【カープ】捕手坂倉、森下勇気づける2ラン サヨナラも演出

2020年08月28日 22時24分00秒 | 野球

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二回、広島1死一塁、坂倉が中越え2ランを放つ

【広島4―3阪神】  広島は3―3の九回、上本のプロ初のサヨナラ打で今季初のサヨナラ勝ち。坂倉は2ランを含む2安打と活躍。

九回に同点に追い付かれたフランスアが今季初勝利を挙げた。

【スライドショー】カープ70周年 あの日あの時  

一昔前なら、今の広島の捕手事情は危機的だろう。石原が故障で抜け、会沢はコンディション不良。今季は違う。

成長期まっただ中の坂倉がいる。二回に3号2ラン、九回1死一塁では二塁内野安打を放ち、サヨナラの好機を演出した。守っては3失点で持ちこたえる。

「穴埋め役」という肩書は似合わない。  相手は広島戦3試合で2勝の西勇。今の坂倉は数少ない失投を逃さない。1―0の二回1死一塁、真ん中に入った変化球に目を見開いた。強振すると、打球はぐんぐん伸びてバックスクリーンへ。「甘く来たところを一振りで捉えられた」  捕手の仕事は投手を助けること。

森下さんの援護点になってよかった」。

西勇と投げ合う森下に、どれほど勇気を与えただろう。守備ではサインに首を振られながらも、共同作業で要所を締める。九回にフランスアの失点で同点に追い付かれたが、及第点のゲームメークだった。  打率3割3分8厘で15打点。打撃センスが大きく花開き、発展途上の守備も経験を積む。一回りも二回りも大きくなる、またとないチャンスが訪れている。正捕手の座を目指し、先輩捕手に挑戦状をたたきつけている。会沢も、うかうかしていられない。

中国新聞社

 

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広島 今季初のサヨナラ勝ち、上本が決めた 阪神3連勝でストップ

2020年08月28日 22時20分49秒 | 野球

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<広・神>9回1死一、二塁、上本はサヨナラ中越え適時打を放ちガッツポーズ(撮影・椎名 航)

 ◇セ・リーグ 広島4―3阪神(2020年8月28日 マツダ)  

広島が今季初のサヨナラ勝ちを飾った。

【写真】9回1死一、二塁、サヨナラ打を放ち、ナインから手荒い祝福を受けながら、笑顔を見せる上本  初回1死から菊池涼の右中間への5号ソロで先制すると、2回には1死一塁から坂倉がバックスクリーン右へ3号2ランを放ってリードを広げた。  

先発の森下は初回の併殺打で波に乗ると4回には3者三振を奪うなど7回2失点の好投を見せ、8回は塹江が3人で抑えた。

9回に守護神フランスアがマウンドに上がり、1死一、三塁から梅野の内野ゴロの間に同点とされたが、その裏に1死一、二塁から上本の中越えの適時打でサヨナラ勝ちした。

 阪神は3点を追う5回1死一塁から梅野の適時二塁打で森下から15イニングぶりに得点。7回に大山の13号ソロで1点差に迫ると、9回1死一、三塁から梅野の内野ゴロの間に同点としたが、9回に登板した岩崎が踏ん張れなかった。連勝は3で止まった。

 

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阪神サンズが痛恨の走塁死…大山打撃結果が右ゴロに

2020年08月28日 22時18分53秒 | 野球

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広島対阪神 2回表阪神無死一塁、大山が右前打を放つも、サンズは緩慢走塁でアウト。右は上本(撮影・加藤孝規)

<広島4-3阪神>

◇28日◇マツダスタジアム 阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が痛恨の走塁ミスで好機拡大を逃した。

【写真】大山は右ゴロを放つ 0-1の2回に、先頭の4番サンズが四球で出塁。続く5番大山が、広島森下の147キロ直球を打ち上げた。

打球は風に流されながら右翼手鈴木誠の前に落ちたが、打球判断を誤った一塁走者サンズが二塁で封殺。

大山の打席結果は「右ゴロ」となった。

1死一塁となった後は、6番ボーアが空振り三振、7番梅野は二飛に倒れて無得点に終わった。

 

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阪神サヨナラ負け 4連勝ならず1日でまた借金生活

2020年08月28日 22時02分15秒 | 野球

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広島上本(左)はサヨナラ中前適時打を放ちガッツポーズ(撮影・上山淳一)

<広島4-3阪神>

◇28日◇マツダスタジアム 阪神はサヨナラ負けで4連勝を逃し、1日で借金生活に逆戻りした。 【写真】広島上本は中越え適時打を放ちサヨナラ勝ち 中5日で先発した大黒柱、西勇輝投手(29)が2回までに2被弾で3失点。

打線は今季3戦3敗のドラフト1位森下を相手に3点ビハインドの5回表、7番梅野隆太郎捕手(29)が適時二塁打。

7回表には5番大山悠輔内野手(25)の13号ソロで1点差まで迫る。1点を追う9回表、左腕フランスアから併殺崩れの間に同点とした。

だが9回裏1死一、二塁、岩崎優投手(29)が8番上本の右中間適時二塁打を浴び、サヨナラ負けを喫した。

 

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『ぼくたちの洗脳社会』

2020年08月28日 21時49分12秒 | 社会・文化・政治・経済

岡田 斗司夫 (著)

内容(「BOOK」データベースより)

経済万能社会は、もはや終わった。時代は今、多様な価値観により支配しあう“自由洗脳競争社会”への転換期を迎えているのだ!新たな文化論の旗手としての若者の支持を得る著者が、洗脳力がもたらす変化と幸福を説く異色の現代社会論。
 

岡田 斗司夫(おかだ としお、1958年昭和33年〉7月1日 - )は、日本プロデューサーで、評論家文筆家実業家企画者・講演者でもある。

本名も同じ通称オタキング大阪府大阪市住吉区出身。離婚歴あり、独身

株式会社オタキング代表取締役、株式会社クラウドシティ代表取締役。FREEex設立者。株式会社ガイナックス元代表取締役社長(初代)、東京大学教養学部非常勤講師大阪芸術大学芸術学部キャラクター造形学科客員教授などを歴任した。

 
 
 
入院中に図書室から借りてざっと目をとおしたが、もっとじっくり読みたいと思い購入した。納得いくとけろ、疑問に思っていることをもっと時間をかけて丁寧に読んでみたい
 
 
この本が出てもう7年にもなる。そのころはまだピンとこなくて、「まあ未来はそんなとこかな」と思っていたけれど、今度読み返してみたら、グッと現実味を覚えたのでびっくりした。もちろん、ITやインターネットの普及が一番の原因だ。それと景気の悪化。いよいよ資本主義も行き詰まってきたのだ。
今の時代を読み解くカギとして、とくに若い人にお勧めしたい。
 
 
要約
・テクノロジーが社会を変え、社会が価値観を変える。
・自分を知る事は難しい。他人を分析した方が楽。
・過去の歴史から未来を知る。
・物質が不足すると精神社会に移行する。大量に資源を発見すると物質社会を邁進する。
・科学で解決するには限界が来た。科学が発達してもあまり幸せにならない時代がきた。(場合によっては不幸に)
・自由経済社会は疲れる。原因が全て自己責任になるから。

