪うとエラバッシの追い上げを振り切って逃げ切り
見事に金メダルに輝いた。

 エラバッシは国籍こそバーレーンだが実際はエチオピア人からの
帰化選手で、こういった選手はスピードがあるのに対し日本人選手
はトラックでのスピードがないから競技場に入るまでにリードを奪
って逃げ切るしかないというのが これまでの定説だった。

 確かにエチオピアはケニアと並ぶ長距離王国で特にトラックでの
スピードは群を抜いているのだから、今回のような展開になったら
勝ち目はないと思われていた。

 実際にエラバッシは集団の後ろの方にくっついている形で力を溜
めておりトラックを含めた残り2㌔の勝負に備えているのかと思っ
ていたわけだし、井上が何度かスパートをかけたものの追いすがっ
て振り切れないので競技場での勝負に持ち込まれたら最後の直線で
刺されるのかなという感じだった。

 ところがトラック勝負になっても何度か前に出て突き放そうとす
るが追いすがられ最後の直線で刺されそうになったのだが、インか
ら抜こうとしたエラバッシと接触する形で追い越しを許さず逃げ切
った。

 エラバッシは狭いインから抜こうとしたので接触した形だが、ア
ウトから抜く余力がなかったゆえかもしれない。

 かつてトラック勝負になると必ず勝っていた瀬古利彦の時代から
トラック上がりのスピードを誇るアフリカ勢に太刀打ちできなくな
っていた日本勢だが、こうやってトラック勝負になり接触にも負け
ず振り切った井上の姿を見るとようやく日本にもラストのトラック
勝負ができる選手が現れたと実感するのだった。
 
 正直言って世界の壁はまだまだ厚いものの、こういう成功体験を
積み重ねて行く事でマラソン日本を復活させられるのではと思った
今日の金メダルだった。

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