今月の便り(2015年9月)
秋雨前線による雨ってこんなに続くのかと思い、早く晴れた秋空を望む日の長い9月です。関東や東北では甚大な被害の出ている台風18号ですが、びわ湖南岸にある当地では雨風が一時強かったもののいつの間にか通り過ぎていきました。御地ではいかがでしたでしょうか。
9月9日
公民館の例会の日ですが台風による雨が強いので車で送り迎えしてもらいました。Aさんはオマーンでの仕事の前の日本での日々。海外から大規模工事を受注するまでの経緯を面白く読みました。Iさんは腸閉塞の手術を受けるまでの経過や術後の日々を息詰まる筆致で書いていましたが、入院中の86歳の誕生日に看護師さんからのメッセージ、孫や曾孫からのお祝いの言葉、ことに幼い曾孫が電話で歌ってくれたハッピーバースデーを聞いた時を綴った部分は緊迫した雰囲気の中に華やか花が咲いたような印象を受けました。Kさんは物忘れによるエピソードをいくつか語っていましたが、川柳作家らしいユーモアに溢れていました。Nさんは母親大会での活動、特に息子や娘の小さかった時の様子など読ませるエッセイ、もう一人のNさんはこの夏の暑い日の出来事、たくさん見た戦後70年記念番組からの感想などを記していました。男性のNさんは検査入院・手術のため作品は休み、Mさんも検査入院中、Iさんは市議選で多忙。8月は例会を休んだので楽しいことこの上なし。
9月15日
11月のカレンダーに使うレースペーパーを探しに京都へ。久しぶりに乗る電車から見る風景には全く変わっていない所もあれば、新駅が予定されている土地には新しい家がずらり。駅直結の伊勢丹であちこち回り、レースペーパーを見つけましたが、予定していた大きさのものはありませんでしたが、思い切って一回り大きいのを買いました。昼食はホテルと思っていたので行ってみましたが、たっぷり給料をもらっていた時代ならともかく何となく入りそびれて伊勢丹のレストラン街でトンカツという可愛らしさ。
私の京都への小旅行。大規模なデパートでの買い物や食事、京都駅の鉄骨を組んだ巨大な構造物、忙しそうに行きかう大勢の人々。私の旅情への渇きは十分に満たされました。
9月22日
今年は珍しくも9月19日(土)~23(水)と5連休。高齢者にはこれといった予定もありませんが、この日は大津の青龍寺にお墓参りに。お彼岸とあってどのお墓のも花が供えられ、お墓参りに来ている人も多く、墓地は賑やか。祖父母、両親、弟、早くに亡くなった良子ちゃんと往時の人たちの思い出にしばらく黙祷。帰りにはかつて賑やかだった商店街に出ましたが、西友は閉店、その周りの商店もシャッターを降ろしていて、行きかう人影も疎ら。昔を顧みれば淋しい思いにかられます。その後、浜大津に出て、高いデッキから一面に広がるびわ湖を眺め、やはりびわ湖は良いなあ、滋賀県は私の故郷と感傷にふけりました。今回の墓参のお土産かも。人通りの少ない大津からたくさんの老若男女の行き交う草津に帰ってほっとしました。
9月某日
テレビも新聞も関東・東北の水害のニュースで賑やかなことですが、気をつけて見ていたら、水海道や小貝川という名前があるではないですか。小学校3年生の時、水海道では大規模な洪水に遭って小さな舟で高台の学校に避難したことがありました。小貝川は家の近くにあって遊びに行ったこともあり、懐かしい地名を聞いたものだと思いました。水害の跡始末はたいへんなのを子供心に覚えていますので被災地のご苦労はいかばかりかと思っています。
「今月の本」
今月初め、少し体調を崩して1日横になりましたが、軽い本でも読もうと思い、手に取ったのが星 新一の本です。息子が残していった本棚から取り出しては読んでいる内に止められなくなって何冊も読みました。読んだのは『宇宙のあいさつ』(新潮文庫 昭和56年)、『だれかさんの悪夢』(新潮文庫 昭和56年)、『おかしな先祖』(講談社文庫 1989年)、『これからの出来事』(新潮社985年)の4冊です。いずれも星 新一から始まってとされるショートショートといわれる短文で、眠る前に「ああ面白かった」と2,3編ずつ読んでいました。どれも「またやられた」と思わせる奇想天外な終結を迎えるわけですが、微苦笑あり恐怖ありという膨大な数のアイデアはどこからどのように浮かぶのでしょう。これも星 新一が始めたというSF小説で、確かに異次元や宇宙の彼方からの使者が登場しますが、未来の地球は文明が発達し過ぎて人間性が失われていたり、核戦争の果てに人間が一人もいない荒涼とした世界だったりと明るい未来は描いていません。この他にも悪魔や神(?)も現れますが、人間の欲望の果てにあるものが何であったのかを明かすほろ苦い結末であったりもします。考えさせられること多いショートショート集ではありましたが、楽しい時間を過ごしました。
酷暑と言われたこの夏は過ぎ、近所の生垣では虫の声がし始め、日を追うようにそれは賑やかになってきました。果物が美味しいばかりか、何もかも美味いなあと思う季節。存分にお楽しみになりますように。では、また。