コメント
・確かに情報余り時代になり、自分に合ったものを当てはめるようになった。
・どんな価値観で動いているのか考える。お互いに前提条件は一致しているか?

ps
一言で言えば、ヤヴァイ本。
死ぬまでの間に5冊だけ本を選べと言われたら確実にその1冊に入る。
時代の目撃者になれるかも知れない。
 
 
 
確かにおもしろいのですが、納得できない部分も多少あります。

例えばP213の“労働時間の調整はますます進み、週休三日もそう遠い話ではないはずです。”という部分は正直来そうな気がしません。

それと、何度読んでも洗脳という言葉に違和感を感じてしまいます。

でも、その部分を差し引いても読む価値はあると思います。

最後に、この本はカバーをはずすと、岡田さんの文庫版あとがきが読めるようになっています。
 
 
本書の主張を要約すると、①技術の進化が社会の基本的な価値観(パラダイム)を変える(これを「パラダイムシフト」と呼ぶ)、②過去の大きなパラダイムシフトは農業革命と産業革命であり、現在進行形で起きているパラダイムシフトは情報革命である、③情報革命後の社会はマルチメディアの発達によって価値観が多様化し、その結果として洗脳活動(多くの人々の価値観をある一定方向へ向かわせようとする行為)が社会を動かす、の3つだと思います。

本書が出版されたのは1995年とやや古いので、筆者の主張を現代風に言い換えるなら「評価経済」という言葉が相応しいでしょう。「評価経済」とは貯金残高や車の保有といった経済的価値よりも、ツイッターのフォロー数やFacebookのイイネ!数といった互いの評価に重きを置く社会のことを指しており、SNS全盛期の現代においては確かに一理あると感じる部分がある一方で、まるで資本主義経済が評価経済に完全に置き換わるかのような論調なのはやや過激という印象も受けました。「評価経済」という言葉も一瞬話題になりましたが、やっぱそんなものマイノリティであって資本主義に代わるものじゃないよね、というのがコンセンサスだと思います。

また、「洗脳」という言葉も、インパクトはあるが誤解を生みやすい言葉なのでちょっと頂けないと感じました。筆者が使っている「洗脳」という言葉はつまり、「相手の価値観に影響を与える行動」のことです。評価経済社会においては価値観への影響度の重要性が高まるので筆者は「洗脳」というキャッチーな言葉を選んだのだろうけど、筆者の主張はつまり「インターネットの発達によりマスメディアの一方的な情報提供が終わり、マルチメディア(相互に情報発信できるツール)を使った、価値観に重きを置くコミュニケーションが活発になる」という至極当たり前のことです。1995年に出版されたことを考慮すればそれなりの先見性はあったのかもしれませんが、既にインターネットがある程度発達していた時代ではあったので、それほど突拍子もないことではなかったのではないでしょうか。

一方で、様々な事象を価値観の変化によって説明しようとする試みは面白いと感じました。例えば筆者は、「科学を使って私たちが幸福になることが限界まできた」、「今の若者は科学には何も期待していない」、「科学的な正しさで物事を判断すること自体をあきらめざるを得ない現状」という表現を使っていますが、これは現代の若者として非常に同意する点です。もう少し自分の言葉で補足すると、「科学は既に人間の生活を充分に高いレベルまで引き上げており、科学の発展はもはや自分たちの身の回りの生活に関係のない方向に進んでいるため、そこに対して興味を示さない」とも言えます。このあたりも、少し前の世代の人たちとは価値観を共有できないポイントかもしれません。

もう一つ面白いなと思ったのは、「現代の若者は自分の意見を持たない」というよくある指摘に対する反論です。これについて筆者は、現代の若者が自分の意見を持たないように見えるのは、彼らが多様な価値観と併存しており、一人で複数の価値観を使い分けることによる矛盾を許容した結果、確固たる信念を形成しにくいためだと説明しています。そして、このような価値観を共有しない人たちの間で理解しあうことの難しさを示す例として、「中世の人々から見れば、他人が作った服を着、他人が育てた野菜を食べ、他人が殺した肉を食べ、他人が建てた家に住む近代の人々は、自分のことが自分でできない、いつまでたっても大人になれない怠惰な人たちでしかないでしょう」と述べています。つまり、別に世代が変わったことで人間が怠惰になったとか劣ったとかいう話ではなく、技術が変わり、価値観が変わっただけだが、それを理解するのは難しいという話ですね。

総合的にみると、やや「洗脳」という独自の観点に固執しすぎた論調ではありますが、面白い指摘も所々にあり、かつページ数も少なく読みやすいので、暇な時にサクッと流し読みするには良いのではないでしょうか。
 
 
実に論理的で美しい構成で書かれた本である。岡田さんの最初の本ということで、そうした理想をかたちにしたものだったんだろうなと思う。10年前に書かれた本であり、内容は今となっては当たり前に思えるが、逆に10年前に、現在の事態をよく予想しているともいえる。
 <洗脳社会>という言葉について言えば、すでに言われていた理論で十分表現可能なことだろうとは思う。<洗脳社会>という言葉が流通しなかったのも、一つにはそうした理由によるだろう。
 ひとつ重要な点で、これは違うのではないか、という点があるとすれば、人間関係が浅く広くなる、という予測だろうか。僕自身が行った小規模な調査によれば、携帯電話の普及により、大学生の人間関係はより保守的に、狭く深くなっていた。メディアが発達したところで、人はそんなに器用にたくさんの人間とつながる代わりに、より居心地のよい人間関係に自足する、ということなのだろう。もっとも「友達」をどう定義するかによっては、浅く広くなっている側面もないわけではないが、特に人間関係を通して得られる質的なものを見れば、岡田さん自身が例に挙げているように、ネット上での人間関係についても、価値観が近いものとだけ付き合うものになりがちで、それは<浅く広く>という状況とは少し違うように思える。
 
 
 

カリスマはみな知っている「洗脳」の極意

2020年08月28日 21時46分56秒 | 事件・事故

2013/07/11 11:30

PRESIDENT 2012年10月1日号
西田 公昭

立正大学心理学部教授

日産を立て直したゴーンの“洗脳”力

心理学では身体的拘束をして物理的な力で価値観を変える行為を「洗脳」、暴力ではなく社会心理的な手法で人を誘導する行為を「マインドコントロール」(以下、便宜上“洗脳”と表現)と定義づけています。

どんな手口があるのでしょうか。

カルト教団や悪徳商法など“洗脳”者は「(1)理想描写→(2)理論提供→(3)現状把握→(4)目標設定→(5)支援表明」という手順の「型」を持ち、これを駆使します。

(1)は、ターゲットとなる人物に接触し、その人の「夢・理想の世界」を一緒に描いてやり、われわれと行動すればそれが実現できると訴えること。ターゲットが「そんなことが可能か」と懐疑的な場合は、すかさず(2)です。
こんな理論や法則がある、と裏付けを見せることで安心させ、「ならば、自分にもできるかもしれない」とモチベーションを上げさせる。しかし、ここで一度冷や水を浴びせます。これが(3)の現状把握です。「理想はココ、今のあなたはココです」と。
「やっぱりムリか」と落ち込んだとき、“洗脳”者側が繰り出すのが(4)の目標設定です。「小さな階段を上っていけば理想に到達できる」とロードマップを敷いてやるのです。そして、だめ押しの(5)。
「私が支援する」とその組織のボスが後ろ盾となることを表明するのです。元オウム真理教教祖の麻原彰晃死刑囚は、実は大変面倒見がよかったと多くの信者が証言しています。“洗脳”騒動の多くは、こうした手口を駆使する側が、ありもしない理想をあたかも存在するように語り相手を操ろうといった利己的な作為がある場合です。

