改めて お客さんの希望を聞く事の重要性を実感

 少しばかり業界ネタを

 早いもので父が亡くなって今年で6年になるのだが、おかげさまで
父がカットしていた顧客も半分は来店してくれており本当にありが
たい。

 ただ一昨年ぐらいから父がカットしていたお客さんから徐々に言
われ始めたのが‘もう少し〇〇してくれ’という事で、実は私自身も同
じように考えていた事なのだ。

 どうしても父がカットしていたお客さんは父がやっていた通りに
やらないといけないと思っていたのだが、お客さんに言わせると
‘せっかくお父さんがやってくれているスタイルにケチを付けるの
も気の毒だから’との事。

 つまり お客さんにしてみると‘〇〇にして欲しい’とは思っている
ものの技術者の父に完全に任せている手前、注文を付けづらかった
というもの。

 思えば父の顧客は若くて60代後半で、この世代のお客さんは子供
の頃に祖父の代の技術者からカットをしてもらっているのだが、祖
父の時代は理容イスに座ったからには技術者に全て任せるのが流儀
だったので下手に注文を付けると‘それなら他所に行け’と言われても
文句を言えない雰囲気だったようだ。

 だから その世代のお客さんは大人になっても技術者に全て任せる
形でカットしてもらっていたわけで、技術者に対して‘もう少しこう
してもらいたい’と思っても言いづらかったとの事。

 そういえば私が30年前に実家に戻ってカットをする時に祖父や父
は‘そんなに いちいち注文を聞かなくてもお客さんが満足するスタ
イルにできなければ’と言われたのもその裏返しだろう。

 最初に美容室に行き始めた男の芸能人の1人に沢田研二がいるが
‘床屋で切ると問答無用で、こちらの注文を全く聞いてもらえない
から美容室に行き始めた’というのが理由だったのを覚えている。

 そういう意味では我々理容師は技術に自信を持ち過ぎているゆえ、
お客さんの注文を無視してカットする傾向が強かったのではと思っ
たりするし、父の世代のお客さんですら注文を聞いて欲しいという
希望があったのを改めて思ったものだ。

 やはりよほど酷いスタイルでない限り、お客さんの注文通りする
というのは我々の基本だと実感した。

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