東大総合図書館 制作記

2020-11-28 11:51:50 | 作成日記
お久しぶりです。せきしょーです。

今回は、東京大学の総合図書館を制作したので、その紹介記事になります。後半は比較的細かい部分の話が多いので、なんだか色々工夫しているんだなーと思っていただければ幸いです。

今回は、僕が作品の統括と土台などの設計を担当し、さくらもちくんが総合図書館の設計を担当しました。




さて、今回作製しました総合図書館ですが実際の見た目はこんな感じです。



(僕のスマホの画角では全体を収めるのは難しかったので見切れていますがご容赦いただけたらと思います。)

画像を見て気がつく方もいると思いますが、建物の見た目は、同じ構造の繰り返しになっています。繰り返し構造のある作品は、それをうまく利用することで設計や組み立ての作業量が減るため作りやすいです。今回も繰り返し構造が多いので作りやすいのかなと思ったのですが、物事はそう簡単に思い通りに行かないですね。かなり苦労しました...

以下、それぞれの部分について紹介していきたいと思います。

まずは土台から。
プレートで下地を作り



ブロックを積んで、



プレートとタイルを貼って完成です。



中央のくぼみは図書館前広場にある噴水を設置するために開けてあります。また、噴水周りのベンチも再現しました。

続いては噴水です。
こんな感じで同じものを4つ作り、



くっつけたら、



完成です。



もう少し細かいところまで表現できれば良かったのですが、この大きさではこれが限界でした。
最後に土台に噴水をはめ込んで、公園前広場の完成です。



一応噴水の底の模様などもタイルの色を変えることで表現してみたのですが、あまり見えないですね。普段のレゴ部の大型作品では、土台が四角いものが多いですが、今回は広場が単調な雰囲気になってしまうのを避けるために、土台を扇型にしてみました。また、タイルで石張の舗装を、プレートでコンクリートの表現をしてみました。


今度は図書館側の土台です。
こちらも先ほどと同様に、プレートとブロックを積んで、



プレートとタイルを貼って完成です。



さて、いよいよメインの総合図書館の組み立てです。設計や組み立てにかなり苦労したのですが、細かい話なのでまずは完成していく様子を。
繰り返し構造を意識しながら組んでいきます。
プレートにスロープをつけて、



それを固定する部分を作り、



先ほどのパーツで挟み込むように固定すれば、繰り返し部分の完成です。



透明のパーツの高さが、正面と側面で0.5プレートずれていますが、まあそこまで気にならないですし、これを解消しようとすると、かえって全体のバランスが悪くなったり、強度が弱くなったりしてしまうので仕方ないでしょう。
これを4つ組んで、間の柱を組んで接続すれば、





向かって左側の部分の完成です。
裏側はこんな感じです。



正面のシンプルな見た目からは想像ができないほど入り組んでいます。なぜこのような構造になったかとかはまた後ほど設計者のさくらもちくんに語ってもらいたいと思います。
反対側はこれと同じものを左右反転させて組むだけなので割愛します。

最後に正面部分です。これも基本的には先ほどと同様の組み方をしていきますが、繰り返しの数が違っているので、見た目は変わりませんが裏側はそれなりに変わってきます。

先ほどと同様の構造を色を変えて組み、



これを5個組み合わせれば、



正面部分の完成です。
横から見るとこんな感じです。



裏側はこんな感じです。



入り組んでいるので組むのがかなり大変でした。

最後に玄関部分です。ここは制作の過程を撮影するのを忘れてしまったので、完成した状態を。



スロープと呼ばれる三角のパーツを使って入り口のアーチを再現しています。

さて、全てのパーツが揃ったのでこれらを組み合わせていきます。



それぞれの部分を組み合わせて、



裏側のテクニックブロックにペグを挿し、



上の画像のような建物を支える土台とくっつけ、土台に乗せれば、



完成です。

それでは図書館の構造についての解説を、設計してくれた、さくらもちくんにしてもらおうと思います。



図書館本体の設計を担当したさくらもちです。本体の設計と言っても、せきしょーさんのラフの段階で表面のデザインはほとんど完成していたため、私がやったことは、表面のディティールアップと作品としてきちんと接続されるように中身を設計することです。

まずは本体全体のモジュール分割を考えました。共同作業ではよくやることなのですが、単に1個体として設計するのではなく、モジュールごとに設計し、最後にそれらのモジュールをがっちゃんこするやり方です。

