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なぜ 東京都民は再び小池を選んだのか

2020年08月01日 11時53分13秒 | 社会・文化・政治・経済

女性活躍の環境整備や行財政改革などの成果を強調

東京大改革2・0。これまで進めてきた改革をさらに進めていく意味で、今回の出馬の決意を新たにした」。

フラッシュを浴びながら、小池氏はボードを掲げるおなじみのスタイルで、晴れやかに訴えた。女性活躍の環境整備や行財政改革などの成果を強調。今後も新型コロナ対策に取り組むとし、「都民の命を守ると同時に、経済をよみがえらせ『稼ぐ』東京を実現する」と力を込めた。
一方、前回知事選の公約で大半が未達成の「七つのゼロ」への自己採点を問われると、「都民に採点いただくもの」とかわし、実現していない「スギ花粉ゼロ」への質問には「揶揄(やゆ)する質問かと思う」
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2020年7月8日 NHK特集記事

積極的な理由から消極的な理由まで選択肢は9つ。最も多かったのは

▼「他の人より良さそうだから」の25%。
次いで
▼「新型コロナウイルス対策を支持するから」の23%、
▼「実行力があるから」が22%と続く。
▼「実績が十分だから」は11%、
▼「新型コロナウイルス対策や東京オリンピック・パラリンピックに関する政策以外を支持するから」は2%にとどまった。
新型コロナへの対策が好評と受け止められたようだ。

小池知事の新型コロナ対応 評価は?

実際、新型コロナをめぐる小池の対応の評価はほかの政治家と比べても高い。
今回は都民のみが対象の調査ではあるが、あえて、東京・神奈川・埼玉・千葉の各都県の知事、今回の対応で全国的に注目された大阪・北海道の知事、そして安倍総理大臣の、あわせて7人の新型コロナへの対応をそれぞれ評価してもらった。
すると、「評価する」(とても+ある程度)の割合のトップは大阪府の吉村知事だった。小池はこれに続く2番目で、神奈川・埼玉・千葉の各知事や安倍を大きく上回った。
都知事選挙が迫る中で、日本、そして東京を襲った新型コロナ。その対応に対する都民の見方が知事の評価に大きく影響した可能性も見えてきた。小池への評価が新型コロナへの一連の対応で変わったかどうかを尋ねたところ、「変わらない」(49%)が最も多くなった一方で、3分の1余りに当たる35%の人が「評価が上がった」と答えたのだ。
新型コロナ対応で増した小池の存在感、さらには評価の高まりが都知事選挙での大量得票を後押しした可能性がある。

新型コロナ対応 評価の理由は発信力!?

では、具体的にどの部分が評価されたのだろうか。都が実施した新型コロナの対応について、6つの項目をそれぞれ評価してもらった。
▼「緊急事態宣言中の外出自粛などの都民への呼びかけ」を「評価する」(とても+ある程度)と答えた人は最も多い71%、
次いで、
▼「軽症者・無症状者を受け入れる施設の確保」が続く。
▼「東京アラートによる警戒の呼びかけ」は、37%にとどまった。

都内で初めて感染者が確認されたのは、ことし1月24日。その後、小池は、さまざまな「横文字」とフリップを使って、都民に警戒を呼びかけた。時には「オーバーシュート(爆発的な感染拡大)」や「ロックダウン(都市の封鎖)」といった強い表現も用いながら。


大型連休中の外出を控えてもらうため、4月下旬には「ステイホーム週間」という言葉を、感染状況の悪化の兆候が見られた6月の頭には「東京アラート」という独特なフレーズも使い、レインボーブリッジと都庁を赤く染めた。


さらに、記者会見だけでなく都の公式動画やSNSでも都民向けのメッセージを配信。知事が前面に出て外出自粛などへの協力を求めるスタイルが全国で広がる中、民放のキャスターや「クールビズ」の旗振り役の環境大臣として培った発信力は、ほかの知事と比べても抜きん出ていた。

小池の資質や能力について、20の項目を挙げ、持ち合わせているか、持ち合わせていないかを尋ねた。それぞれの上位5項目がこちらだ。


「持ち合わせている」の中で最も高かったのが「発信力」の82%。
次いで高かったのは「リーダーシップ」(72%)や「決断力」(68%)。その象徴的な場面が一連の新型コロナウイルスをめぐる対応の中でも見られた。休業要請をめぐる国との水面下の攻防だ。


