はるかな日、きのう今日

毎月書いているエッセイ、身辺雑記を掲載

今月の便り(2020年7月)

2020-07-30 06:12:34 | エッセイ・身辺雑記
月の便り(2020年7月)
 今年もといいますか梅雨末期の「今まで経験したことのないような大雨」のため熊本県を中心とする大規模な水害のため死者や行方不明が続出、次いで岐阜や長野でも同様な水害発生。
 7月8日
 「自分史サークル」の例会。新加入のSさん(初めての手術)長年悩まされてきた副鼻腔炎の手術による治療で完治したまでの経過。子どもの時から健康には問題がなかったのにひどい鼻づまりのために睡眠不足になり耳鼻科を受診したが思わない経過をたどっていた時に目にした新聞記事で症状が改善した例を知り大学病院で手術を受け快癒したという一文ですが構成もよく全体的に分かりやすいという立派な作品でした、Aさん(囲碁の思い出⑧強い碁敵に感謝)はいつものように読んで楽しい作品。強い碁敵に会うまでの経過にはどんな碁敵に会うのかという期待、後半の強い碁敵に連敗しながら徐々に強くなりついには三勝を挙げるという物語。自慢話なのにそれを感じさせないのは筆者の人格の反映かも。Iさん(カネまみれの政治)は前法相河井克行と妻杏里参議院議員による買収選挙事件を取り上げていますが最も憤慨に耐えないのはそのカネがわれわれの税金だと怒ります(全く同感)。Kさん(散歩)は独特の筆致による散歩の情景。歩数や方向音痴という嘆きはともかく途中で会った親子との会話、初なりというトマト二個をもらう場面の美しさ、まるで風景画を見ているような感慨には引き込まれてしまいます。
その後、来月の懇親会の日時、場所、メニューなどの説明があって閉会。ただし、「コロナと私」などという500字程度のエッセイの提出というおまけが付きました。
7月18日
 毎月の泌尿器科の医院へ。先月。今まで自転車で来ていましたが90歳にもなると自転車が怖く自信がないと言ったところ「止めん方がええ」と言われ途方に暮れていましたが、往診はしてもらえるかと聞いたところ往診してくれるとのことで来月からはと依頼しました。体は元気なのにと思うのですが危険は少しでも避けようと思っています。年をとったなあというのが正直な感想です。
7月20日
 毎日の散歩(15分ほど)の帰り道で今年最初のセミの声。 
[今月の本]
福永武彦ほか訳『お伽草子』ちくま文庫、筑摩書房。1991年(第2刷)
どの話も面白くよみましたが中には仏教の説話みたいのもあってちょっと退屈したのも。題名は知っていても中身は全く初めてというのがほとんどでした。「浦島太郎」は絵本に近いのですがやはり少し違っています。ともかく枕元で読むにはうってつけ。
 井上ひさし『十二人の手紙』中公文庫、中央公論新社2020年(第7刷)
友人が送ってくれた本。読み始めたところで、昨夜読んだ「葬送歌」などは表紙カバーの「どんでん返しの見本市だ!!」という通りの面白さ。ストーリーテラーの第一者の作品であることはまちがいありません。

 今年の長雨による熊本県はじめあちこちで死者、行方不明者続出で何とも言えない悲しさ恐ろしさ。その上、東京での新型コロナウイルスによる感染者は一万人をこえる拡大。感染と近隣の県、愛知、関西、福岡でも第二波到来という状態。それなのにGO TOキャンペーンなどいう動き。どうなっているのでしょうね。皆さんもどうかお気をつけてお過ごし下さい。では、また。


今月のエッセイ(2020年7月)

2020-07-29 07:49:04 | エッセイ・身辺雑記
 初めての牛乳                                
 今年の梅雨前線は大暴れ、熊本県ではたくさんの人が亡くなったり行方不明になったりしました。テレビで見る被災地の凄まじい光景には言葉もありません。
 それにつけても思い出すのは小学3年の夏、茨城県水海道という町(現常総市)の近くを流れる小貝川という川の洪水です。刻々と増える水に追われて近所の宿屋の二階に避難。そこから泥水の海を手漕ぎの舟で渡り高台にあった中学校に避難しました。
入ったのは美術教室で大きな白い像には白い布が掛けられていたのを覚えています。父親がこの学校の教師だったので良い部屋を用意してくれたのでしょう。
 避難先の朝の楽しみは牛の乳、牛乳です。校内には白い大きな牛も来ていたのです。小使さん(用務員)がその牛乳を大きい青い琺瑯引きのヤカンに貰ってきて沸かしてくれるのです。コップに注がれた真っ白な飲み物を見るのは初めてでしたが親に勧められて口にしてみるとちょっと甘く牛乳というものはこんなに美味しいものかとびっくり。
 やがて水が引き家に帰るようになりましたが避難していた学校で飲んだ良い匂いがしていた牛乳は思い出の牛乳。今、牛乳はいつでもいくらでも買えますが毎朝飲んでいるのは低脂肪牛乳です。
2020年7月