今回設定したモジュール単位は以下の通りです。
・本体中央

・本体左

・本体右

・玄関

・中間土台


モジュール同士の接続は以下のような形をとります。強度面から接続にはペグを使います。ただし玄関と本体中央の接続には不本意ながら一部ポッチ接続を採用しました。




次に表面のディティールアップを紹介します。

1. 爪の利用



このサイズの爪には、ポッチの横にあるタイプとポッチから下に伸びているタイプがあります。



前者の方が周りのポッチ方向と同じなので簡単に接続ができるのですが、これでは表面にポッチが露出してしまい、なんか嫌です。そこで後者を使うことにしました。爪の向きを上にしたいので、ポッチを反転させます。したがって、次の写真のようになります。矢印の方向がポッチの向きになります。



ポッチの幅は2.5プレートなので、写真のように微妙にずらしながらでないとぴったりはまりません。

2. 玄関

横向きポッチのタイル表面にぴったりつける都合上、玄関全体は土台ポッチ平面から前後方向に半プレート分だけずれています。



このせいで階段を含む玄関部分は土台とはくっつけないことにしました。玄関部分は大半が上向きポッチなので、見たまんまの設計になっています。とはいえ、階段部分は土台と接続できない以上、ちょっとした工夫が必要です。



階段部分はタイル状にしたいのですが、普通のタイルでは下側しか接続できません。しかし下側はもう土台であり、これも上述の理由で接続できません。そこで、plate modifiedの以下のようなパーツを使いました。



しかし、このパーツが2幅限定であるにもかかわらず、玄関の階段は奇数幅です。したがって、これをそのまま並べるわけにもいきません。




そこで、階段の下側部分のみ玄関ポッチ平面から左右方向に半ポッチずらしました。これで下側部分のみ偶数幅になるので、先ほどのパーツを並べることができました。

最後に、玄関部分は土台と接続しないので、中間土台と本体中央のみに接続します。本体との接続はうまいこと半プレート分だけずらして接続し、中間土台との接続は強度面からaxleを使いました。



長い道程でしたが、これにて玄関部分は完成です。基本的に上向きポッチの設計なので、組み立てやすかったです。

次に一番複雑な本体の中身の設計について紹介します。

1. 本体右(左も同じ)

せきしょーさんがラフで示してくれた表面の設計では、本体右の全体幅は

(1ポッチ+3プレート+1ポッチ+3プレート)×4

でした。

2ポッチ=5プレートの法則より、ポッチ換算にすると、17.6ポッチになります。これでは普通に上ポッチで接続することは不可能です。

では横ポッチの接続ではどうでしょうか。2ポッチ=5プレートの法則より、17.6ポッチは44プレートです。素晴らしい!整数です!こんな経緯で横ポッチ接続を採用しました。

しかし、単純に44プレート分重ねて表面とぺったんこするだけでは、強度を保つという中身の設計が担うべき責務をまっとうできません。加えて厄介なのが、畑の畝みたいな表面の形状です。上述した式を見てもらえればわかるように、間にポッチが、しかも1ポッチのみで存在しているのです。つまり下のようになります。


プレート1枚分の厚みをフとおき、半プレート分の厚みをフとおきます。
フフフが1ポッチ、フフが横向きポチスロ、が横向きプレートです。

 ←単純にプレートを重ねただけ(しかも厚さ11...)
フフフフフフフフフフ ←せきしょーさんが設計した高度な表面デザイン

なんか途中で半プレートずれているのがお分かりいただけるでしょうか。
中身の設計ではこのずれを調整しつつ、強度も保つようにしなければなりません。



まずは上の完成図をご覧ください。赤の矢印が全体のポッチ方向です。横向きになってますね。しかし、青の部分や緑の部分は上向きポッチになっています。これは間にある上向きポッチに対応するための設計です。これの奥(表面)には畝の頂点部分があります。せきしょーさんの解説にもあったように、表面の畝部分には側面ポッチのあるブロックが積み重なっているので、うまいことそれらのブロックの間にプレートを挟むことで、後方から強度面で援護しているというわけです。特に青の部分の茶色いプレートはそのまま表面まで出ているのでわかりやすいと思います。

ちなみに、所々にあるテクニックブロックは、中間土台とペグ接続するためのものです。中間土台は上向きポッチなため、横向き=上向き変換の都合上、テクニックブロックの位置は不規則な位置にきてしまいます。これをうまいことはめるのも苦労しました。



上の写真は青の部分を拡大したものです。矢印がポッチの向きになります。先ほど説明した半プレートのずれを埋めるために、ブラケットを挟み込んで対応しています。ブラケットの薄い部分は半プレートになっているからです。このブラケットも位置をミスると接続できないので注意しました。



次の写真は緑の部分を拡大したものです。ここでも半プレートのずれを埋めるためにブラケットが使われていますが、それに加えてヘッドライトも使っています。ヘッドライトの側面ポッチ方向の厚みは2プレートなので、へっこんだ厚みがちょうど半プレートになるからです。

