Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ひな祭り

2006-03-03 08:12:34 | ひとから学ぶ
 同僚の女性が「ひな祭りですね」という。確かにひな祭りだが、「今でもお雛さまを飾るの」と聞くと、もう何年も前から飾らないという。次女だというので、「自分のお雛さまあるの」と聞くと、長女のお雛さまがあったからだろうが、最初は買わない予定だったが結局は自分の分も買ってくれたという。

 わたしは男の兄弟だったということもあって、ひな祭りには縁がない。しかし、思い出すと、子どものころ母が「今日はひな祭りだで」といって昔のひな人形を飾っているのを見た覚えがある。実はわたしは押し絵雛を持っているが、それが母のものか、祖母のものかよくわからない。母が元気なうちに確認しておきたいとは思う。だいぶ痛んではいるが、戸棚にしまってある。

 同僚の女性が佐久の出身ということで、南佐久郡北相木村の「かなんばれ」のことを話した。この「かなんばれ」については、昨日「モノクロの彩り」のHPに公開した。そこでは昭和63年に訪れた際の写真を掲載している。ページの中でも触れているが、この行事は北相木小学校の行事として続けられてきた。そして、昭和63年に訪れた際、カメラマンたちがやらせをしたことを思い出したわけだが、公開用ページを作成しているときは、あまり意識せずに写真を並べていたが、同僚の女性に写真を見せてあげていて気がついたことがあった。

 ページの写真を見ると、4枚の写真が並んでいる。上から撮影順に並んでいる。同じことを彼女にも質問したのだが、4枚をながめていると、雰囲気の違う写真が1枚ある。おわかりのように最後の写真である。彼女は気がつくのに時間を要したが、4枚めの写真のみ背景が異なる。それは雪の量である。この1枚だけ撮影した場所が違うのだ。上の3枚は、意図のない行事のなかの自然な写真である。それに対して4枚目の写真は、集まったカメラマンがかわいい女の子4人を選択して、その子たちを少し離れた場所まで移動させて、人形の乗ったさんだわらを流すしぐさをして欲しいと頼んだものなのである。忘れていたが、行事の説明をしながらやらせの様子を思い出したのである。かわいい女の子、そして背景に雪、まさしくやらせには絶好のシチュエーションである。そういうわたしも、そのやらせにあやかって写真を撮影したわけだが、こういうことに抵抗があってカメラマンが嫌いなのだ。以前に「地蔵盆」について書いたが、この行事も主役は子どもたちである。この地蔵盆を訪れた際にも、カメラマンたちが子どもたちに賽銭をあげるからといって、背景の良い場所まで連れて行って写真を撮るということをあちこちでしていた。あやかろうとしたら、カメラマンにひどく叱られた覚えがあって後味が悪かった。同じようなことは、あちこちで経験した。コンテストで賞をもらうような写真の背景には、そんなやらせが当たり前のように存在する。

 「かなんばれ」は今日行なわれる。後味が悪かったということもあって、その後訪れていないが、今もこんなことが行なわれているのだろうか。

 ■地蔵盆
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