Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

島田娘

2006-05-07 09:07:15 | 自然から学ぶ


 そろそろ山の雪解けが進み、雪形が見えるようになった。雪形については、わたしのHP「日々を描く」で触れているのでそれを参考にしてほしい。その中でも触れているが島田娘がか細いが姿を見せ始めた。写真の中央やや下よりに島田を結ったような女性の姿が見える。「日々を描く」の方の写真はコントラストがよく出るように白黒にしているが、この方がもっと雪解けが進んでいる。しかし、ここにあげた写真の方が、いかにも女性らしくて顔の下の上半身も和服に見えて厳かな雰囲気が出ている。ブログを書くようになって世の中に目を向けるようになったせいでもなだろうが、以前はもっと形がはっきりと現れてこないと島田娘を意識していなかった。だから、写真のような島田娘をじっくり眺めたこともなかった。

 「日々を描く」の方でも紹介しているが、宝剣岳の真下に駒形もかろうじて見えている。加えて島田娘の左側にも稗まき小僧らしき形が見えている。まだ腕を南にのばす姿はない。むしろ踊っているようか姿だ。別名「盆踊り娘」という名もあるようだが、まさしくそんなイメージでもあるが、いずれにしてもどちらもう少し雪解けしないとそれらしく見えない。

 雪形は、広範囲で見ることができることから農事暦として利用されることも多かった。確かに島田娘が出始めると、いよいよ苗代づくりである。田植えに向けた田ごしらえの最盛期となる。このごろは苗代を作らなくなったからそんな言われ方もしなくなっただろうし、自然の暦もあてにならなくなっているかもしれない。中央アルプスではもっとも著名な島田娘であるが、駒ヶ根市北割あたりから見る島田娘がもっとも大きく見えるし、正面にもなる。雪形は出る場所によって形がずいぶん変化するから、別の場所で見るとまったく違って見えてしまうなんていうこともある。そういう意味では島田娘は、比較的広範囲で見える雪形のひとつといえるだろう。そして、かなり雪解けが進んでも島田娘の形を認識することができる。そんな広範囲に、また長期間わたって姿を見せるというところが、親近感を与えている。

 撮影 2006.5.6 AM
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