はるかな日、きのう今日

毎月書いているエッセイ、身辺雑記を掲載

今月のつぶやき

2021-05-29 06:38:49 | エッセイ・身辺雑記

 老いは突然やって来るようです。去年6月の90歳の誕生日を過ぎた夏、自転車でスーパーに行った帰り道で後ろから大きな声で「もっと端に寄れ」と言われました。漕ぐ力がなくなり方向感もなくしてよろよろ走っていたのでしょうね。これが最後の自転車になりました。足腰が弱くなっていたせいでしょう。
 わが家の前でシルバーカーを押して通り過ぎる人とはよく声をかけて話しているのですが私も歩くのが・・と話していたら杖を使うと少し楽になると教わり、そうだ杖だと気が付き、杖を買わなくてはと思っていた時、弟に「ぼつぼつ杖が要るのかも」と話したら「おじいちゃん」と「おばあちゃん」が使っていた杖を持ってきてくれました。
 私の父親は80歳で亡くなっていますから70歳代から使っていたのでしょうか。両親の住んでいたのは坂の多い大津でしたから歯医者さんやお医者さんあるいは本屋さんに杖を突きながら歩いていたのだと思うと感無量。
 ともかく杖をついての散歩を始めてみましたが、使い方がよく分かりません。毎朝のラジオ体操でも杖をつく人が二人いますがなかなか聞けないものです。ネットで調べてみても足の悪い人のためのもので足腰が弱くなっているもののための情報はありません。お医者さんにきいても「難しいですねえ」とはかばかしい返事はありません。
 歩けなくなるのだけは避けたいので杖の使い方の練習を兼ねて毎日散歩しています。けれど、歩けてせいぜい20分かもう少しという程度。毎月の会合には幹事さんの車で送り迎えしてもらっています。
 歩ける範囲は僅かでも今はすでに夏の気配。どこへ行っても緑、緑の季節になりました。勢いのよいクスノキの若葉、たくさん咲いていたムギセンノウ。今日の散歩は無事に終わりました。