ただ、先ほどの手順の「型」に罪はない。例えば、企業の上司に悪意がなく倫理観があれば、対部下操縦法として(1)~(5)の手順は大いに役立つでしょう。部下に寄り添い、近未来の「人生モデル」を描いてリアリティある体験談を語ってやる。客観的に現状把握をしたうえで「小さな階段」を上がる部下に並走してやる。いわば合法的に部下を“洗脳”には、(1)~(5)すべてが必要です。

その際、上司自身もそれらを遂行する力や部下に適切な助言ができる視野と懐の広さ、さらにインテリジェンスも求められます。


自民・石破氏「日本の政治に責任を負っている」 総裁選に意欲

2020年08月28日 21時29分47秒 | 社会・文化・政治・経済

2020.8.28 20:44 産経新聞
 
自民党の石破茂元幹事長は28日夜のフジテレビ番組で、安倍晋三首相の後継を選ぶ党総裁選への出馬に強い意欲を示した。

世論調査で自身の支持が高いことを挙げて「党員の期待がある以上、日本の政治に責任を負っている。浅学菲才で任に堪えられないと無責任なことはいえない」と語った。

 ライバルとされる岸田文雄政調会長に対しては「立派な人だ」と述べ、「岸田氏にしろ、私にしろ、他の人にしろ、『私ならば(国政を)こうする』と述べて、党員投票してもらい、(国民と)一緒にやろうよという思いを共有することが大事だ」と語った。

 安倍首相が持病の悪化を理由に辞任を表明したことについては「憲法改正や北方領土問題、拉致問題をやり遂げられなかった無念が伝わってきた。(野党時代に比べ)自民党が国民の信頼を得るに至ったことについては『ありがとうございました』ではないか」と述べ、安倍首相の体調を気遣った。


石破、岸田、野田、下村各氏が総裁選に意欲

2020年08月28日 21時19分26秒 | 社会・文化・政治・経済

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安倍晋三首相が28日に辞意を表明したことを受け、自民党の「ポスト安倍」と目される議員らから、首相の後継を選ぶ党総裁選への出馬に意欲を示す声が相次いだ。  

石破茂元幹事長は、国会内で記者団に「20人の推薦があれば、やらねばならない。そう遅くない時期に判断したい」と述べた。  

岸田文雄政調会長は、訪問先の新潟市内で、総裁選に立候補する意向を記者団に問われ、「変わりない」と語った。  

野田聖子元総務相も国会内で記者団に「考えは変わらない」と述べ、立候補する意向を改めて示した。  

首相の出身派閥の細田派に所属する下村博文選対委員長は「推薦人が20人いれば出られる。仲間と相談したい」と都内で記者団に語った。

 

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安倍首相が辞意表明 「職を辞することとした」 潰瘍性大腸炎が再発

2020年08月28日 21時17分16秒 | 社会・文化・政治・経済

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記者会見で辞意を表明する安倍晋三首相=首相官邸で2020年8月28日午後5時1分、竹内幹撮影

 安倍晋三首相は28日、首相官邸で記者会見し、「8月上旬に(持病の)潰瘍性大腸炎の再発が確認された。病気の治療を抱え、体力が万全でない中、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはならない。総理大臣の職を辞することとした」と述べ、辞意を表明した。

【佐藤慶】 【辞任を表明し頭を下げる安倍首相】

 

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医師の白衣が引っ掛かり車いすが転倒、頚椎損傷 那覇地裁が賠償命令「県立病院の配慮不十分」

2020年08月28日 12時00分02秒 | 事件・事故

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2012年7月、南風原町の県立南部医療センター・こども医療センターに研修医として勤務していた車いすの40代女性医師が、病院内で男性医師とすれ違った際に転倒し、頚(けい)髄損傷の後遺障害が悪化したとして男性医師や県に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、那覇地裁であった。
平山馨裁判長は原告側の請求を大筋認め、県などに約5200万円の支払いを命じた。  
判決によると女性は06年10月の交通事故で障がいを負い、車いすで生活するようになった。
その後、同病院に研修医として勤務。男性医師が通行中、前ボタンを留めずに着用していた白衣の一部が車いすに引っ掛かり、女性は右後方に転倒した。
女性は事故後、握力の低下など介護が必要なほど体の自由が利かなくなったという。  
平山裁判長は、男性医師が故意に車いすを倒そうとした可能性はないとした上で「車いす利用者が多い病院の医療従事者として、不慮の事故が発生することのないよう安全を確保する注意義務がある」などと過失を認定。県は使用者責任や安全配慮義務を負うとした。被告側は女性が自ら招いた事故などと主張したが退けられた。
 

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コロナ重症 238人 日本国内の感染者数(NHKまとめ)

2020年08月28日 11時27分24秒 | 事件・事故

(8月27日 23:59 時点)

  感染確認 重症 死亡 退院
日本国内 ※ 6万5769人
前日比 +865人
238人 1241人
前日比 +11人
5万2823人
うちチャーター機 14人
クルーズ船 712人 0人 13人 659人
  感染確認 重症 死亡 退院
合計 6万6481人
前日比 +865人
238人 1254人
前日比 +11人
5万3482人

※「前日比」は、午前0時時点の情報との比較です。表の右上に表示された時点までの集計分です。この表は随時更新しています。
※「日本国内」は、クルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス)の帰宅後の確認を含みます。
※ 自治体が過去の数値を修正することがあります。


コロナ対策「持続化給付金」詐欺容疑で3人逮捕 総額4億円か

2020年08月28日 11時23分15秒 | 事件・事故

新型コロナウイルスの影響で、売り上げが落ち込んだ事業者に国から支給される「持続化給付金」をめぐり、うその売り上げ台帳を提出して給付金をだまし取ったとして、名古屋市の男3人が逮捕されました。

3人はほかにもおよそ400人のうその申請を代わりに行うなどして、4億円をだまし取った疑いがあるということで、警察が実態解明を進めています。調べに対し2人は容疑を否認しているということです。

逮捕されたのは、いずれも名古屋市に住む、会社役員の守屋涼斗容疑者(26)と、会社役員、杉本雅彦容疑者(41)、自称、仲介業の藤井暉大容疑者(25)の3人です。

警察によりますと3人は、ことし5月、国の「持続化給付金」をめぐり、事業収入が大幅に減ったという、うその売り上げ台帳などを提出して、100万円をだまし取ったとして詐欺の疑いが持たれています。

調べに対し杉本容疑者は容疑を認め、ほかの2人は容疑を否認しているということです。

警察によりますと、3人は、ほかにも知人などを通じて申請者を募り、SNSでやり取りしたうえで、うその申請を代わりに行うなどして、振り込まれた金の一部を手数料として申請者から受け取っていたとみられるということです。

3人が関わったうその申請は、愛知県の20代から30代の学生や会社員などを中心に、およそ400人にのぼるとみられ、4億円の給付金をだまし取った疑いがあるということで、警察が実態解明を進めています。