2. 本体中央



基本的なことは本体右と変わらないです。上向きポッチと横向きポッチが混在しているので、横向きポッチを基軸にしつつ、上向きポッチの箇所は半プレートを埋めながら接続していきます。上向きポッチの箇所で所々にタンのプレートがありますが、これらは表面の畝の部分まで出ており、プレートとプレートの間に、側面ポッチのあるブロックを挟み込んで強度を保っています。本体右と違うのは、本体中央は左右対称でなければならないので、ポッチの向きが中央から外側に向かっているのがわかります。



上の写真はオレンジの部分を拡大したものです。上向きポッチの表面の畝部分を支えるために、所々上向きポッチを作っていることがわかると思います。横向きポッチの中に上向きポッチを混ぜると半プレートのずれが生じるので、ブラケットやヘッドライトでうまいこと調整しています。特に中央部分は側面ポッチが左右両方に向くように、順ブラケットと逆ブラケットでブロックを挟み込みました。こうすることで、側面ポッチの高さが同じになって都合が良いのです。


まとめると、
横向きポッチの方がキリがよくて都合がよかったのに、所々に上向きポッチを用意する必要があって半プレートを作り出さなければならず、予想以上に複雑な設計になった。
ということです。

ポッチの向きが不規則に変わる設計なので、どのパーツがどういう向きで接続しているのか直感的にわかりづらく、自分で設計したにもかかわらず組み立てには苦労しました。


完成品は表面のみしか見ることができません。しかし、裏に隠れて表の美しさを支えている摩訶不思議な設計があるということを知っていただければ、裏方の設計者としては嬉しいかぎりです。





さくらもちくんの解説は以上になります。最後に僕の方から、そもそもなぜこのようなスケールにしたのかといったことをお伝えしたいと思います。

今回の作品は、横幅を64ポッチ以内にしたいという大きな制約条件がありました。畝の数は全部で4 + 5 + 4 = 13個であり、畝と柱を合わせた一つの繰り返し単位の横幅は、64 / 13 = 4.92ポッチ以内に治めないといけません。この時点で畝の特徴的な形を再現するのにウェッジプレートやコーナーブロックといった、普通に上ポッチ接続ができ、角がかけているパーツが使えなくなります。これらのパーツを使ってしまうと、少なくとも4ポッチは必要になるからです。また、これらのパーツには透明なものがなく、窓の表現をすることができません。そこで今回はスロープを使って畝の形を再現することにしました。(正直なところ他に表現の仕方が思いつかなかったのです...)



スロープを使い繰り返し単位(柱と畝)を作ったところ、ちょうど11プレートの厚み(1ポッチ+3プレート+1ポッチ+3プレートなので)になり横ポッチ接続ができました。また、本体中央の横幅が、繰り返し単位5個(11プレート × 5 = 55 プレート) と柱一本(1ポッチ = 2.5プレート)で57.5プレート = 23ポッチとなり、両端の柱と中央の畝のポッチが上を向いている部分が上ポッチ接続ができる間隔になりました。加えて、両側の茶色い部分が、繰り返し単位4個(11プレート × 44 = 44 プレート)で1プレート足せば45プレート = 18ポッチと、ちょうどポッチ単位になりました。こんな具合に、図書館全体がポッチ単位になり、頑張れば作れそうだと思ったのでこのスケールを採用しました。(まあ、思った以上に見通しが甘かったのですが。)





総合図書館の制作記は以上になります。後半は細かい話になってしまいましたが、設計者の苦労や、どのように考えて作品を作り上げたのかといったことを感じていただけたら幸いです。

それでは。



旧開智学校制作記 その5

2019-01-10 20:00:00 | 作成日記
こんにちは、もつぴです。

完成を迎えた旧開智学校ですが、制作(後)記はもうしばらく続きます。
制作した側として、ぜひ見て欲しいこだわりがたくさんあるのでどうかお付き合いください。(笑)




さて、今回はチャームポイントの八角塔についてです。


このように上下で半径の異なる八角形2つで塔が構成されています。
まずは下部から。


ここで工夫したのは、このように長辺(グレーの1×4)と短辺(白の1×2)を交互に並べることで、
八角柱の8つの面それぞれの間に生じるスキマを可能な限り小さくしているところです。
このようなスキマ埋めは、もっと大きなスケールならば容易ですが、
スケールが小さくなるほど難しくなってきます。(今回はまだ大きな方でしたが)
ここに大きなスキマがあるとリアルさがなくなりダサくなってしまうので、大事な作業と言えます。

