ひつじ飼いのキノコ岩との日常

家庭の事情から、トルコ国内のすったもんだまでw

シリアの、セルワちゃん。

2020年02月19日 19時24分44秒 | 事件・事故・宗教・政治


シリア、イドリブ県
セラキブ市に住む

父、モハンメット32歳と
娘、セルワ、4歳。

2011年から続く
内戦の影響で

たくさんの子供達が
精神的な問題を抱える、シリア。

父は、娘に
そんな、恐怖を感じてほしくなかった。

そして。
一つの遊び、を提案した。

ビデオの冒頭。
父は、娘に聞く。
「お前は、戦闘機が怖いのかい?」

娘は
「ううん!怖くないよ!だって、これは遊びだもんね!」
と答える。

1997年に公開された
「Life is beautiful」という映画を
彷彿とさせる。

これは。
ナチの支配下。

収容所に
連行された父子の物語。

子供が怖がらないように、と
死の直前まで、

子供に
これは、ゲームなんだよ、と
言い続け

必死に、ゲームのフリをする
父親の物語。

この映画の
さながら、実写版、と
話題になったビデオ。

セルワは、まだ4歳。
父親と一緒に、約半年ほど

「戦争ゲーム」を
やっている。

ビデオの後半。
父親は、言う。

「シリアで戦争の被害者になった、沢山の子供達が、恐怖で、精神的な問題を抱えています。
セルワが小さい頃から、爆撃音を怖がらないように、どうしたら良いか、考えていました。
先日の犠牲祭で、子供達が花火で、遊んでいました。娘は怖がって、泣き始めました。ベランダへ一緒に出て、遊んでいる子供達を見せました。怖がる必要のない事を、伝えて
ばーん!という音が聞こえたら、これは、花火の音だから、そこの子供達のように、笑うんだよ、と言いました。何日後かに、戦闘機がセラキブ市の周辺を爆撃したときも、娘はとても、怖がりました。その時、娘に、これは、花火だから、こないだのように、笑ってごらん、と言ったんです。その後、爆撃音がする度に、娘は笑うようになりました。」

小さな子供の笑い声が、
爆撃音を、かき消します。

もちろん。
シリアで起こっている現実は
何も、知りません。

最後に。
「この子には、私達の生きている人生よりも、もっと良い人生を生きてもらいたい。可能なら、良い教育を受けて欲しいと、強く願います。セラキブ市では、戦闘機が飛んでいるので、危なくて幼稚園には、行かせられません。彼女が例えば、有名な学者になるとか、とても、我々は想像すらできませんが…食べ物、飲み物が不足しないように。全ての普通の人並みの、良い生活と、良い教育を望みます。」

「娘のビデオが、世界への、メッセージとなることを、望みます」
と。

何も知らずに
笑う、

娘の横で
父親は、言う。

そんな、親子も
現在。

トルコ国境から
5キロほど離れた

サルマダ市へと
避難した。

現在。
イドリブ県では

アサド大統領の国軍と
それに抵抗する民兵の間で

激しい戦闘が
繰り返されているのだ。

これに。
トルコ軍も、
巻き込まれる形で

現在までに
13名にのぼる

兵士が
戦死した。

エルドアン大統領は
この事態に、激怒し。

2月末まで
シリア軍が

イドリブ県外まで
退却しなければ

武力行使を辞さない構え、を
みせた。

実際。現在。
シリア国境には

トルコ軍の大部隊が、
集結しつつある。

これに対し。
ロシアは

「もし、本当に、トルコ軍が武力行使を
するならば、最悪の事態は、避けられないだろう」
と、警告した。

最悪の事態…すなわち
ロシア軍が、正規に

トルコ軍を
迎え撃つかもしれない

可能性、を
ちらつかせたのだ。

トルコと、ロシアの
話し合い、は

一応、まだ
続いているものの

あまり、期待できる
成果はあがらないだろう

というのが。
一般的な見方だ。

トルコはどうするか?
駆け込み寺、アメリカに
逃げ込むか?

それとも。
くそ意地を通して

シリアで戦争に
突入するか?

はたまた。
ロシアの手前、

矛を引いて。
ロシアとの、話し合いに、応じるか?

そりゃ、
トルコ本土は
戦争になりませんけどね~。

大体、金が
ない国なのに。

そんなとこばっかに
予算使ってらんないでしょ、

ってのが。
実際、国民の本音…。

人の国の
心配ばっかしていないで

ちょっとは
トルコ国民の面倒みろよ!
みたいな。

恨み節のような
声が

チマタには
渦巻いておりますが…。

そして。
いつも、犠牲になるのは
子供達。

和平が見えてきたよう
だったのに

一転して、また
戦争真っ只中のシリア。

シリアの子供達に
笑顔が戻るのは、
いつの日なのか…。

セルワちゃんの
笑顔を見ていると

心がざわついて。
居ても立っても
いられませんがな(爆)



本日もお付き合いいただいて
ありがとうございます。

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コメント (4)
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