tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

玄関上がったら古本屋

2005年12月06日 23時51分57秒 | Weblog
明日くらいから、仕事の量が増えて、それがいやというくらいの量になると聞かされたので、いつも行かない天神橋筋の古本屋へ行く事にした。以前行ったのは9月くらいだったか。大阪の南森町に南北にのびる商店街「天神橋筋商店街」。学生時代、この町に飲みにくると、決まって蘊蓄を語る友人がいた。その内容は「この商店街は日本一長い商店街だぜ」と。大学を卒業するまでにかれこれ3、4回は聞かされたと思う。この情報はその後確認を取ったから確かである。

しかし、日本中のどこの商店街も寂れ行く方向にあり、この商店街も、1日中シャッターの閉まっている店や、開店していても割と早くに店を閉めるところが多い。やはり、この商店街も例外無く寂れていっているのだ。

ちなみに、南森町の周辺は、WebやDTP関連といったデザイン関係の会社が多い。私もそうした会社のいくつかを志望したこともあるが、会社はもとより、私にはこの町と縁がなかった。今、そういった中心街の外れにあるデザイン関係に奉職しているのだが、これは現代のの大阪の繁華街に近く、かえって私自身の性格にマッチしているのかもしれない。というのも、天満宮を中心とする南森町は、大阪町奉行所などがあった土地であり、古くから開けた町であり、大塩平八郎の乱もこの近くで起こっているのだ。反面、梅田の周辺は大正から昭和にかけて発展した町だ。私には南森町よりも梅田の方になじめる風景があるのだ。

ところで、肝心の天神橋筋の古本屋が見つからない。狭い土地に軒を並べて店を出しているから、見落とす事もあるが、今日に限って見つからない。おそらく店を休んでいるか、あるいは店を閉めたのか。商店街のすべてが明るくなっている訳でもなく、外れにくると少し暗くなる。そんな所を歩いていると店の二階に古本屋があるという看板を見つけた。何となく階段を上り、店の戸口に立ったとき。しばし絶句した。

「靴を脱いでお入りください。」

おそらく個人宅を改造したのだろう。改造したのかどうかも疑問だが。で、整理されている訳ではない。むしろ無造作で、積んでおいてある分もあるくらい。すごく見にくい。帰ろうかと思ったが、既に店主にみつかり、入ってくださいと言われる始末。断るすべも無く入ってみる事にした。あとは、一冊あたりの単価がどのくらい付いているのかが心配だ。結構すごい本(興味が持てる物はなかった)があると思うのだが、相対的に高いという印象をもった。さあ、退散するのが大変だ。
店主が「あまり片付いていませんが・・・」と行った事が、突破口だった。こっちの退散文句は

「落ち着いたくらいにまた来ます」と。

しかし、少し世間話をしてきた。相手はこっちがナショナリズム関連の本を物色しているを知った上で、会社員をしている事に驚いていたのだ。学生かと聞かれたくらいだ。読む時間などないだろうとも聞かれたが、こっちにしてみれば通勤時間が長い、その他にもなんぼでも捻出できる。

でも靴を脱ぐのにはビックリした。

古ぼけた商店街のはずれで見た古本屋の話だ。

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