「持続化給付金」とは

「持続化給付金」は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが大幅に減少した事業者を対象に、資金繰りを支援するもので、中小企業などは最大200万円、個人事業主には最大100万円が支給されます。

申請の受け付けは、ことし5月から始まり、窓口が混雑するのを避けて迅速に支給するため、原則、オンラインで受け付けています。

申請には、
▽ことしの台帳など、売り上げがわかる書類のほか、
▽振込先の金融機関の通帳の写しや、
▽運転免許証などの本人確認書類のデータを、送信するだけで手続きが完了し、認められれば2週間ほどで現金が口座に振り込まれます。

「不正受給を持ちかけられた」相談相次ぐ

持続化給付金をめぐっては「不正受給を持ちかけられた」という相談が、全国の消費生活センターに相次いで寄せられています。

愛知県県民生活課によりますと、県や県内の市町村の消費生活センターには、知人やSNSで知り合った人から「『新型コロナウイルスの影響で収入が減ったとして、事業者を装って申請すれば、手数料はかかるがお金がもらえる』などともちかけられたが、詐欺にあたるのではないか」といった相談が、ことし5月から25日までに17件あったということです。

愛知県県民生活課の寺澤清加課長補佐は「受給資格がないのに事業者を装って申請するのは、詐欺にあたる犯罪行為です。不審に思ったり、トラブルになったりした場合は、消費生活センターや警察にすぐに相談してください」と呼びかけています。

詐欺の手口は

警察によりますと今回の事件では、まず自称、仲介業の藤井容疑者がうその確定申告を行い、そのうえで杉本容疑者が去年よりも事業収入が大幅に減ったという、うその売り上げ台帳を作成して書類を提出し、給付金を申請した疑いがあるということです。

警察によりますと3人は、ほかにも知り合いを通じて申請者を募り、興味を持った人とSNSでや取りしたうえで、うその申請を代わりに行ったり、手口を指南したりして、振り込まれた給付金の一部を「手数料」として受け取っていたとみられています。

警察は「3人が申請を代行したり、指南したりしてくれる」という内容の口コミが広がって申請者が増え、SNSでつながっていったとみています。

申請者は愛知の20代から30代の学生や会社員などを中心に、東京や三重、長野などのおよそ400人にのぼるとみられ、警察は合わせておよそ4億円をだまし取ったとみて捜査を進めています。

専門家「今の時点で手を打つ必要」

租税法が専門で、給付行政にも詳しい中央大学法科大学院の酒井克彦教授は、今回の事件について「持続化給付金は、支給までのスピードが求められていて、審査に必要な手続きはできるだけ簡素にしている点が、通常の補助金などと異なり、かえって脱法行為を許してしまった」と指摘しました。

そして「新型コロナウイルスの収束が見通せない中で、同様の給付行政が行われるかもしれないことを考えると、初動にあたる、今の時点で手を打っておく必要がある。それには国税当局などと協力するなど、行政横断的な取り組みをすることも考えられる」と話しています。

「育てようと思わないほうがいい」藤井二冠の師匠・杉本八段に聞いた3つの「天才の育て方」

2020年08月28日 11時16分12秒 | 社会・文化・政治・経済

8/21(金) 21:31配信

20日の対局に勝ち、王位のタイトルを獲得した藤井聡太二冠。18歳1か月での二冠は、羽生善治九段の記録を28年ぶりに、八段昇格は「ひふみん」こと加藤一二三九段の記録を62年ぶりに更新と、歴代の天才たちの記録を塗り替えました。

 ここまでどのように成長してきたのか、藤井二冠にまつわる質問や疑問を街で集め、師匠の杉本昌隆八段に聞いてみました。

杉本八段:
「今までの歴史を振り返っても、将棋界でここまで強い棋士は出てこなかったですから、まさに異次元ですね」

今や日本で一番有名な師匠・杉本昌隆八段。軽妙なトークと鋭い分析で、本職以外にも活躍の場を広げています。今回は、杉本八段に聞いてみたい藤井二冠についての質問を街で集めてみると、やはり多かったのはこの質問。

女性:
「どのように天才を育られたのか?」

男性:
「どうしたら天才に育てられますか?」

長年、藤井二冠を見守ってきた杉本師匠が明かす「天才の育て方」とは。

杉本八段:
「基本は、やりたいことをやらせること。私の一門の場合は、あまりかっちりしていなくて、集まる設定はしますが、勉強時間も休憩時間も自主的に決めてやっていましたね」

天才の育て方・その壱「なんでも自主的に」。

杉本八段:
「得てして才能があったり、有望な少年を見た時に周りの大人が入れ込みすぎることが多い。少し頑張ればわかる問題集、手の届くところに目標を設定してあげるというのが継続しやすい。厳しさではなく楽しさを教えるほうが大事」

続いては天才の育て方・その弐。

杉本八段:
「いまは楽をする手段が発達しているじゃないですか、携帯電話、パソコン、ネットで検索すれば、わからないことは出てきますよね。それだと全く自分のためになっていない、聡太少年は毎回自分で考えている節があった」

その弐は、「楽をせずに、自分で考え抜かせる」。

杉本八段:
「選んだ手は本(定石本)に書いてあるのと全く変わらないんですけれども、やはり自分で考えて見つけ出すことに大きな意味があるので、本で読んで知ってることと、自分で結論付けたものは全く自分に残るものが違いますから、そういう意味でそのあたりの学び方は、今にして思えば理想的だったなと」

そして…。

杉本八段:
「育てようと思わないほうが良い」

「育てようと思わないほうが良い」、この言葉に隠された深い意味とは。杉本師匠がそれを悟ったのが8年前、藤井二冠を弟子にと母親にお願いされた際のエピソードです。

杉本八段:
「地元のコメダ珈琲に行きましてお願いされたんですね。聡太少年は4年生でしたから、クリームソーダを頼んでいた。それをつついて沈めようとしていて、お母さんが注意しようとしていた時に、私が言いますからと。『藤井君これはあふれちゃうよと。まずは下のソーダを飲むか、上のクリームを食べてから沈めたほうが良いよ』と指導した覚えがありまして、場の空気をやわらげたかったんですね」

すると藤井少年は…。

杉本八段:
「ニコリともしなかったのを覚えています。(Q.それが最初の指導?)おそらくこの子はあまり指導することは多くないだろうとその時は思いましたし、草とか花とか光のある方に伸びますよね。もともと伸びたい方があってその光を遮らない方が大事なんじゃないかと思うんですね」

天才の育て方、その参は「なんでものびのびとやらせる」ことでした。

続いての質問は…。

女性:
「藤井棋聖は完璧に見えますが、抜けていることはありますか?」

杉本八段:
「将棋盤を離れた時は、結構うっかり屋さんだと思うんですね」

将棋界での伝説を作り続ける藤井二冠、私生活では、こんな「うっかりエピソード」が。

杉本八段:
「私のうちに来て、研究会で帰り際に全部忘れて帰ろうとして、カバン忘れているし、これ忘れているし。林間学校の時も持って行ったものを全部忘れたと、網棚に置いておいて全部忘れたみたいな」

さらに、今や藤井二冠の活躍のおかげで日常生活でも耳にするようになった「長考」という言葉。この長考については…。

杉本八段:
「すごく長考するタイプだから、考えて考えた末にケーキを注文して運悪く品切れで、店員さんに申し訳ありませんと言われて、またうーんと考えて…」

藤井二冠が選んだ一手は?

