Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

黄色い線香花火

2006-03-12 00:39:45 | 自然から学ぶ
 サンシュウの花がつぼみとなって、まもなく咲きそうである。家を建てて間もないころ、妻がサンシュウの木を何本も手に入れてきた。駐車場が裏側にあることからそのアプローチのようにそれらを植えた。今は樹高3から4メートルほどになって7本並んでいる。秋に赤い実をつけると、そのまま冬の間もその実がずっと木についている。この赤い実をつけることからアキサンゴの別名をもつ。また、黄色い花から春黄金花(ハルコガネバナ)ともいわれる。享保7年(1722年)に朝鮮から薬用植物として渡来してきたものと言われ、漢方薬に使われたともいう。

 この冬は妻が教わった先生からサンシュウの小枝をもらってきた。ハウスの中で暖かくしてすでに花が咲きそうな状態でいただいた。それを花瓶に挿しておいたのだが、今でもその花は咲いている。温度が上がらなければ花もちがよいということがわかる。一緒に挿しておいた花はとっくに姿を消したのに、サンシュウだけは今でもしっかりと咲いていて、いつ枯れるともわからないほど賑やかだ。そうこうしているうちに、外にあるサンシュウも咲き始めそうで、いよいよ春である。今年は、赤い実がほとんど落ちないまま春になってしまった。たくさん実がついているので、「何か利用できないの」と妻に聞いたが使い道はないという。うわさによると果実酒にされるというが本当だろうか。ちょうどサンシュウの木の近くにラブ(犬)の小屋があるのだが、ラブはこの実が落ちても手を出さない。どうみても食べられそうではない。

 夏になると葉がたくさんつく。落葉樹だから夏は日陰に、冬は日当たりがよい。下に側溝があって冬中は落葉した葉や土がおちて埋まってしまっている。しかし、この木のおかげでラブはたいへん居心地のよい空間をもらっている。西側に木を配置したのも、夏の西日を遮りたいという意向だった。その意図はよかったが、ちょっと木の感覚が狭かったせいか、4メートルほどの樹高で止まっている。

 さて、玄関に長く咲いている花を見ていると、まさしく花火のような花である。線香花火がはじけたときのように先端に玉がついている。「黄色い線香花火」、そんな形容がぴったりである。
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