対象とする業態を広げたい都。一方で経済への深刻な影響を避けたい国。両者で考え方に溝が生じたのだ。小池は、新型コロナ対策を担当する西村経済再生担当大臣と会談。最終的に6つの業態や施設に休業を要請するとともに、要請などに全面的に協力する中小の事業者への協力金の支給もいち早く決めた。その後この動きに追随する自治体が相次ぐことになる。小池は記者会見で「地域の特性に合わせた対策を決める権限はそれぞれの都道府県知事に与えられたもの。もともと代表取締役社長かと思っていたら天の声がいろいろと聞こえてきて中間管理職になったような感じ」と国への不満を口にした。国と対峙する知事の姿を都民に印象づけた形だ。

一方で、「持ち合わせていない」と答えた人が多かったのが「弱者への共感」(62%)や「将来像を描く力」(54%)だ。
社会的、経済的に厳しい立場にある「弱者」への配慮を忘れないでほしいという思い。また、新型コロナの第2波が懸念される中で、知事は東京の将来をどうするつもりなのだろうという不安。多くの人がこうした気持ちを抱いていることの表れかもしれない。

どうなった?「7つのゼロ」

では、都民は、新型コロナ対策以外の都政運営をどう見ているのだろうか。私たちは、小池が4年前の選挙公報で公約の1つとして掲げた「7つのゼロ」に注目した。


東京都によると、このうち「ペットの殺処分」は平成30年度にゼロを達成したとしている。一方、「待機児童」は平成28年に8466人だったのを、およそ2300人に。また「無電柱化」は対象となる都道の2328キロのうち41%で実現。いずれも減らしはしたものの、ゼロにはなっていない。このほか都庁職員の「残業」は増加、「満員電車」は横ばいだ。「介護離職」と「多摩格差」は数値の比較ができないなど検証が難しい。

先月12日の立候補表明の記者会見。「7つのゼロ」の自己採点を問われた小池は、待機児童の数は「格段に減少した」と実績を強調した一方で、「何点かというのはむしろ都民の皆様方にご採点いただくものだと思っております」と述べ、質問に明確に答えなかった。


では、都民はどの程度実現できたと考えているのだろうか。


▼「とても実現できた」と答えた人は、いずれの項目もごくわずかだ。
▼小池が成果を強調した「待機児童ゼロ」ですら、「ある程度実現できた」と答えた人は21%にとどまった。これは小池への投票層に限っても34%だ。
「公約を知らない・わからない」が3割を超えた項目もあり、「7つのゼロ」の達成度合には都民の厳しい目が向けられていることが浮き彫りになった。

小池知事の新型コロナ対策は一定の評価を得ている一方で、都政運営全体が手放しで評価されているわけではなさそうだ。

4割が「収入減」暮らしへの不安は

調査では、新型コロナによる生活への影響も尋ねた。まず、世帯収入がどうなったのか見てみる。
▼「変わらない」(57%)が過半数を占めた一方で、
▼「減った」(大きく+ある程度)と答えた人は4割を超えた。


職業で見ると、「自由業(フリーランス)」(63%)、「自営業」(61%)、「パート・アルバイト」(57%)は特に影響が大きいことが分かる。半数以上が「減った」と答え、「大きく減った」の割合も高い。


新型コロナ感染拡大後の暮らしにどの程度不安を感じているか、8つの項目を挙げてそれぞれ尋ねたところ、「新型コロナ感染時の適切な治療」と「自分や家族への新型コロナの感染」では8割以上が「不安を感じている」(とても+ある程度)と答えた。


また、「収入の減少」は「不安を感じている」が57%。
特に、職業別に見ると、「契約・派遣社員」(71%)、「自由業(フリーランス)」(71%)、「自営業」(70%)といった層では「不安を感じている」人たちの割合が会社員や公務員といったほかの職業の人たちより高くなっている。
今後、収入が減るのではないかと不安を抱えている層は、新型コロナの感染拡大で世帯収入が「減った」という回答層と重なる。こうした層は新型コロナが感染拡大する中で、とりわけ手厚い支援の必要性が指摘された人たちだ。さらなる苦境に陥らないよう配慮の行き届いた政策遂行が求められている。

