創作 彩音(あやね)との別離 18 )

2024年07月10日 22時57分41秒 | 創作欄

男の狡さである、昭は彩音に対しても、自宅を含め勤務先などの自分の連絡先を明らかにしていなかった。

だが、アンナとの関係は、昭の思惑どうりではなかったのである。

アンナとの出会いは、東京・亀戸駅近くのスナックだった。

その店は、昭が勤務する企業の先輩の森田優斗の兄が経営していた。

昭はアンナとは、できれば1回きりの男女の成り行き、つまり浮気ですませればと、男の身勝手さで打算していた。

だが、アンナは昭の思惑を逃がさなかった。

アンナから、昭の勤務先に電話がかかってきたのだ。

「島田さん、アンナだよ。明日、競馬へ行こう。森田さんも一緒だよ。いいね」昭は勤務先の隣の席に座る先輩の森田に視線を向けながら、唖然とした。

アンナと出会って、1週間が巡ってきたのである。

「森田さん、あの彼女からの誘いです・・・」

「ああ、あの子にせがまれてね、島田君、明日は中山競馬に付き合ってよ。いいだろう?」森田は意味ありげな笑顔となる。

昭は、改めれ落とし穴を意識するのだ。

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