杉本八段:
「だいぶたってからもう1回注文するんですけれど、さっき品切れと言われたケーキをまた頼んで、店員さんも、申し訳ありません、この品は…。と言われて、いやさっきないと言われたじゃないと。心の中で思ったんですけれど…」

もはや、うっかりを通り越しているようにも思えますが。

杉本八段:
「これはアンテナがそっちに向いてないから、将棋の方に全部振っていると思うんですね」

今やその、一挙一動が話題になる藤井二冠。

杉本八段:
「彼はこうやっていろんな記録を作りあげて、少しでも日本の方が喜んで頂ければ、私たち棋士もすごくうれしい」

東海テレビ

 

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NYでコロナに感染した世界的日本人医師からの警告

2020年08月28日 11時10分03秒 | 医科・歯科・介護


8/28(金) 6:01配信

JBpress

コロンビア大学医学部外科教授の加藤友朗氏

 連載「実録・新型コロナウイルス集中治療の現場から」の第14回。

感染を抑え込んだニューヨークと第二波を招いてしまった日本。その違いを生んだものとは?  

讃井將満医師と加藤友朗教授の特別対談第一弾。

 「事実を正確・客観的にとらえ、理性的に判断・行動すること」

 新型コロナウイルス感染症をめぐって報道がともすれば正確さを欠き、あるいは感情的になる中で、讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)は本連載でつねにその大切さを訴えてきました。そのために、集中治療の専門家として医療現場で起こっている事実を記し続けてきました。

讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)

 同じように、世論が不安や不満から感情的になっていることを危惧する医師がいます。コロンビア大学の加藤友朗教授です。

 「いま日本は、コロナの恐ろしさを心配して政府の政策を批判する意見と、コロナの恐ろしさが過大に誇張されているとして報道の仕方を批判する意見に、極端に二分されている。そんな中、専門家はどちらの意見にもきちんと向き合って説明をする必要がある」

 今回、加藤教授を迎えて意見を交換します(ヒューモニー編集部)。

 加藤友朗(かとう・ともあき)
 コロンビア大学医学部外科教授。東京都生まれ。東京大学薬学部、大阪大学医学部を卒業後、1995年渡米。生体外腫瘍切除、多臓器移植、小児および成人の肝臓移植、肝胆道外科における世界的第一人者。

 讃井 加藤先生はご自身も新型コロナ感染症に感染してECMOに乗るほど重症化したそうですが、いま体調はいかがですか? 

加藤 ようやく体力が戻って普通の生活が送れるようになってきたところです。いまは1日に3km程度歩き、週に3回は1kmぐらいジョギングできるようになりました(※ 加藤教授はランニングが趣味で、ニューヨークマラソンを過去7回完走しています)。

今月中には手術も始めようかと思っています。 

讃井 後遺症(ICU後症候群:Post-ICU Syndrome、PICS)を心配していたので、安心しました。ICUでの闘病やPICSの体験談は、われわれICUスタッフにとってはきわめて貴重ですから、別の機会に詳しくお聞かせ下さい。

 加藤 讃井先生は重症患者をたくさん診ているからよくわかっていると思いますが、あんなに急に重症化するとは思いませんでした。まだ新型コロナ感染症がどういったものかわかっていなかった時期ではありますが、私自身感染するまでは甘く見ていたところもありました。経験してみて初めてわかる怖さがあります。

 知人、友人、家族が感染し、場合によっては亡くなってしまった──ニューヨークのような悲惨な感染爆発を経験すると、新型コロナ感染症に対して誰もが慎重になるし、行政の厳しい対応を許容するようになります。逆に、日本のように感染をうまく抑えた国では新型コロナ感染症の本当の恐ろしさを理解するのは難しいかもしれません。いまは身に染みて怖さがわかりますが、もし私が日本にいてニューヨークのようなパンデミックを経験していなければ、おそらく全く違った見方をしていたでしょう。

 讃井 日本は甘く見ている? 

 加藤 そうですね。ニューヨークから見るとそんな気がします。その背景には、やはり3月から4月の第一波でうまく抑え込めたことがあると思います。

 讃井 抑え込めたといっても、実際の医療現場はぎりぎりでした(第2回参照)。それでも結果的に医療崩壊にいたらなかったのは、医療アクセスの良さ、マスクをする習慣、日ごろからの衛生意識の高さ、さらに血栓のできにくさ(アジア人は欧米人より血が固まりにくいとされる。それが新型コロナ感染症の重症化をおさえている可能性がある)など、さまざまな因子が作用したと考えられます。

加藤 「3密」というわかりやすい標語も功を奏したと思います。アメリカでもそれを真似て、「Avoid the 3Cs(Closed spaces、Crowded places、Contact settingsの3密回避)」キャンペーンを始めました。

 いずれにしろ日本が抑え込んだのは素晴らしいことです。対してニューヨークは感染の封じ込めに失敗して感染爆発を起こしてしまいました。

 その原因はいくつも考えられて・・・たとえば、マスクをする習慣がないこと。また、ニューヨークの人は東京と同じで電車で通勤するので満員電車もあります。そして、ニューヨークはヨーロッパからの観光客が多いのですが、最初に武漢で発生したため、中国からの入国者ばかりをマークしていて、ヨーロッパからの人の流れに対してノーマークだったこと。経済的格差も感染を広げた要因でしょう。事実として感染のエピセンターは経済的な貧困地区と重なっています。狭い家に大家族で住んでいるので家庭内感染が起こりますし、医療保険に加入していないため病院に行くのが遅れるといったことがあったわけです。そういった中、一気に火が燃え広がり消せなくなってしまいました。

 ところがそのニューヨークが、経済活動再開後もいまの所は感染を抑え込んでいます。逆に日本はふたたび感染が拡大している。ただ、日本の感染者は拡大したと言っても、ようやく収束したニューヨークの数と同じぐらいなのですが、意識の違いを生んだのは、新型コロナ感染症の怖さを身に染みて感じているか否かだと思うんです。

 ご存じの通り、アメリカでもフロリダやテキサスでは感染が拡大しています。その原因ははっきりしていて、経済再開を急いでしまったからです。ニューヨークが感染爆発を起こしていた頃、フロリダやテキサスでは感染者はあまり多くありませんでした。本当の意味での怖さを経験していなかったんですね。それで、「ロックダウンもステイホームもやり過ぎだ!」「行政やマスコミが恐怖を煽ったせいで経済が滅茶苦茶になった。どうしてくれるんだ!」といった声が大きくなり、規制の基準をどんどん緩めていきました。その結果、感染が爆発しているんです。

 まだまだ感染の規模は全然違いますが、いま日本で言われていることはちょっとフロリダやテキサスに似ていませんか? 

