4期目プーチン政権船出

2018年05月22日 10時05分28秒 | 医科・歯科・介護
 「突破的発展」を強調も…変化小さい?

産経ニュース

全土で反政府デモ
外交より内政重視

国際的孤立 社会に閉塞感も

7日、ロシアの首都モスクワの大クレムリン宮殿で、4期目の就任式に臨むプーチン大統領(ロイター)
 【モスクワ=遠藤良介】ロシア大統領選(3月18日実施)で当選したウラジーミル・プーチン氏(65)が7日、モスクワの大クレムリン宮殿で就任式に臨み、通算4期目をスタートさせた。プーチン氏は演説で、「経済や技術分野での突破的発展」が不可欠だと強調し、国民の団結を呼びかけた。注目された首相ポストには同日、6年間首相を務めたメドベージェフ氏が指名された。経済が低迷し、社会の閉塞感が深まっている現実を打破できるのか-課題山積の中での船出である。

 プーチン氏は、クレムリンの執務棟から新調された国産リムジン車で敷地内を移動し、正午頃に大クレムリン宮殿に到着。各界の招待客ら数千人が見守る中で赤じゅうたんの上を歩き、「アンドレイの間」で大統領就任の宣誓を行った。

 プーチン氏は演説で「全世界が大きな変革期にあり、(ロシアの)前途は容易でない」とし、社会の結束によって「全領域での突破(的発展)」を実現せねばならないと述べた。「安全保障や防衛力には常に関心を払う」とする一方、「発展にかかわる国内の課題を解決することが重要だ」と強調した。

 現実にはしかし、欧米との対立激化や統治機構の硬直化により、自律的な経済発展の展望が見えていない。国民の実質所得は2014年に前年比0・7%減、15年は3・2%減、16年は5・8%減、17年は1・7%減-となっている。

 英国で3月に起きたロシア元情報機関員に対する神経剤襲撃事件では、欧米とロシアがそれぞれ150人以上の外交官を追放。4月には、米国が大統領選への干渉問題やシリア問題を理由に、追加の対露経済制裁を発動した。

 国内でも、大都市部を中心に、政権の長期化やインターネット統制への不満がくすぶっている。今月5日には、モスクワなど数十都市で反政権デモがあり、全土で1600人以上が治安当局に拘束された。経済低迷が長期化すれば、国民の反政権機運やエリート層の離反が強まる恐れがある。

 プーチン氏が政策の刷新を狙って首相を交代させるとの見方もあったが、次期首相にはメドベージェフ氏が指名された。下院が8日にも承認する見通しだ。リベラル派の重鎮、クドリン元副首相兼財務相が政権の要職に就くとの予測もあるが、総じて「本格的な路線変化は期待できない」(観測筋)との声が強い。
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