優先すべき政策は

しばらくは避けられそうにない「ウィズコロナ」の生活。しかし、都政の課題は新型コロナの感染拡大だけではない。

では、都民は知事に今後どのような政策に取り組んでほしいと思っているのだろうか。分野ごとに、それぞれ6つの政策を具体的に挙げて、優先的に取り組んでほしいこととしてあてはまるものをすべて選んでもらった。

まず「経済・雇⽤」を見てみる。「新型コロナの影響を受けた中⼩企業への⽀援」(55%)が最も多かった。


回答を詳しく見ると、何に優先的に取り組んでほしいのか、職業によって異なることが分かった。
▼「会社員」「公務員/団体職員」「学生」は「企業の『働き方改革』の支援」を一番に求めていた。「働き方改革」への意識が高まるなか、現場で働く人や将来仕事に就く人にとって重要な課題なのだ。
▼「契約・派遣社員」「無職」は「失業者への雇用支援」に期待する声が特に多かった。

次に「医療・福祉」。この分野では「新型コロナに対応した医療体制の充実」(61%)が最も多くなった。やはり都⺠が新型コロナ対策を喫緊の課題と捉えていることが読み取れる。この政策を選んだのは、重症化のリスクが⾼いとされる「60代」(66%)や「70代」(68%)で特に高かった。


「まちづくり」では、緊急事態宣言が解除されて電車が混み合うようになったことも影響したのか、「通勤電車の混雑緩和対策」(62%)と答えた人が最も多かった。「学生」「公務員/団体職員」「契約・派遣社員」「会社員」といった毎日の通勤通学で電車を利用しているとみられる層の求めが強い。


「教育・子育て」では、小池知事の「7つのゼロ」の1つ、「待機児童の解消」(46%)も、依然として30代以下の若い人たちを中心に優先順位の高い政策のようだ。


「防災」では、「豪雨対策」(50%)が最も多くなった。毎年のように甚大な被害をもたらす豪雨災害。去年も台風19号で各地に大きな被害が出て、都内でも住宅が水に浸かった。いまも九州を中心に被害が広がっていて、都民もひと事ではない。


優先的に取り組んでほしい政策を都政に詳しい専門家はどう見るのか。都庁に36年間勤め、石原慎太郎知事時代には副知事を務めた明治大学の青山佾(やすし)名誉教授に読み解いてもらった。


多くの人が新型コロナ関連の政策や豪雨対策といった都民の命を守る取り組みを求めていると指摘し、「新型コロナは目の前の危機であり、それへの対策に取り組んでほしいというのは当然だ。また、去年の台風19号では、海抜ゼロメートル地帯が広がる江東5区(墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区)で広域避難が課題になるなど、防災への関心も高い。都民は安心や安全のための対策を望んでいることがうかがえる」と分析する。


一方で、かつて都政の中枢にいた経験からこうも言及した。
「電車の混雑緩和のために鈴木都政で始まった都営大江戸線の建設は石原都政で完成した。当時はいろいろ言われたが完成したら好評だった。このように、後世のために長期的な視点で取り組む必要もある。今回、コロナ後の新しい生活の在り方も含めて長期ビジョンを作り直すいいタイミングだ。ここ数か月は目の前の対応に追われてきたが、コロナ後の長期的な東京の在り方を示すことが求められている」

投票日の今月5日午後8時すぎ。新宿区の事務所で当選確実の知らせを受けた小池は、報道各社のインタビューで、新型コロナのさらなる感染拡大に備えて医療体制を充実させるため、東京都版のCDC=疾病対策予防センターを創設して迅速で効率的な対応を目指すとともに、厳しい経営状況にある医療機関を支援していく考えを示した。そして「命と経済を守る東京都、そして世界の中での都市間競争に打ち勝つ東京を進めていきたい」と抱負を述べた。


都民の意見に耳を傾ける政治を

新型コロナの感染拡大防止策と経済活動の両立。いま、都政はかつてない難題に直面している。次々に打ち出したこれまでの対策で都の財政状況は厳しさを増し、1兆円近くあった、都の貯金にあたる「財政調整基金」は大半を取り崩した結果、現時点の見込みで807億円にまで減った。
いまの都政は都民の意見が反映されていると思うか尋ねたところ、「反映されていない」(あまり+全く)は64%。「全く反映されていない」は1割を超えた。


