昨日 録画していた仮面ライダーウィザードの12話&13話を見たのだが、
今回のEPは職人である私にとって大いに興味深いものがあった。
仮面ライダーウィザードはターゲットになる人間を絶望させて死に追いやり怪人
であるファントムを生み出させるというパターンなのだが、今回のEPでターゲット
になったのが諏訪太朗演じる和菓子職人・松木昭造。
昔かたぎの頑固で厳しい和菓子職人だが店の経営は思わしくないうえ、料亭
に納品する和菓子をファントムから襲われて台無しにされ取引を断られただけ
でなく騙されて大量の饅頭を作らされ大損したため閉店に追い込まれる。
本来なら頼みの店が閉店に追い込まれると絶望するものだが松木は弟子の
徹也に自らの味を忘れる事なく成長する事を夢見ており、親しくしている大型の
和菓子屋で徹也を雇ってもらえるよう頼み込んだ。
そして徹也が1人で作った饅頭‘きぼう’を‘これこそがオマエの履歴書’と
言って新たな雇用先に持参するように指示するのだった。
つまり職人にとって重要な物は財産でも店でもなく自らの技術。
たとえ営業する店は潰れても自分が培った技術が残れば決して絶望する事は
ないというのが職人のプライドで、私も職人の端くれだから松木の気持ちはよく
分かるのだ。
同じ物を作っても手仕事というのは言葉で言い表せないぐらい微妙な違いが
あるし最終的に それが大きな差となってしまうわけで、どうしてもマニュアルで
育った世代には理解しがたいものがあるだろうが だからこそ職人が手作りで
作った物は価値があるのだと改めて感じるものだった。
息子達に この話を したのは言うまでもない。