4連敗中だったジャイアンツが内海哲也の好投でマリーンズを下し連敗を止
めたのだが、注目したいのが この試合から1番に戻った坂本勇人が早速1回に
20打席ぶりのヒットとなる2ベースを放つと5回にも2ベースを放ってマルチヒット
を記録した事。
ジャイアンツはシーズン前に坂本を3番で起用する方針だったようで5月12日
から不振の小笠原に代わって3番になり46打数10安打だったが、最近の4試合
はノーヒットに終わっていて1番に戻したらマルチヒットを打ち 果敢な走塁で先制
のホームを踏む活躍だ。
これを見ると やはり坂本は1番であって3番ではないと思うのだが、どうも日本の
球界は3番に外野の頭を越せる力がある1番を起用するのが好きだ。
1番打者の適正としては出塁率が高い事が挙げられイチローのように初球から
どんどんバットを振ってヒットを重ねたり長打力のあるタイプより、追い込まれるまで
ボールをじっくり見て四球を選ぶタイプが好まれていた。
その反動からか1番がヒットを量産し長打力のあるタイプになると‘1番では
もったいない’と3番で起用するケースが多々あるのが現状だが、意外に失敗して
いるケースが多い。
例えば広島が日本一になった時の1番だった高橋慶彦は長打も打てるタイプ
だったのだが、88年ぐらいから3番で起用されると打率を落としていた記憶が
ある。
この傾向は松井稼頭夫や西岡剛に青木宣親などでも見られている。
広島は正田耕三や山崎隆造、ライオンズは大友、スワローズは福地など1番に
より俊足の選手を起用し俊足の選手を使いたいがために3番で起用するものの
3番にすると成績を落とすだけでなくチームの得点力も下がる。
ライオンズが02年に伊原春樹が監督に就任した時に松井を1番に戻したとたんに
打線がつながったし、昨年のスワローズも青木を1番に戻したら得点力が一気に上
がったのを見れば分かるだろう。
ちなみにMLBではイチローを3番で使うという話は殆ど聞かないし、日本でも安定
した強さを誇ったチームの3番を見れば王貞治や加藤秀司・ライトル・スティーブ・
秋山幸二など1番で起用するような選手は少なく強いて挙げれば78年にスワローズ
が優勝した時の若松勉ぐらいだろうか。
坂本も1番でこそ生きる選手だと思うし、実際5月6日・7日のドラゴンズ戦で苦手の
ナゴヤドームで連勝した試合など坂本の活躍で しかも1番だったからこそという
感じなのだ。
昨年マートンに青木、西岡と200安打を放った選手は全て1番という事を考え
ても、彼らこそ今の時代の1番に相応しいと思う。