はるかな日、きのう今日

毎月書いているエッセイ、身辺雑記を掲載

今月のたより(2020年4月)

2020-05-01 11:30:24 | エッセイ・身辺雑記
今月の便り(2020年4月)
 先月に引き続きコロナ感染者の増加のニュースばかり。東京、大阪、愛知県などでの増加が多く感染蔓延の顕著な地域での新学期は大型連休明けの5月6日になるとのこと。
 4月3日
 朝のラジオ体操の後、近くの公園にカミさんと花見に。公園を囲むソメイヨシノは満開。ゆっくり眺めていると世の中は平和そのものというような気になります。遠くまで花見に行こうなどという気もしません。来年も花見ができますように。
 4月8日
 「自分史サークル」の例会の日です、3月はコロナウイルスの影響で休会としましたが、4月からの新幹事が公民館と交渉の結果「どうぞ使ってください」という返事で開催。ですが、いつもの小会議室は狭いので広い研修室で開催。ただ、政府もいう「3密」を避けるため長い机を使ってそれぞれ離れた場所に席をとり、窓はみな開け放しということになりました。
 Nさんの「長兄のこと」は目が見えにくくなったと言いながら養殖真珠や大型の農業機械での耕作などで頑張っていた兄ですが、今で言うと若年性糖尿病のため病状が進行しついに失明した兄へのしみじみとした思慕の念が伝わる秀作でした。Nさんの「心に残る結婚式」は東京での初孫の結婚式に参加し、その喜びに満ちた一文ですが。過不足なくまとめられていて上出来。ただ、冒頭と結末で亡くなられてご主人への思いが加えられていて、夫婦というものを再確認しました。Nさんの東京のホテルでのまごつきにくすり。孫と彼女が連絡はないと訪ねてきて携帯を使うのを失念していたと鞄の底から取り出すという部分も面白く感じました。Aさんの「囲碁の思い出⑦我が家の宝」は高価な碁盤を手に入れるまでの経過と碁盤のいろいろに感心しましたが、わが家の大切な品とも思い合わせると「我が家の宝」は家族との関わりこそ宝ではないかと思えてきます。ここからの4作はいずれも今回のコロナウイルスがテーマです。Iさんの「令和二年の三月」では九十年生きてきても今回のウイルスに関しては経験を生かすものが何もなく悩ましい、四月はどのように訪れるのでしょうか祈るよりほか方法はないのでしょうかと一人暮らしの不安を訴えています。時事問題に詳しいIさん(見えない敵「コロナ」)は現況を広範に捉えていてさすがIさんと頷きます。Nさんの「新型コロナウイルス」は北海道に住む娘さんの孫を預かる苦心話。親から毎日の体温を報告せよとか運動させよなどと厳しい注文。今回の臨時休校による一面を垣間見る思いがしました。Kさん(騒がしいコロナ)は現況を述べ早く平常が戻ってほしいと思う高齢者の一人であるという文末には心からの同感。
 「コロナ新型ウイルス」は東京、大阪での感染者の蔓延は止まらずついに全国に緊急事態宣言が出される破目に。私達は外出自粛。施設の閉館、商店の営業自粛など経済面でもたいへんな状態になってきました。私の町でも感染者が増え、中にはスーパーのレジ打ち、飲食店の店員、歯科衛生士などと身近になってきました。テレビを見るのが怖いような毎日です。一日も早く終息してと祈るような気持ちです。 
[今月の本]
 馬場あき子『鬼の研究』ちくま文庫、筑摩書房1991年(第六刷)
積読の一冊。鬼に関する種々の文献についての考察が満載されていますが、その部分は横にその文献に登場する鬼についてのエピソードを面白がって読むといういい加減さ。けれど鬼は当時の権威に対する反抗であったり、山に住む人達の暮らしの反映であったり、それが山伏になっていったり、さては般若に変わっていったりという論説には頷いてみたりと何となく読み終えました。大江山の鬼といいますがそんなに遠い所ではなく、洛北であるとか逢坂山ではないかという部分には納得。また伊勢も鬼の本拠なのだそうです。まあ、怠けた読み方でしたがけっこう面白く終わりました。
 福永武彦訳『今昔物語』ちくま文庫、筑摩書房1991年(第一刷)
先の『鬼に研究』によく登場する今昔物語の現代語版、読み始めたら面白くて止められない面白さ。今は第一部の世俗、第二部宿報、第三部霊鬼を終え、第四部の滑稽を読んでいるところ。どれも嘘のような本当のような、いってみればどうでもいい話ばかりですが人間の心の機微が表現されています。まだ本は半ばですがこの先が楽しみです。

 どちらも新型コロナウイルスに留意し、その終息の日を待ちましょう。では、また。
2020年4月

1 コメント

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お元気そうですね (安田義明)
2020-05-06 23:03:27
藤沢薬品時代の安田です。おひさしぶりです。コロナで心配していましたがお元気そうでうれしいです。最近、中井さんのエッセイ集を再読しました。あらためて胸を濡らしました。奥様はお元気でしょうか。ではまた。

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