『東大生がつくったブロックの世界』発売!-part2-

2019-02-26 13:03:41 | 製品紹介
こんにちは、ロックウェルです。
『東大生がつくったブロックの世界』がついに明日書店に並びます!
先週金曜日には少しの間ですがAmazon(リンク)の「模型・プラモデル」本カテゴリで売れ筋ランキング1位になっていて驚きました、予約してくださった方ありがとうございます...!


Fig.1 たくさんの人に見てもらえると嬉しいな...!

今回は〈本ができるまで〉編に続いて、本の〈見どころ〉をご紹介します。

〇そもそもレゴってなにを見ればいいのか?
まずはじめに「レゴってなに、よくわかんない」とか「あーレゴってあれでしょ、ポケモンとか姫路城のセット売ってるやつ(注:それはnanoblockです)」というオトナ向けに、レゴ作品をどういう視点で見ると面白いか、僕なりの提案をします。本だけじゃなくて学祭での展示や他の方の作品を見るときにも、今までと違った楽しみ方ができるかも。
ただこの見方が「正解」ではまったくないので、自分なりの楽しみ方を持っている人(子どもはたいてい当てはまります)にはこの部分は必要ないと思います。あくまでどうしていいかわからないオトナ向けです。
*個人の意見です、LEGO部員でも人それぞれ違うことを思ってると思います。笑

・同じパーツが違うものに見える!
レゴで作品を作るときの面白さかつ難しさは、使えるパーツの種類や色が限られていることです。僕たちがほしい形・色の部品を「特注」できるわけではありません。作りたいものをそっくりそのままレゴで表現できるわけではなく、少し抽象化して既存の形・色の組み合わせでそれっぽく見せるのが、レゴの表現の仕方です(もちろんそれをどれだけ「見たまま」に近づけるか、というのも考えなきゃいけませんが)。
このことは、別のものを表現するのに同じパーツが使われていることに注目するとわかりやすいのではないかと思います。例えば下の画像を見てください:



Fig.2 みなとみらい21ミニマップ(の一部)
Fig.3 飛行機
飛行機はちょっと白飛びしちゃってますね、すいません、、

わかりにくいですが、丸で囲んだところには両方とも同じ三角のパーツ(ポチスロと呼んだりする1x1スロープパーツ)が使われています。野暮な感じですが説明してしまうと、1枚目ではみなとみらいの汽車道の橋の一部、2枚目では飛行機の前面から側面に至る曲面の一部として使われていますね。ついでに:


Fig.4 湿原

パーツの向きが違いますが、このミズバショウにも同じポチスロを使っています。
このように、レゴ作品では同じパーツが様々なものを表現するときに登場します。「この建物のアンテナの部品ってさっきの作品の手すりと同じやつかな?」とか考えながら作品を眺めてみると面白いのではないでしょうか!

・ブロックを積む向きが違う!
レゴブロックについているボコボコ(突起)を「ポッチ」(英語ではstud: スタッド)と呼びます。このポッチがある面を上にしてブロックを積み重ねることで作品を作る、というのが一番シンプルなレゴの組み方です。Fig.4の中でも、例えば青いプレートの上に緑や黄緑、茶色のプレートを積み重ねています。
しかし積むだけでは、どうしても表現できることが限られてしまいます。そこで曲線・曲面など(おそらく)レゴっぽく見えない表現をするために、レゴ好きたちはブロックの向きを変えながら作品を作ります。例えば東京大学看板を見てみると:


Fig.5 東京大学看板の銀杏部分
ちなみにこの写真も本に載っているものです、何ページにあるでしょうか?笑

銀杏模様のうち青い部分はブロックが下から上に積まれている(ポッチが上側に出ている)のに対して、黄色い部分では向かって右から左に積まれている(ポッチが左側に出ている)のがわかります。向きを変えることで、黄色い部分の細い縦方向の裂け目を表現できるようになります。
ちなみにしょっちゅう登場する球体でも、ポッチが6方向を向いています:


Fig.6 球体
これも本のページの一部です...!

このように1つの作品の中でも色々な向きにブロックを積むことで、限られた種類のパーツだけで様々な細かい表現が可能になります。たまにそんなところにも注目すると、レゴを見るのが少し楽しくなるかもしれません :D

さて、少し長くなってきたので手短に本の見どころを紹介していきます!