秋雨前線による雨ってこんなに続くのかと思い、早く晴れた秋空を望む日の長い9月です。関東や東北では甚大な被害の出ている台風18号ですが、びわ湖南岸にある当地では雨風が一時強かったもののいつの間にか通り過ぎていきました。御地ではいかがでしたでしょうか。
9月9日
公民館の例会の日ですが台風による雨が強いので車で送り迎えしてもらいました。Aさんはオマーンでの仕事の前の日本での日々。海外から大規模工事を受注するまでの経緯を面白く読みました。Iさんは腸閉塞の手術を受けるまでの経過や術後の日々を息詰まる筆致で書いていましたが、入院中の86歳の誕生日に看護師さんからのメッセージ、孫や曾孫からのお祝いの言葉、ことに幼い曾孫が電話で歌ってくれたハッピーバースデーを聞いた時を綴った部分は緊迫した雰囲気の中に華やか花が咲いたような印象を受けました。Kさんは物忘れによるエピソードをいくつか語っていましたが、川柳作家らしいユーモアに溢れていました。Nさんは母親大会での活動、特に息子や娘の小さかった時の様子など読ませるエッセイ、もう一人のNさんはこの夏の暑い日の出来事、たくさん見た戦後70年記念番組からの感想などを記していました。男性のNさんは検査入院・手術のため作品は休み、Mさんも検査入院中、Iさんは市議選で多忙。8月は例会を休んだので楽しいことこの上なし。
9月15日
11月のカレンダーに使うレースペーパーを探しに京都へ。久しぶりに乗る電車から見る風景には全く変わっていない所もあれば、新駅が予定されている土地には新しい家がずらり。駅直結の伊勢丹であちこち回り、レースペーパーを見つけましたが、予定していた大きさのものはありませんでしたが、思い切って一回り大きいのを買いました。昼食はホテルと思っていたので行ってみましたが、たっぷり給料をもらっていた時代ならともかく何となく入りそびれて伊勢丹のレストラン街でトンカツという可愛らしさ。
私の京都への小旅行。大規模なデパートでの買い物や食事、京都駅の鉄骨を組んだ巨大な構造物、忙しそうに行きかう大勢の人々。私の旅情への渇きは十分に満たされました。
9月22日
今年は珍しくも9月19日(土)~23(水)と5連休。高齢者にはこれといった予定もありませんが、この日は大津の青龍寺にお墓参りに。お彼岸とあってどのお墓のも花が供えられ、お墓参りに来ている人も多く、墓地は賑やか。祖父母、両親、弟、早くに亡くなった良子ちゃんと往時の人たちの思い出にしばらく黙祷。帰りにはかつて賑やかだった商店街に出ましたが、西友は閉店、その周りの商店もシャッターを降ろしていて、行きかう人影も疎ら。昔を顧みれば淋しい思いにかられます。その後、浜大津に出て、高いデッキから一面に広がるびわ湖を眺め、やはりびわ湖は良いなあ、滋賀県は私の故郷と感傷にふけりました。今回の墓参のお土産かも。人通りの少ない大津からたくさんの老若男女の行き交う草津に帰ってほっとしました。
9月某日
テレビも新聞も関東・東北の水害のニュースで賑やかなことですが、気をつけて見ていたら、水海道や小貝川という名前があるではないですか。小学校3年生の時、水海道では大規模な洪水に遭って小さな舟で高台の学校に避難したことがありました。小貝川は家の近くにあって遊びに行ったこともあり、懐かしい地名を聞いたものだと思いました。水害の跡始末はたいへんなのを子供心に覚えていますので被災地のご苦労はいかばかりかと思っています。
「今月の本」
今月初め、少し体調を崩して1日横になりましたが、軽い本でも読もうと思い、手に取ったのが星 新一の本です。息子が残していった本棚から取り出しては読んでいる内に止められなくなって何冊も読みました。読んだのは『宇宙のあいさつ』(新潮文庫 昭和56年)、『だれかさんの悪夢』(新潮文庫 昭和56年)、『おかしな先祖』(講談社文庫 1989年)、『これからの出来事』(新潮社985年)の4冊です。いずれも星 新一から始まってとされるショートショートといわれる短文で、眠る前に「ああ面白かった」と2,3編ずつ読んでいました。どれも「またやられた」と思わせる奇想天外な終結を迎えるわけですが、微苦笑あり恐怖ありという膨大な数のアイデアはどこからどのように浮かぶのでしょう。これも星 新一が始めたというSF小説で、確かに異次元や宇宙の彼方からの使者が登場しますが、未来の地球は文明が発達し過ぎて人間性が失われていたり、核戦争の果てに人間が一人もいない荒涼とした世界だったりと明るい未来は描いていません。この他にも悪魔や神(?)も現れますが、人間の欲望の果てにあるものが何であったのかを明かすほろ苦い結末であったりもします。考えさせられること多いショートショート集ではありましたが、楽しい時間を過ごしました。
酷暑と言われたこの夏は過ぎ、近所の生垣では虫の声がし始め、日を追うようにそれは賑やかになってきました。果物が美味しいばかりか、何もかも美味いなあと思う季節。存分にお楽しみになりますように。では、また。