 讃井 たしかに、加藤先生の指摘は当たっているかもしれません。ただ、現在の感染拡大について現場の印象としては、第一波と明らかに異なるわけです。感染が拡大し、重症患者も増えているけれど、第一波に比べて重症患者の増え方はかなりゆっくりしています(第13回参照)。

 高齢者への感染防止対策が向上したこと、PCR検査の能力が上がって「早い入院」ができるようになったこと、重症化を防ぐ効果が期待できる薬を、「早い入院」によって早期投与できるようになったこと・・・医療体制・検査体制・治療法・医療従事者の経験などさまざまな面での進歩によって重症患者の増加を抑えられているのではないかと私は考えています。ですから、医療供給体制は4月に比べてまだまだ余裕があります。

 もちろん、医療供給体制と感染予防対策は別次元の問題です。医療が逼迫していないからといって、感染予防対策をしなくていいという理屈は成り立ちません。しかし、新型コロナ感染症を完璧に封じ込むために緊急事態宣言のような厳しい制限をずっと続けられるかというと、経済の面から難しいのではないか。「社会の標準予防策(3密回避、手洗い、マスク 第12回参照)」を続けながら経済を回してゆくという日本なりのスタイルを進めていくしかないのでは思っています。

 加藤 そこを丁寧に説明するのは行政の仕事であり、専門家の仕事だと思います。その説明が十分でないから、極端に恐怖を感じる人と、恐怖を過剰に語られたせいでこんなことになったじゃないかという人に分断されてしまったのではないでしょうか。要するに、安心を与えられていないんです。

 讃井 たしかにそうかもしれません。私は常々、「“理性的”コロナ心配性になりましょう」と言っているのですが、伝える難しさを感じています。

 加藤 讃井先生の話を伺ってもうひとつ言えるのは、やはり本当の意味でのバンデミックを経験した人間と経験してない人間には感覚的な違いがあるということです。日本の第一波も大変だったと思いますが、ニューヨークが経験したのはそれとは比にならない地獄です。霊安室が足りなくて、病院の前に列をなす冷蔵車に袋に包まれた遺体がどんどん運び込まれていくという状況を生で経験したニューヨーカーからすると、せっかく日本は第一波をほぼ抑え込んだのになぜ、と感じてしまいます。なぜ、そんなに経済再開を急いだのか、もっと慎重に進めるべきではなかったかと思うのです。

 「ニューヨークは徹底した検査で感染拡大を抑え込んだ。ニューヨークを見習え」日本ではそういう報道がされているようですが、これは間違いです。

 ニューヨークが感染拡大を抑え込んだのは、厳格なロックダウンと自宅待機です。そして、ニューヨーカーが厳格な規制を受け入れ、それを守ったのは、彼らが新型コロナ感染症の本当の怖さを知っているからです。

 ですから、経済活動の再開にも慎重です。現在も、レストランやバーでの店内飲食は禁じられています。許されているのはテラス席での飲食のみです。ニューヨークにとって観光やエンターテインメントは巨大産業ですが、ブロードウェイは年内の公演をすべて中止すると決定しました。それにともなってスタッフの大量解雇が行われました。タイムズスクエアのホテルはいまもすべて閉まっています。

 それと比べて日本はどうでしょうか? 

 ニューヨークでも経済は大きく落ち込み、倒産、廃業、解雇は深刻なレベルです。それでも、慎重な経済再開にあまり怒る人がいないのは、ニューヨーカーがそれ以上に悲惨な経験をしているため納得しているということが関係していると思います。

 讃井 ニューヨークで厳格なロックダウンが成功したのは強制力があるからだ、とも言われていますが、実際のところはどうだったのですか? 

 加藤 違反した場合は罰則があります。ロックダウンだけでなく、隔離に関しても非常に厳しいです。濃厚接触者はたとえPCR検査が陰性でも無条件で14日間自宅隔離とされています。

 讃井 日本では規制や隔離に強制力が無いので、ニューヨークのように徹底できないという面もあります。軽症患者や無症状感染者が宿泊療養するホテルが拡充されて受け入れ体制としては充分なんですけど、「私はホテルに入りません」と拒否されてしまうと、それ以上はプッシュできないのです。その人たちが自宅でどれぐらい厳格な感染対策を行っているかモニタリングは難しいでしょうし、そもそもPCR検査が陽性になった段階で音信不通になる人もいると聞いています。その点でも、ニューヨークのほうが対策がしっかりしていたわけですね。

 加藤 ニューヨークでは日本のように強制力がない規制ではもともと誰も守らないという問題があったと思いますが、そうやって厳しく人と人との接触を制限して新規陽性者数を減らしていきました。その後、ゆっくり慎重に経済活動を再開してきているわけですが、そのために一番重要になるのが安全の担保です。一般の人からすると、どこに行ったってそんな簡単にコロナウイルスに遭う可能性はないんだという安全が担保されれば、どんどん街に出ていこうと思うじゃないですか。

 そして、ニューヨークでこの安全の担保に用いられたのがPCR検査の拡充です。

 以下、第15回に続く。
(8月1日対談 構成・文/鍋田吉郎)

 ※ここに記す内容は所属病院・学会と離れ、讃井教授・加藤教授個人の見解であることをご承知おきください(ヒューモニー編集部)。

 ◎讃井 將満(さぬい・まさみつ)
自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長・ 麻酔科科長・集中治療部部長
集中治療専門医、麻酔科指導医。1993年旭川医科大学卒業。麻生飯塚病院で初期研修の後、マイアミ大学麻酔科レジデント・フェローを経て、2013年自治医科大学附属さいたま医療センター集中治療部教授。2017年より現職。臨床専門分野はARDS(急性呼吸促迫症候群)、人工呼吸。研究テーマはtele-ICU(遠隔ICU)、せん妄、急性期における睡眠など。関連学会で数多くの要職を務め、海外にも様々なチャンネルを持つ。

 ◎鍋田 吉郎(なべた・よしお)
ライター・漫画原作者。1987年東京大学法学部卒。日本債券信用銀行入行。退行後、フリーランス・ライターとして雑誌への寄稿、単行本の執筆・構成編集、漫画原作に携わる。取材・執筆分野は、政治、経済、ビジネス、法律、社会問題からアウトドア、芸能、スポーツ、文化まで広範囲にわたる。地方創生のアドバイザー、奨学金財団の選考委員も務める。主な著書・漫画原作は『稲盛和夫「仕事は楽しく」』(小学館)、『コンデ・コマ』(小学館ヤングサンデー全17巻)、『現在官僚系もふ』(小学館ビックコミックスピリッツ全8巻)、『学習まんが 日本の歴史』(集英社)など。

ヒューモニー

 

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最終更新:
JBpress

南米で遭遇した「人生最悪の事件」、その後に得られた「宝物」の中身

2020年08月28日 10時21分28秒 | 社会・文化・政治・経済

8/28(金) 8:01配信

現代ビジネス

ベストセラーエッセイ『ブラを捨て旅に出よう』の著者で、旅作家の歩りえこさんによるFRaU web連載「世界94カ国で出会った男たち」(毎月2回更新)では、世界一周旅行中に出会った男性とのエピソードをお届けしています。