1. 東大LEGO部の作品を一気に見られる唯一の場所
東大LEGO部では創設からこれまでに大小様々な数多くの作品を作って学祭などに展示しました。しかしそのほとんどは僕たちの手元にはなく、他の場所(関東だけでなく東北や北陸、オランダにも!)で展示・保管していただいたり、すでに壊してしまったりしています。したがって、東大LEGO部のこれまでの作品を一気に見られる場所は、この本以外にありません。


Fig.7 個人作品の章

特に現存しない作品が多いのが個人作品です。部員個人のパーツで作られているので学祭後は各自が持ち帰り、そのあとたいてい壊れてしまいます。今回はその個人作品を集めた章もあるんです!
というわけで見どころ1つ目は「現存しない作品や遠くにある作品を一気に見られるのはこの本だけ!」です。

2. 写真が多い(見て楽しい!)
この本は東大LEGO部の作品集、的なコンセプトで作られました。レゴ作品は目で見てみないとよくわからないので、画像をたくさん使いました。なんと、はじめに・目次・「東大LEGO部の始まりとプロビルダーの世界」(三井さんのインタビュー記事)の中の1ページ・そして「『東大LEGO部員』ってどんな人?」(部員アンケートの記事)以外すべてのページに写真が載っています!しかもフルカラー!特にレゴが好きな人なら、文章を一切読まずに写真だけ眺めても十分楽しいと思います。


Fig.8 「東大LEGO部のあゆみ」の一部
創設から現在に至る年表も画像つき!

というわけで見どころ2つ目は「カラーの写真がたくさん載ってて見てるだけで楽しい!」です。

3. 文字も多い(読んで楽しい!)
見どころ2つ目は写真の多さでしたが、見て楽しいけど文章はつまらないってこと...?もちろんそんなことはありません(と信じています笑)。
作品の解説は過去のブログの記事や部室に保管された資料を参考にしながら、そしてOBOGにも協力してもらいそれぞれの制作者に改めてコメントをもらいながら書かれました。レゴ的な組み方などの解説というよりも作品のポイントや制作秘話に重点を置いたものが多いので、学祭の作品展示などでは見えにくい東大LEGO部の雰囲気、なんかもわかるかもしれません。
作者はたいてい自分の作品についてしゃべりたいことがたくさんあるので、内容を絞り込んだとはいえ解説もそれなりの量載っています。また「バベルの塔はこうしてできた!」「東大LEGO部の始まりとプロビルダーの世界」のように文字中心のページもあります。子どもたちには難しいだろうなという部分もちょこちょこあって、読むことが好きなオトナも満足させられる本になったのでは、と思っています。


Fig.9 「バベルの塔はこうしてできた!」の一部
一体何を説明する画像なんだ...?気になりますね。

というわけで見どころ3つ目は「文章もしっかり載ってて読んでも楽しい!」です。

4. 球体の作り方の説明が詳しい
少し前に学祭の東大LEGO部の展示にお越しいただいた方や、ときどき開催されるワークショップに参加してくださった方の中には「球体講義」に参加したことのある人も多いかもしれません。
東大LEGO部ではレゴを使って球体を作る、という簡単なワークショップをときどき行っていて実はこのブログに設計図の一部が載せてあったりするのですが、一番難しい工程は紙にまとめて配ったことが(僕の知る限り)ありませんでした。別に意地悪したかったわけではなく、3次元空間での組み立てを平面に表現するのが難しいんです。
しかし今回「球体のつくり方」というコーナーを設けて、編集の方やプロのカメラマンの方の手を借りて球体の組み立て方をきれいにまとめることができました!球体を自分で作ってみたい方は(パーツを自分で揃えないといけませんが)この本を見ながらやっててみてください。
というわけで見どころ4つ目は「詳しい球体のつくり方の解説がある!」です。

以上、そもそもレゴ作品ってどう見ればいいの?とこの本の4つの見どころを書きました。
レゴの作品がたくさん載っている本は他にもたくさんあり、僕たちも色々な本にお世話になっています。そういった他の本と比べて『東大生がつくったブロックの世界』は、普段レゴで遊ぶことがないような方にも楽しんでもらいやすい本だと思います(そうなっているといいな)。
レゴが好きな方、以前から東大LEGO部の展示を見てくださっている方はもちろん、「レゴってよくわからないけど眺めるのは面白いかも?」くらいの方にもぜひ手に取っていただければ嬉しいです。

部の活動を本にまとめていただけるだけでも幸せなことで、その本が明日から書店(とAmazon: リンク)に並ぶことにとてもワクワクしています...!
これからも東大LEGO部をよろしくお願いします!

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