窓の部分は半プレートの厚さのブラケットを横向きに接続し、
さらにその側面に1×1スロープ(ポチスロ #50746)をつけることで解決。



八角形を上から見たようす。
八角形のフレームはヒンジプレート(#73983)を使用しています。
向かい合った辺どうしの距離が約12プレートだったので、
左右から<0.5プレート(ブラケット)+3プレート+1ポッチ(=2.5プレート)=6プレート>
ずつパーツを伸ばして補強のために接続しています。


妥協せざるをえなかったのが、またまた登場コーニスとその上の柵の部分…。
柵を取り付ける必要があるので、上部にポッチの無いウェッジプレート(三角形のプレート)は使えない、
コーニスがはみ出しすぎると見た目のバランスが悪くなってしまうので大胆なことができない、
などの理由から、最終的には単純に2×4プレートを取り付けるに至りました。

柵もスペースが限られているため、思い通りにはいきませんでした。
本当ならスペースを言い訳にするべきではありませんが。
プレート等(ここではグリルタイル)をクリップで留めるのにはかなり抵抗があるのですが、やむを得ず。

最後に塔の色について。
写真によってはSand Greenっぽい色なのですが、そうすると唐破風の色と被ってしまうため
ここではLight Bluish GrayとSand Blueを使用しています。
Dark Bluish Grayを除いて明るくすることで、1階下部のレンガ調の部分との差異をつけています。



次は八角柱の上部を見ていきましょう。
縦に長い扉と短い窓が交互に並んでいます。


こちらが上から見たようす。ブラケット祭!
というのも、プレートでは厚さがあり過ぎて限られたスペースに収まりきらないからで、
ブラケットに特有の半プレートの厚みを利用しています。


ちなみにこちらのパーツがブラケット。
ポッチが横に飛び出している面が薄くなっています。

先ほど大事な作業と言ったスキマ埋めですが、
ここでは白の1×2ポチスロ("ポッチ"スロープとは)を利用しています。手前の方が見やすくなっています。


以上、八角塔についての紹介でした。
今回はここまでです。
それでは。

旧開智学校制作記 その4 (完成編)

2019-01-09 23:50:00 | 作成日記
こんにちは、もつぴです。

今日は、完成した旧開智学校の設営を行なってきました。


立派なケースに入れられると、作品の完成度も上がったように感じますね。(笑)

1月12日(土)より、パナソニック リビング ショウルーム 東京にて展示されます。
球体ワークショップ(Webサイトにて要予約)も開催するのでぜひお越しください。




さて、これまでは作品のディテールについて紹介してきましたが、
今回は完成編ということで全体像を掲載していこうと思います。


まずは前面から。
お気付きの方もいるかもしれませんが実はこの旧開智学校、左右で窓の数が異なっています。
左には6個、右には5個の窓があり、それにともなって入口や八角塔も中心よりやや右に位置しています。


こちらは西側の壁。
コーナーストーンが壁より半プレート突出しているのが特徴的です。
このコーナーストーン、かなり試行錯誤した(末に妥協した)ので、次回以降の記事にするかもしれません。

左手の建物から飛び出した部分には小さな窓もついています。
軒先にあるおなじみコーニス。
写真では見えづらいかもしれませんが、壁とコーニスがぶつかる部分に生じた隙間を
白のレールプレートのレール部分によって申し訳程度に埋めています。


裏側の壁。表とは一転してシンプルで落ち着いた印象だったので、
思い切って水色(Medium Azure)を大きく取り入れてみました。
実際に水色なのは窓枠だけなのですが、こうすることでメリハリがついたと思います。
裏向きにした2×4プレートに透明(trans clear)な1×1プレートを貼り付けています。

下層のレンガ調の部分にはLight Bluish Gray, Dark Gray, Sand Blueを使用。
もちろん実物はこんなにハッキリとは色が分かれていませんが、こうしたほうがレゴっぽいなと思いました。


真上から見たようす。
ぜひ実物の作品を見ていただきたいのですが、前庭の石畳の歩道が良い味をだしています。
写真を撮った時点ではまだ作っていませんでしたが、左下の方には自動販売機コーナーもあります。

正面部分の比較。

うわ〜そっくりですね〜(白々しい)
捨象した部分も多いですが、おおむね満足です。
1階入口と唐破風の角度付けに特にこだわりました。


開智学校の全体像については以上です。
次回以降もディテールについて紹介していくつもりなのでお楽しみに。


<おまけ>
最後に、ショウルームに展示されている個人作品の様子をお届けします。


展示室に入って1番最初に目にするであろうスペース。
アンディ・ウォーホルのバナナやカッターナイフ、ターンクリップが展示されています。


寝室にちょこんと置かれた シンセサイザー。


スタジアム、シューズといったサッカーグッズをまとめて展示。
となりにキューブの習作も。


キッチンカウンターに置かれた食べ物たち。


ダイニング収納の上に置かれた花瓶と盆栽。
実際のインテリアとしても使用しうる見た目、クオリティですね。


食卓に置かれたショートケーキとシュトーレン。
シュトーレンはシーズンを過ぎてしまいましたがケーキはオールシーズンいけます。


このように生活場面に合わせて展示をさせてもらっています。
普段の学園祭での展示とは一風変わっていて、ちがった楽しみ方ができます。
上記の他にも何点か作品を出展しているのでぜひ足を運んでみてくださいね。