終息がまったく見通せない新型コロナウイルス。都民の暮らしへの影響はこれからさらに深刻化することも予想される。今後、都の税収は減るとみられ、厳しい財政運営を迫られることになるだろう。都民の声に真摯に耳を傾けながら、どう都民の暮らしを守っていくのか。2期目の小池に課せられた責任はとてつもなく重い。
(文中敬称略)

【調査概要】
調査期間:2020年6月21日~24日
調査方法:インターネット
調査対象:楽天インサイトに登録しているモニターで東京都内在住の18歳から79歳までの都民1万人
※年齢・性別が偏らないように総務省の最新の人口推計の比率に近くなるように回収
質問項目:146

 


未来の戦死に向き合うためのノート

2020年08月01日 10時13分58秒 | 社会・文化・政治・経済

井上 義和 (著)

「戦死はありえない」という建て前のもと、市民社会にとって異質な存在、すなわち非合理な犠牲を要求せざるを得ない自衛隊員を直視せず、経済的な繁栄を享受してきた日本。

しかし、近年のなし崩し的な制度改変によって、「戦死にどう向き合うか」が、もはや先延ばしにはできない課題として浮上してきている。ゴジラ論や特攻の自己啓発受容など、著者独自の現代日本社会分析を織り込みながら、未来を語る言葉を鍛えるためのノート。

井上/義和
1973年長野県松本市生まれ。松本深志高校から、京都大学工学部に進学するも、教育学部に転学部。竹内洋氏の薫陶をうけつつ大学院まで教育社会学を専攻。博士後期課程を1年で退学して京都大学助手。その後、関西国際大学を経て、帝京大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。

 

かつて特攻基地であった鹿児島県知覧が、しばしば合宿所や研修場所にえらばれ、自己啓発の場となり、「活入れ」の場所となっている。
ここに着目した著者は、「特攻隊員の物語」を「自分たちの仕事の本質」と重ねあわせる営み――「特攻×自己啓発」を分析する。
特攻の歴史ではなく、その社会的な受容のされ方の考察である。

未来の戦死に向き合うためのノート [著]井上義和

 幸い今日まで、日本の自衛隊はひとりの戦死者も出していない。でも将来はわからない。集団的自衛権の一部行使容認と2015年の安保関連法で、自衛隊の任務は拡大されてるんだしね。いつか戦死者が出たとき、日本社会はそれをどう受け止めるだろうか。
 ……といった問題と私たちは真剣に向き合ってこなかった。戦死者なんか出しちゃダメだ。だから戦争反対! それで終わり。
 いやいや、それじゃまずいでしょ、というのが『未来の戦死に向き合うためのノート』からの問いかけである。戦死者は祖国を守った英雄か、それとも死ななくてもいい戦争で犬死にした国家の犠牲者なのか。
 未来の戦死を考える上でも重要なのは、過去の戦死との向き合い方だ。著者の井上さんは新しい意外な現象を紹介する。すなわち、陸軍の特攻隊基地があった知覧(鹿児島南九州市)が特に2000年代以降、反戦平和でも英霊の顕彰でもない「自己啓発」の聖地となっているのだ、と。
 知覧巡礼を勧める本、社員を知覧に研修に連れて行く会社、宮崎キャンプの合間に知覧に詣でるプロ野球選手。「大切な人のために自分を捧げる尊さを知りました」「若くして死んだ彼らの分まで頑張ります」のような言説の数々。
 それって特攻隊の美化じゃない?という反応が予想される。が、これを単なる「右傾化」と捉えるのも早計なのだ。〈特攻の自己啓発書的受容には、歴史と古典の素養は要りません〉と著者はいう。いまや歴史の知識と死者に対する思いは分離して〈特攻作戦を批判することと、特攻の物語に感動することが両立します〉。そこにあるのは旧世代の想像を超えた特攻隊の「活入れ」効果と「歴史認識の脱文脈化」だ。
 紋切り型の反戦平和論が通じなくなりつつある今日の状況に一石を投じる刺激的な書。なんたることだと嘆いたあなたにこそ、読んでもらいたい。
    ◇
 いのうえ・よしかず 1973年生まれ。帝京大准教授。専攻は教育社会学。著書に『日本主義と東京大学』。

 

