Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

議員定数見直しについて

2006-07-13 08:05:36 | ひとから学ぶ
 知人はブログ「議員定数の見直しに対する議会の提案」で、議会の「議会あり方検討会」が議員定数見直し検討に対する町民の意見聴取をしているということに触れている。これまでにも議会議員のことについて何度か触れた。正直いって、地方自治のことは何もわからない。法的なことはまったくわからない。それでも住民として認識していることは当たり前だと言われれば、住民資格がないんだとわたしながらに納得するしかない。しかし、どれだけの住民が地方自治のことを理解しているかは疑問だらけで、おそらく平均的なレベルに自分が達しているとは思っている。ということは、わたしの認識程度の意見は、素朴なものだと思う。

 まず、なぜ議員定数が検討されなくてはならないか、ということは説明されているかということである。長い年月、議員定数云々が言われずに継続されてきたにもかかわらず(若干の減員ということはされてきたのだろうが)、なぜ検討しなくてはならないのか、そこからの疑問である。わたしの印象としては、かつてにくらべると、議員の必要性がなくなってきた、というのはある。地域代表的に選出されていた議員は、地域の意見を集約して、それを請願としていたかもしれない。しかし、今や議員にお願いする、というほど何でも成しえる状況ではないし、そこそこお願いしなくてはならないものは達成されてきた感がある。住民の意見を反映する方法は、必ずしも議員がいなくてもできるわけだ。現実的に昔にくらべれば、住民の合意形成ということに関しては、かなり変化してきているし、何をもって住民の意見とするかという部分も、議員個人個人の考え方によるものであって、議員数が多いからといって集約できていたとは必ずしもいえなかっただろう。いや、そんな集約のために議員が住民にアプローチしていたかも疑問である。

 こうした議員と住民の関係に変化が現れてきたとともに、合併問題である。交付金の削減、地方切捨てといった施策が見え隠れするなか、地方自治の限界を悟り、自律していく方法としてさまざまな見直しが余儀なくされているということも議会のあり方を検討する要因にもなっているのだろう。とするのなら、いずれ合併せざるを得ないときがきた際に、いったい今の地域がどうなってしまうか、そんなことも想定してさまざまなことを考えなくてはならないのではないだろうか。例えば知人の町を含む地域は、一時一郡一市構想もあった。もしそうなったとしたら、その中心にある飯田市の議員数というものが一つの目安になる。知人も「議員は「常勤職」と「無償ボランティア」のどちらを志向するべきか」で紹介しているように、飯田市の議員は、一人当たり3900人の住民を担っている。とすれば合併すると、松川町は4人程度が割り当て議員数となる。ではこの4人では独立した議会は成り立たないのかどうなのか、そうした試案も作成して説明してほしいものだ。

 今回議会が持ち出した定数案は、具体的には何も説明されていないものだ。「今よりは少なくした方が住民感情として妥当だろう」程度に検討するから、基本的に〝今ありき〟となってしまう。そうではなく、前述したように4人ではできないのか、だめなら5人ではどうなのか、7人ではどうなのか、そんな発想の転換が必要ではないのだろうか。

 合併が騒がれた際に、長野県内では多くの町村で住民投票などの直接投票が行なわれた。そしてそうした直接投票で合併が否定された町村が多い。しかし、そうした否定の理由に、議員が減って住民の意見が届かなくなるから×だと判断された人は少ないはずだ。むしろ、役場が遠くなることで、行政が遠くなる、あるいはサービスが低下するという理由の方が強いはずである。議員と住民の関係なんてそんな程度の希薄なものだとわたしには思う。いずれにしても、合併を前提に削減しろとは言わないが、数字だけをもって議会のあり方が問われるものでもないだろうし、もちろん報酬も含めて議論されるべきものであって、議会が報酬と定員は切り離して・・・というのはおかしな話なのだ。

 余談であるが、ほとんど町の予算などというものに気も回していなかった。ところが、先日新聞に町制50周年を記念して『松川町史』なるものを発刊するために編纂が進んでいるという記事をみた。そしてその一冊目がこの秋にはでき上がると言う。「へー、そんなことちっとも知らなかった」というのがわたしの感想で、今年の町の予算を調べてみたら、500万ほど計上されていた。「継続」とあるから数年前から始まっていたのだろうが、そんなこと広報はもちろん、社会教育関係の広報でもほとんど目にしなかった。わたしが認識していなかっただけなのかもしれないが、通常、よその自治体ではもう少し住民に知らされている。まさかこの町特有の、資料館なるところの一職員が独断でこうした事業を推し進めているとは・・・、まあそんなことはないと思うが。
コメント


**************************** お読みいただきありがとうございました。 *****