Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

長野県のすごさ

2006-07-29 10:41:19 | つぶやき
 今回の諏訪地方を中心とした災害に対して、長野県の職員を7月22日(土)と23日(日)にそれぞれ2200人、合計4400人を公務として派遣して話題になった。聞くところによるとこの4400人は県職員の9割を超える数字だと言う。ようは1人1日は「行ってこい」という感じだ。実際の諏訪地方などの担当部署の職員がいたり、実際に被災している県職員もいるだろうから、まさしく1人1日に近い勘定だと思う。これも地震などのように人手がなくて緊急性が高いときに、すぐにでも・・・というのならわかるがどうも違うようだ。そのへんについては、長野県職労のホームページに記事があるからそちらを参照されたい。いずれにしても市町村から依頼を受けての行動ではない。それも相手側の市町村にも21日の夕方知らされたという。もちろん、県職労のページにあるように、職員への要請は前日の夜になってからのことである。時、県知事選挙のさなかである。「やるなー、康夫くん」てなところだ。が、しかし、こんなことがまかり通っても、「業務命令」ともなると、けしてよく思っていない職員も表立った反論をしない(できない)ようだ。

 県職労が派遣規模の人員をどう出したのか、と質問しているが、これはどう考えても1人1日を目安にしている数字としか思えない。おそらく田中康夫帝国が確立されていくのだろうが、まさかとは思うが、この派遣要請に出た人と出なかった人ですごーい格差が与えられるやもしれない。そんなことを職員も計算しているに違いない(失礼)。

 ところで最近の長野県は本当にすごい。何がすごいかといえば、長野県のホームページだ。今回の災害にかかわるデータのオープンさ、アピールさである。大雨対策本部会議の議事録どころか、何時間もの録音がすべて公開されている。こんなものをチェックしている人も世の中にはいるのかもしれないが、このデータ量はすごい。さらには、例えば「大雨で被害を受けた農家に直接お伺いする田園ローラー作戦を展開し、復旧作業をお助け隊がお手伝いしています!」てなページには、こんなに長野県は貢献しているぞ、みたいなまさしくアピールが延々と続く。

 そんな暇なことをしていて気がついた。「災害でお困りの皆さん “廃棄物”なんでも24時間 県が無料で引き取ります」なんていう字がでかでか躍っている。そこまで県が率先して動いちゃうんだ、と驚く。実際地元の自治体とどういう調整をしているのか知らないが、まさか地元を飛び越して県がやっていることはないと思うが・・・。地元の自治体は職員数も少ないし、県ほど大胆なことはできないのはわかっている。とはいえ、あまりに県が動きすぎると、「役場は、市役所は、何をしているんだ」という住民の不信が湧くともかぎらない。どうも田中康夫という人は、「市町村なんてなくてもいい、県がみんなやるから・・・」みたいな意識が根底にありそうだ。県知事選挙に触れて、村井仁候補が「県は市町村のサポート役」と言うのに対して、田中康夫は村井仁候補が道州制を視野に入れていることに触れて「『信濃の国』が歌えなくなっちゃうんですよ」(別に歌いたくないけど、わたし)なんていうことを言って、県は必要だと声を大きくしている。なぜ財政的に厳しくても職員を減らさないのかよくわかる。ようは市町村の代わりを県がしていくから、「市町村の職員は減らしてもらっていいから、県がやるよ」みたいな構想があるに違いない。

 基本的に県と市町村は対等だなどと田中康夫は言っているが、その役割を無視してどんどん市町村に踏み入っているんだから対等などというレベルではない。

 トップページの記事一覧を見ていて、こんなものもあった。「価格表示認定制度 認定店のご紹介」といって「ガソリン等価格表示認定式を実施! 26店舗を認定しました。ガソリン等の価格を適正に表示しているお店を紹介します。7月25日現在の認定店は 28店です。」と紹介されている。確かに長野県のガソリンスタンドは価格が表示されていないのが一般的だ。それは確かに許せない。しかし、県が認定制度なるものを掲げて認定店をおもむろに紹介してるのには疑問がある。「何様のつもりなんだ」と印象を持つのはおかしいだろうか。

 役割分担を無視する長野県。中小民間を最も圧迫している大企業は、実は長野県なのである。
 (これだけの職員をパッと出せる、これだけのデータを持ったホームページがどんどん更新される、etc・・・。長野県職員に本当に求められる仕事とは何だ。○○お助け隊とか、○○目安箱とか、「何だこの変な県は」・・・)
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