それでは。

旧開智学校制作記 その3

2019-01-08 23:00:00 | 作成日記
こんにちは、もつぴです。

制作記も第3回を迎えたところで旧開智学校の完成も近づいてきました。
近日中に全体像を掲載する予定です。

それまでは、また細かいポイントについて紹介していくのでどうかお付き合いください〜




さて今回は、前回の記事に名前だけ登場したコーニスについてです。

コーニスとは、もともとは古代ギリシャ・ローマ建築において、
柱で支えられた梁(エンタブラチュア)の最上部に位置する、でっぱった部材のことを指します。
このでっぱりが建物を雨などから保護するだけでなく、軒先のラインを明確にしています。

現在では装飾的に用いられることが多いようですが、旧開智学校においてもそうと言えるでしょう。
開智学校においてコーニスは、軒先だけでなく1階と2階の間にも見られます。
その部分をクローズアップしていきしょう。


コーニスを再現するのに、今回はレールプレート(左)と2×2ジャンパープレート(右)を使ってみました。


こんなふうに組み合わせて…


このスキマに差し込みます。


左右にも、同じようにレールプレートとジャンパープレートを組み合わせたものが並んでいます。

このように、壁からジャンパープレートが半ポッチぶん、
そしてレールプレートのレール部分が約1プレートの厚さのぶんだけ飛び出しています。
ジャンパープレートの飛び出しよりもレール部分の方がわずかに短いことで、厚さの印象を和らげています。


さらに詳しいことを書くと、ジャンパープレートのさらに1プレート下の層には白の1×6タイルを並べています。
タイルを並べるということは、上部との接続がなされない=強度が低下することを意味しますが、
それよりも、タイル下部の溝によって、上の写真のようなさらに細かい溝を表現することを優先したからです。
結果的には想像していたよりもラインの印象は薄かったですが…(笑)


バルコニーにもコーニスっぽい装飾がなされていますね。

どれだけ模様がこまかかったとしても、表面に凹凸がなければのっぺりした印象を与えてしまいますが、
以上のような手間をかけることで、そうした印象を抑えています。
窓の正方形が飛び出しているのもそのためで、実物よりも大げさに表現してあります。


今回はここまでです。
みなさんコーニスについての見識が深まったのではないでしょうか。
しゃなぎ先輩がレゴムービー2についての記事の続編を用意しているそうなので、そちらもお楽しみに!(笑)
それでは。

旧開智学校制作記 その2

2019-01-06 22:30:00 | 作成日記
こんにちは、もつぴです。

昨日に引き続き、現在制作中の旧開智学校についてポイントを紹介していこうと思います。
(「組み立てくらい、2日間部室にこもれば1人でも終わるやろ」と思っていましたが、
それは不可能だと気付いたので今日は このやろーくんや せきしょーくんに手伝ってもらいました)




今回は主に特徴的な正面について書いていこうと思います。

こちらが実物。

前回の記事で"和洋折衷の擬洋風建築"と書きましたが、ここですでに
天使の彫刻やバルコニー、コーニス(軒先などについている、でっぱった部分)という西洋的な要素と、
龍の彫刻や唐破風といった和風(アジア風)の要素が混在しています。
八角塔を洋風と捉えるか和風と捉えるかは難しいところですね。


これをレゴで再現していきます。
まずは上部から。

天使と開智学校の看板はこれが限界でした。
実物を見たことがある人にはギリギリ伝わる解像度かと思われます。
バルコニーの手前下方には、比較的新しい3幅ジャンパー(#34103 半ポッチずらし)を使用。

余談ですがこの看板、明治期に刊行された"東京日々新聞"(現在の毎日新聞の前身)
をモチーフにしているそうです。



バルコニーの奥の方はこんな感じになっています。
資料が限られていたので厳密さには欠きますが、ステンドグラスなどをしっかり再現しています。
アーチ状のタイヤのフェンダー(#50745)は以前から窓枠として使ってみたかったのですが、
Light Bluish Grayが存在しないと知って驚きました。