死ぬかと思った…強盗事件に遭ったエリア、こんなに警官もいるのに…

 連載15話では、アルゼンチンのブエノスアイレスを観光中に、突然訪れた「死」を感じた瞬間について綴っています。

最悪な体験をしたことで、これまで当たり前だと思っていたことに「ありがたみ」を感じ、「幸せ」とは何かを初めて知ることができたと歩さんは言います。

妙な安心感と自信が植え付けられていた

アルゼンチン・ブエノスアイレスの観光地であるボカ地区。写真提供/歩りえこ

 人は死に直面した瞬間、どんなことを考えるのか? 
 病死なら事前に死を意識するので色々人生について振り返って考える時間があるかもしれない。人生が終わりに近づいていると悟った場合「もっと自分らしく自由に生きたかった」と思う人も多いだろう。健康と若さはそんなことを全く見えなくさせ、「いつでも何でもできる」と思いながら生きているうちに……たくさんの夢を半分も果たさないまま時間だけがあっという間に過ぎ去っていく。

 自分の人生が長くは続かないと知った瞬間にできることは、とても少ないと思う。まして事故死や事件死の場合は「あの時こうすれば良かった」と考える暇などまるでない。死の危機を察知した瞬間にお花畑が見えるという人もいれば、走馬灯のようにこれまでの人生が断片的にフラッシュバックすると言う人もいる。

 そそっかしい性格ゆえに何度か大型トラックにひかれかけたことがあるくらいで、健康と若さが絶頂だった私は【死】を間近に感じたことなどまるでなかった。

 世界一周中、25歳の私は2年間続いた長旅もあと3週間ほどで終わろうとしていた頃、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにいた。

南米大陸のバス移動は想像以上に長く、お金があるなら飛行機で移動したいところだが、日々節約を心がける貧乏旅ではそうもいかない。

24時間以上バスに乗り続ける日が続くとさすがにお尻だけでなく体力気力も疲労困憊だ。

 2年間の道中で引ったくりやスリなどは日常茶飯で、集団痴漢など何度も危機に直面したものの激しく危害を加えられるような目には一度も遭っていなかった。

このことが妙な安心感と自信を植え付けてしまい、真昼間の観光地で人が沢山いるところならそうそうトラブルは起きないだろうという感覚が体に染みついてしまっていた。

 この日もそうだ。
警官が10m間隔で立っている地区なのに

警察官が立つブエノスアイレスの街並み。写真提供/歩りえこ

 ブエノスアイレスの観光地を昼間歩きながら写真を撮っていると、サッカーのユニフォームを着た少年たちが近づいてきた。

 小学生高学年位だろうか? とても人懐っこくニコニコ笑っているのだが、何だかゾワゾワと薄気味悪い雰囲気がした。いわゆる子供の無邪気な屈託のない笑顔と違い、何か裏を感じる不気味な笑顔だったからだ。瞬時にこの子たちに関わってはいけないと思い、逃げるようにその場を離れた。

 辺りを見回すと観光客も沢山いるし、警官が10m間隔で立っている。これだけ警官が立っていれば安全だよね? 有名なサッカースタジアムだけチラッと見て帰ろう……。

 スタジアムへ行こうと細めの路地に入った瞬間……私の身体は宙に浮いていた。

 首が苦しい……息が出来ない! 全く状況が掴めないまま、息ができず気を失いかけていた。なんとか力を振り絞って首をぐるっと後ろに向けると……190cm以上はあろう大男が鬼の形相で私の首を絞め上げていた。

 え? わたし死んじゃうの……? 【死】というものをこれまで深く考えたこともなく、ただ漠然と……当たり前のように長く生きて、社会に出てから結婚して家庭を作るものだと思っていた。まだ人生で何にも達成できてないのに……こんな地球の裏側で見知らぬ大男に首を絞められて死んじゃうの? 
 バッグには小銭程度のお金しか入ってない。こんな小銭のために私は死んでしまうの? 首を絞められている間、まるで時が止まったかのように時間が長く感じられた。

 ずっと当たり前だった【生】に初めて固執した瞬間だった。

 今日に限ってクソダサいパンツだし、子供だって産みたいし、やりたいことが山ほどあるのに一つもできていない……。

体も喉も硬直してHELPも言えない

この写真を撮影した5分後、首絞め強盗に…。写真提供/歩りえこ

 意識が朦朧としながらも【生】に固執した私は、思わず犯人にヘナヘナ猫パンチで反撃した。反撃したら死ぬリスクが高まるのに腕がとっさに動いて殴ってしまったのだ。

 すると犯人は応戦されたことに腹を立て、本気で殴りかかってきた。私は地面に叩きつけられ、身体中ボコボコになるまで殴られ、蹴られ続けた。ダメだ……殺される! 

 持ち物全部差し出すから命だけはどうにか助けてほしい……。腕に絡みついているバッグを何とか差し出そうと必死になっていたが、身体が硬直して全く言うことを聞いてくれない。頭ではバッグを渡さなきゃと分かっているのに身体が全く動かないのだ。喉も硬直してHELPすら言葉にならない。

 10mおきに立っている警官たちや観光客も皆こちらを心配そうに見ているが、誰も近づこうとせずただ静観していた。誰かが今動けば犯人が逆上し、ナイフか銃を取り出してさらに悪い方向に向かうのは暗黙の了解という雰囲気だ。

 犯人も私のバッグを腕からもぎ取ろうと必死だが、完全に硬直している腕は頑なに動いてはくれなかった。身体のどこからか血がドクドクと流血しているが、どこが痛いのかも分からず……身体中が熱い。

 犯人は諦めてバッグから安物のビデオカメラだけを抜き取ると、一目散に逃走し、遠くまで見えなくなったのを確認してから警官たちが数人駆け寄ってきた。万が一の銃撃戦を避けてなのか誰一人犯人を追いかける者はいない。

 私はその後も硬直したままで全く立つことが出来ず、全身打撲と血だらけになったまま倒れ込んでしまった。

家に帰りたい…母に会いたい…

この時は強盗に遭うなんて想像もしなかった…ボカ地区でタンゴを踊る。写真提供/歩りえこ

 喋ることもできないまま警官に「病院に行くかい?」と英語で聞かれ、頭をかすかに横へと振った。日本と違い、海外の救急車や医療費は高額で幾ら請求されるか見当もつかない。

 暫くすると筋骨隆々な警察官にパトカーに乗せられ、最低限の応急手当を受けた後、喋れるようになるまで警察のソファに横たわっていた。身体の硬直は収まらず、涙だけが延々と流れ続けている……。

 警察署に着いて2時間ほど経ってからやっと口を開いた。

 「母に電話したい」

 緊急用に携帯は持っていたが国際料金がかかるので2年間日本へかけたことなどなかった。実家に電話をかけると、すぐ母が電話に出た。

 「もしもし?」

 聞きなれた母の懐かしい声に激しく嗚咽を漏らして泣きあえいだ。母は何も言わずとも事態を察知し、同じように嗚咽を漏らして受話器の向こうで泣き続けた。

 「落ち着いたら状況をメールして」

 まともに返事もできないまま電話を切り、久しぶりの母との会話は終了した。

 家に帰りたい……母に会いたい……。

 私は13~18歳位まで長く反抗期だった。ずっと家にいてテレビを見ることと食材の買物しかしない、外の世界に全く触れようともしない母親の内向きな性格が大嫌いだったからだ。やりたいと思ったことは根こそぎ反対され、志望校すら却下され、両親が行けと言った進学校に嫌々進学した。

 母親と喋ると必ず口論になるのでやがて会話をしなくなり、外の世界に逃げるように居場所を求め、高校生になると家出を繰り返していた。勉強も一切しなくなり、街を徘徊し、彼氏の家に入り浸りになっていた。