またまた余談ですが、当時ガラス製品は珍しかったため、
色ガラスをふんだんに用いたこの校舎は「ギヤマン学校」などと呼ばれていたとか。



こちらはウラのようす。
唐破風の角度づけに、かなりこだわりましたが、それを感じ取ってもらえると嬉しいです。
1つ上の写真を見てもらうと分かりますが、表からは見えないようにスロープを配しています。



龍の彫刻(っぽい何か)。
スペースが小さすぎました、これで勘弁してくださいm(_ _)m



その下、1階の正面入口がこちら。


実物はこのようになっています。
自分で言うのもなんですが、かなり頑張って再現しました。(笑)
パーツは全て接続してあります。
微妙な色合いを表現するためにDark Tan(濃い黄土色)やSand Blue(灰がかった青)を使用していますが、
これらの色はマイナーなのでパーツの種類が少なく、見かけ以上に苦労しました。
(このやろーくんに言わせればSand BlueもLight Bluish Grayも大差ないそうですが…!)

またまたまた余談ですがこの扉、普段は閉じており
一般の見学者は右奥手にある入口を使うのですが、行幸など特別な行事の際には開かれるそう。


今回はここまでです。
今年は(今年こそ)ブログやTwitterを頻繁に更新していきたいと思っておりますので、
ぜひチェックしてくださると嬉しいです。次回もお楽しみに〜。
それでは。

旧開智学校制作記 その1

2019-01-05 23:00:00 | 作成日記
こんにちは、部長のもつぴです。
明けましておめでとうございますですね。
今年も東大レゴ部をよろしくお願いします。

今日は卒論で忙しいにも関わらず、V.14先輩がフレンズのセットを持ってきてくれたので、
年明けから部員4名でワイワイ組んでいました。
これから試験期間なので最後の現実逃避になりそうです…!




さて、今回はタイトルにもある通り、現在制作している旧開智学校についてご紹介です。

↑こちらが実物の学校。11月に現地で撮影しました。

旧開智学校は、明治時代に推し進められた近代化を背景に1876年に完成しました。
地元出身の建築家である立石清重による設計で、
西洋風・日本(アジア)風の様式を織り交ぜた、擬洋風建築の代表例として有名です。
(具体的な部分については今後ご紹介できたらと思っています。笑)
歴史の教科書や百科事典などで目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

現在は小学校としての役目を終えて博物館として再利用されているだけでなく、
重要文化財にも指定されています。

こちらの作品ですが、パナソニック リビング ショウルーム 東京さん
からのご依頼で制作しており、1月12日から3月24日にパナソニック汐留ミュージアムで開催される、
「子どものための建築と空間展」とのコラボ展示「ブロックで作る建築と作品展」として、
同ミュージアム地下のショウルームにて、他の個人作品と併せて展示予定です。
球体ワークショップ(ショウルームwebサイトにて要予約)も行う予定ですので、ぜひお越しください!




以下、作品のこだわりポイント等について書いていきます〜。

まずは特徴的な窓です。
グレーの枠の中にさらに赤茶色の枠があり、黄土色の正方形が2列, 3行の計6個並んでいます。


ウラから見るとこんな感じ。

左から伸びてきているパーツで2列のセクションを固定しています。
正方形にはtanのヘッドライトの裏面を使用しており、
下から「1×1プレート、ヘッドライト(横倒し)、1×1プレート…」というように積んでいます。

右から伸びてきているパーツは、中央のreddish brownの2×4タイルを固定するためのもの。
コーン(黄色いやつ)を使用しているのは、細いパーツを使うことによって
ヘッドライトの頭のポッチ(今は横倒しなので手前側の側面に突出している)を回避するため。
蛇口パーツ(#4599)や望遠鏡パーツ(#64644)も細いので、同様の回避ができます。
苦手な人もいそうですが、右のようにポッチの間に挟むことも可能です。


と、ここまで読んでお気づきの方もいるかもしれませんが
僕はここである禁忌を犯してしまっています。
そう、「テクニックブロックの穴にポッチをはめ込んでいる」のです。


左が側面ポッチ付きブロック(以下ヘッドライトもどき)、右がテクニックブロック。
じつはヘッドライトもどきのポッチの高さに比べ、
テクニックブロックの穴の高さはちょっとだけ高くなっているのです。


両者を接続し、上部にプレートを取り付けると一目瞭然(?)
グレーのテクニックブロックとプレートの間にうっすらとスキマがあるのが分かります。

これは小さな差ですが、積み重なると大きなゆがみにつながります。
そこで、テクニックブロックの側面にパーツを取り付ける際にはハーフピン(ポッチ付きピン)を使います。


左の青いのがハーフピン。これをテクニックブロックに差し込みます。


こちらに白の1×1スロープをつけてみました。
ピンが少しゆるいので、さっきよりもピッタリはまっています。
このような接続はクリエイターシリーズのサーファーワゴン(31079)でも利用されています。

ちなみに「テクニックブロックの穴にポッチをはめ込む」こと自体は公式でも認められているようで、
たとえば今年リリースのスピードチャンピョンのセット(#75894-1)でも行われています。
ただし上述のような高さの差が影響しないように使われており、ゆがみが出ないようになっています。
便利な技術ですが気をつけて使いましょう!


今回はここまでです、次回もお楽しみに。
それでは。


活動記録

2018-10-26 08:00:00 | 作成日記
こんにちは。
(駒場祭の予告以外にもブログを更新できたらな、と思い、
気が向いた時に「活動記録」と称して記事を書いてみようと思った次第です。)




昨日は”超巨大 入れるレゴシティ”のために制作した作品を、
渋谷区のとある施設へ搬入しました。



開封される前の箱たち…。
インディ・○ョーンズ感が漂っています。


そして設営後の写真がコチラ。



こちらの作品は約2m×3mと、とても大きなものになっています。
イベントで実際にご覧になった方もいるかもしれませんね。
今年の五月祭で展示されていた”スケールモデル”の正体でもあります。

ところどころにある基地やビークルは公式セットですが、
それ以外はすべてオリジナルとなっています。
細かい写真は撮り忘れてしまったのですが
起伏の激しい山肌や、ダイナミックな滝の表現にこだわりを感じますね〜。


今日はここまでです。
それでは。

駒場祭予告 その2

2018-10-18 00:00:00 | 作成日記
こんばんは。

〜駒場祭 展示場所について〜
11月23(金), 24(土), 25(日)に開催される第69回駒場祭での展示場所が決定したので、気が早いようですがお知らせします。
今年度の展示場所は 駒場キャンパス12号館 1214教室となりました。(昨年と同じ部屋となっています)
たくさんの皆様のご来場をお待ちしております!




さて、今日は部室で大型作品の組み立てを行いました。
こちらはその作業の様子です。



先日ブログに掲載した画像と同じ作品ですが、現時点では
線路 と 格子状に組まれたなにか しか見受けられませんね。
果たして完成するのでしょうか。

ちなみに柿の種は大きさ比較用に置いてあります。
これをつまみながら作業を行いました…(笑)


短いようですが今日はここまでです、それでは。

駒場祭予告 その1

2018-10-12 10:00:00 | 作成日記
お久しぶりです。


なかなかブログの更新にまで手が回らなかったのですが、
夏休みにもたくさんLEGO部の活動が行われました。

8月だけでも
・東京ビッグサイトで開催された"Maker Faire Tokyo 2018"への出展
・宮城県仙台市で開催された"超巨大 入れるレゴシティ"への参加 (7月には福岡、9月には大阪でも開催)
・香川県多度津町でのジオラマ制作
・レゴランド合宿
など、全国的に多くの活動がありました。
他にも駒場での球体ワークショップなどもあり、たいへん充実した夏休みでした。
機会があれば当ブログでもご紹介できたらな… と思います。





さて、本題に入ります!
今日は11月23(金), 24(土), 25(日)に開催される<第69回駒場祭>のお知らせです。


さっそく設計中の作品の写真をば



どこかで見憶えのあるような……
カンの良い人ならすぐにわかりそうですね。
約140ポッチ×110ポッチと、けっこう大きめの作品となっております。


展示場所等、詳細が決定し次第こちらのブログで更新していく予定です。
ぜひチェックしてみてくださいね!

それでは。

五月祭予告 Pt. 4

2018-05-07 10:38:52 | 作成日記
こんにちは、部員のもつぴです。


現在、部室にて絶賛組み立て中ですが、
今日はその一部をご紹介します。



ご覧の通り、駅のホームですね。
(まだ制作途中なのはご愛嬌。装飾も増えます。)
ホームは横組みにすることで細いラインを表現していますね。


気づいた方もいるかもしれませんが、このホーム、
ミニフィグ(レゴの人形)を基準にするよりも小さいスケールで作られています。
例えば、天井までの高さが4ブロック+1プレート(ミニフィグがギリギリ入る高さ)であったり
電車が4ポッチ幅(通常6ポッチ幅が多い)だったり…といった感じです。

レゴのパーツは意外と大きいので、
このスケールでは細かいものを作るのが大変でした。

しかしミニフィグスケールで作るにしても、
ミニフィグは実際の人間とは違い、横幅が結構あるので
縦横のバランスをとるのが難しいですよね…。


それはさておき、五月祭まであと2週間を切っています!
部員の中には兼サーしている人も多く、みんな準備に忙しそうです。
果たして作品は完成するのでしょうか…?