 何をしたら良いか分からず、何に対して頑張ったらいいか分からない、将来の希望も夢もなくどこにも居場所がないと感じる日々。若さという無敵な武器があるのに、何のために生きているのかすら理解できずにエネルギーだけを持て余していた。

 反抗期が過ぎても母と話す機会は多くなく、家では睡眠を取りお風呂に入るためだけに帰る状態が続いていた。それなのに、真っ先に声を聞きたいと思ったのは彼氏でもなく……母だったのだ。

 猛烈に母に会いたい。日本へ帰りたいとこれほど願ったことはない。

悪夢がつきまとうこの街から早く出たい

ブラジルの大衆食堂。写真提供/歩りえこ

 強盗に強く絞められ過ぎて、固形物はおろか飲み物すら飲むことが困難な状態だった。空腹で死にそう……。お金があれば点滴を受けたいが、帰国するまでは節約を徹底しなければならない。

 昼に起きた恐怖がフラッシュバックしてしまい、眠ることもできず「誰かが首を絞めに来るんじゃないか……」そんな恐怖心が朝まで続き、貴重品を握りしめたまま宿のベッド脇に体育座りしたまま朝を迎えた。

 この国から……この街から一刻も早く出たい。今すぐ母に会いたい。でもここは日本の真裏だ。今すぐ会えないのなら、誰でもいいから日本人に会いたい。何でもいいから日本語を喋りたい……。

 私は体力気力を振り絞ってブエノスアイレスからブラジルのサンパウロへと向かった。この街にいる限り忌々しい悪夢がつきまとい眠ることができないだろう。どこでもいいから事件現場から離れたかった。

 サンパウロにはリベルタージという日本人街があり、そこへ行けば日系人がたくさんいるし、日本語が通じる病院もあるかもしれない。フラフラになりながらサンパウロになんとか着くと日本人宿へとチェックインし、気力を振り絞って日本人街へと繰り出した。

 ……日本人に会いたい! 目を血走らせながら探していると、正面から日本人らしい切れ長の目をした青年が歩いて来るのが見えた。私は小走りで走っていき「日本人ですか?」と声をかけた。その青年が一つ年上の26歳の東大大学院生、タカオ君(仮名)だった。

 私の青アザだらけの顔を見て一目でただ事ではないことを察知したタカオ君。日本人街にある病院をすぐ探してくれたが、日本語が話せる医師が来るのは2週間後で医療費が支払えるかの不安もあった。旅の終わり直前で旅行資金も尽きかけていたこともあり、病院に行くことは断念し、首の痛みや全身打撲は自然治癒に任せ、精神的にできるだけ早く回復しようと努めることにした。

最悪な出来事の後には良いこともある

すっかり回復し、コパカバーナビーチでジャンプ。写真提供/歩りえこ

 喉の痛みが日を追うごとに取れていくにつれ、飲み物だけでなく何でもいいから日本のモノが食べたくなった。日本人街では納豆や大福などが手軽に日本食スーパーで買うことができ、このエリア内は日系人や中国人など移民で溢れかえっていた。日本の真裏にいながらまるで日本に帰ってきたかのような安心感がある。

 一人になるのが怖くて、タカオ君にへばりついて毎日を過ごした。ブラジル移民の研究をしているタカオ君は神様みたいに優しい人物で私を煙たがらずに、毎日ただ優しく微笑みながら一緒にいてくれ、ブラジル文化も色々教えてくれた。

 最悪な出来事の後には思いがけず良いことがあるものだ。こんな優しい男性に出会えたし、25歳で突然死なずに人生がまだ続いていくんだから。生きてさえいれば何だってできる。

 これまで育ててくれた親に恩返しもできず無茶ばかりしてきたけど、帰国したら打ち込めてやりがいある仕事を探そう。やりたいことは誰に何を言われてもやり尽くして、いつか子供を2人産み、死を迎える時に絶対後悔しない人生を送ろう……。

 やがて、首の痛みやアザも徐々に治癒し、最後にブラジル観光をして帰国することになった。タカオ君は終始優しく、毎日一緒にいたことでほんのり恋愛感情も芽生えていたが、彼は論文執筆のためにまだまだブラジルで研究生活をしなければならない身。

 私は日本へと帰国し、数カ月経った頃にタカオ君も一時帰国した。

神様がくれたプレゼントかもしれない

そこからやりがいのある仕事をしようと決めた私は『ブラを捨て旅に出よう』という書籍の出版を目指して原稿を書き始めるようになり、タカオ君は相変わらず論文執筆をする日々。

 私たちは何となく毎日待ち合わせをしては執筆作業をカフェで一緒にすることが多くなった。特に男女として何もないけれど、なぜか一緒にいるという不思議な関係性だ。タカオ君はブラジルで出会った頃と同じようにいつ会っても神様のような笑顔で私に接してくれる、大切な友人になった。

 そこからタカオ君は研究のために再度ブラジルへと渡り、お互い彼氏彼女ができたりと疎遠になった時期もあったが、13年経った今でもタカオ君の家へたまに遊びにいったりと友人関係がずっと続いている。

 殆どの男性が女性に優しくしてくれるのには下心があるからだとずっと思ってきた。だけど、タカオ君は違う。私が大きな悩みを抱えている時、人生の岐路に立たされている時、いつでも丁寧に相談に乗ってくれ、私がダメな恋愛にハマってしまった時は「こんな人と付き合っちゃダメだよ」と、いつもやんわり諭してくれた。

 知り合ってからずっと嫌なところがひとつも見当たらないどころか、いつでもどんな時でも柔らかいほほ笑みを絶やさない。その笑顔があまりに神々しくて、いつお家に遊びに行っても完璧なくらいに片付いていて……生き方も何もかも汚れがなく、こんな人に恋愛感情は持ってはいけないと思わせられるほど清らかな存在だ。

 タカオ君との友情がいつまで続くかは分からないが、人生最悪の【首絞め強盗事件】の直後に神様がくれた「友情」という名のプレゼントなんじゃないかと本当に思っている。

 これまで「幸せ」って何か全く分からずに生きていたけれど、幸せとは正反対の最悪な体験をしたことで、いとも簡単に「幸せ」を理解することが初めて出来た。

 固形物や飲み物が当たり前のように飲みこめるのがいかに幸せなのか、この体験がなければ一生知ることが出来なかっただろう。財布を持っていても安心して歩くことができる日本に生まれたことにも有難みを一生感じることはなかったかもしれない。

 そう考えると人生において最悪な出来事も決して不幸ではなく、平和ボケしている時に「もっと真剣に生きろ」と必然的に起きているのかもしれない。

 でも、首絞め強盗は二度とごめんだ。13年経った今でも背後恐怖症は治らず、必ず店の角席に座り、夜道は5秒おきに後ろを振り返る生活を送っている。

 ▼『ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の“世界一周”旅行記』

 費用はたったの150万円という、想像を絶する貧乏旅をしながら、2年間をかけてほぼ世界一周、5大陸90カ国を巡った著者。そのなかから特に思い出深い21カ国を振り返り、襲われたり、盗まれたり、ストーカーをされたり……危険だらけの旅のなかで出会った人情と笑いとロマンスのエピソードを収録。(講談社文庫)

歩 りえこ(旅作家・女優)

 

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