念のため毎回、最後に五月祭展示の詳細を掲載しておきますね。
[日時]2018年5月19(土), 20日(日)
[場所]東京大学本郷キャンパス 工学部3号間3階 TMIラウンジ講義室, TMI会議室
皆様のお越しをお待ちしております。

それでは。

五月祭予告 Pt. 3

2018-04-30 11:00:00 | 作成日記
こんにちは、もつぴです。

パーツのカウントがひとまず終わりました。
そこで組立の手伝いを募ったところ
昨日、なんと4人も(!!)新入生が来てくれました。
(部室が狭いので申し訳なかったです…)


さて、今回はPt.1, Pt.2でご紹介したものとは違う作品の予告です。



こちらは、このやろーくんが中心となって
用意してくれている作品の一部です。
このショベルカーは彼が組んだものですが、
なんと上半身とアームがパワーファンクションで独立可動になっています!

"積む"タイプの組み方と、Technicの組み方
両者が得意だと表現の幅を広げることができそうですね。
(僕はTechnicで遊んだことはありませんが…)

この作品には、他にも動くものが組み込まれる予定です。
一部員としても非常に楽しみです。


最後に、展示場所が決定したので日時と合わせてお知らせします。
[日時]2018年5月19(土), 20日(日)
[場所]東京大学本郷キャンパス 工学部3号間3階 TMIラウンジ講義室, TMI会議室
皆様のお越しをお待ちしております。

それでは。

五月祭予告 Pt. 2

2018-04-16 23:56:56 | 作成日記
こんばんは。
5限目に出るために熱海から急いで自転車で帰って来たにも関わらず
休講だったので、悲しみに暮れている部員のもつぴです。

今回は現在行っているパーツのカウント作業についてご紹介したいと思います。

私たちは「さあ組み立てるぞ!」という前に、発注したパーツが正しい個数届いているかを確認します。
発注先の作業員の方(あるいはロボット?)も間違えることがあるので、もう一度チェックを行うというわけです。


上の写真は、今回発注したパーツの一部です。
これだけの量ならすぐに数えられますが、何十何百という数になるとカウントするのが大変になります…。

カウントは大変ですが、この作業をしなければ
展示の直前にパーツの不足が発覚して作品が完成しない、などということが起きかねません。
地味な作業ですが、引き続き頑張ります。

次回まで、これらのパーツがどんな風に使用されるのか考えてみてくださいね!

それでは。

五月祭予告 Pt. 1

2018-04-09 11:16:52 | 作成日記
こんにちは、そして初めまして。
2年生になって間もない、部員のもつぴです。

例年通り東大LEGO部は、5月19(土), 20(日)日に開催される第91回五月祭にて作品の展示を行います。
ということで、今回はその予告をします。

今回展示予定の作品のシルエットです。

昨年の駒場祭に引き続いて、オリジナル作品となっています。
このシルエットだけでも、なんとなくどんな作品か分かってしまいそうですね…。

この作品以外にも展示するので、お楽しみに!
それでは。

五月祭予告 第参回

2017-05-16 00:03:00 | 作成日記
こんばんは、近頃は空きコマ・休日のほとんどを部室で過ごしている、たけるです。
いかにも学祭間近って感じですね。



今回も制作中の様子をご紹介します。




階段部分は、一段を半ポッチずらし(1*2のjumper plate)1枚で表しています。





隙間を埋めるように配置した旧ヒンジプレートがポイント。
新灰と旧灰が混在するのがネックですけどね。







微妙な角度をつけるためのアダプタです。
よんまるいち君の考案してくれたものに、ポチスロとタイルを足してガッチリ固めています。




このように、微妙な角度での設置を実現。
前回ご紹介したアンテナも写り込んでいますね。








これはロックウェル君が用意している別の作品です。長いですね。


今回はここまでです。

五月祭予告 第弐回

2017-05-11 21:54:38 | 作成日記
こんばんは、たけるです。
夏が近づいてるなと感じるこの頃です。

制作中の作品の一部をご紹介します。



このアンテナ部分、実物は円柱なんですが、グリルタイルを使用したかったので六角柱で再現してます。



一度は32125を使用した骨格の設計が完成しましたが、よんまるいち君が見た目はそのままながらもテクニックブロックによってより強度を高くしたものを考えてくれました。






上方向に伸ばすためのアダプタ。ブラケットで六角柱内のプレートに接続します。若干の誤差はあるような気もしますが、六角形の対辺間の距離は8.5プレートでした。





そして最近登場した26604と、

(これからのカラーバリエーションが期待されます)



何かと便利な蛇口の赤、

(たくさんあって嬉しい)


これらによるパートを伸ばしていくことで高さを出していきます。




今回はここまでです。