本書のテーマは、「戦死」である。「戦争」ではない。戦争をテーマにした本は、数え切れないほどあるだろう。しかし、「戦死」をテーマとした類書はないのではないだろうか。
現代の日本では、戦争について論じることはたぶん忌避されているだろう。その上、「戦死」である。さらに、「未来の戦死」である。本書のタイトルを見て、多くの人たちが、一瞬、ドキっとするであろう。しかし、それに怯まずに本書を読んで頂きたい。
著者も本書のはじめにでも、書いているが、戦死を勧めるような安易な内容の本ではない。但し、本書の内容に色々と意見が別れる部分が出てくるであろう。実は、ひそかに、私は、それを期待している。
なお、私は、テレビに良く出ている国際政治学者の三浦瑠麗さんの新刊『21世紀の戦争と平和』を途中まで読んでいて、こちらの方に集中してしまった。

 

 

 

 

 

 


不利な局面でどう指すのか 永瀬拓矢叡王は曲線的な順で粘りに行った

2020年08月01日 10時11分40秒 | 社会・文化・政治・経済

8/1(土) 6:01配信
文春オンライン


「一昔前なら破門」雨の将棋会館で豊島将之竜王・名人が繰り出した序盤戦術  から続く

【画像】両対局者の夕食、叡王戦記念特別メニュー「鳩やぐら」

 叡王戦は「チェスクロック方式」が採用されているタイトル戦だ。

 以前はプロの対局はすべて「ストップウオッチ方式」のみであったが、少しずつチェスクロック方式の対局が増えている。タイトル戦では、叡王戦の他には王座戦のみがチェスクロック方式で行われる。どちらも現在、永瀬拓矢叡王がタイトルを保持している。

対局者と記録係の間に時計が置かれている

残り時間はタブレットで表示されている 代表撮影:日本将棋連盟

 ストップウオッチ方式は、59秒以内に指せば持ち時間が減らない。一方、チェスクロック方式は、30秒を2回考えたら1分消費してしまうのだ。チェスクロック方式では、両対局者に残り時間が見えるように時計が置かれている。プロ棋戦がニコニコ生放送で中継されるようになって久しいが、チェスクロック方式は始まったばかりであり、対局者と記録係の間に時計が置かれているのを見るのはなかなか目新しい。

 チェスクロック方式について、立会人の塚田泰明九段に聞くと、

「持ち時間が見えるのは最初は嫌だった。1時間切ったらどんどん減るから気になる。持ち時間の粘りが効かないから。もう慣れたけど」

 とのこと。アマチュアの持ち時間がある対局は全てチェスクロック方式であるため、持ち時間の粘りという感覚はなく、この言葉は非常に印象に残った。

積極的に相手が間違えやすい指し手を好む
 局面に戻ろう。

 永瀬は、豊島将之竜王・名人の攻めを骨と肉で受け止める順を選ばず、得した桂馬を使って攻めに出る。豊島は永瀬の傷口目がけて反撃する。数手後、駒の損得がなくなり、局面が一段落すると、形勢は豊島に大きく傾いていた。

 局面が不利になると、最善手というものは本当は存在しない。なぜなら、有利な側が正しく指せばどう指しても負けてしまうからだ。そのため、不利になった時の指し方にはかなり個性が出る。

 藤井聡太棋聖の指し方は、不利になっても比較的自然な手を指すことが多い印象である。そして、最終盤で相手が間違えた一瞬を見逃さず、一気に抜き去ろうというのだ。

 一方永瀬は、積極的に相手が間違えやすい指し手を好む印象がある。プロ棋士はほぼ全員子供の頃から終盤が強く、そうやって逆転勝ちしてきた経験がたくさんあるので、こちらの方が多数派であると思うが。上手く行けば追いつく可能性があるが、そこで正確に指されると一気に差が開いてしまうリスクもあるのだ。

 本局も永瀬は曲線的な順で粘りに行く。しかし、豊島の対応が正確で、差が大きく開いた状態で18時から30分間の夕食休憩に入った。

「今日は早く終わりそう」

 との声があちこちから聞こえてくる。

 夕食休憩後、図の局面で豊島に△5四桂という決め手があった。しかし、プロの第一感は△2二歩で、こちらも手厚く堅実な手であり、豊島は後者を選んだ。
永瀬にとって頑張り甲斐がある局面になってきた
 不利な方には最善手がないと書いたが、有利な方も、逆転に至らない範囲ならばどういう順を選んでも良く、だからこそ悩ましいのだ。決め手には遠いものの、こちらも手厚く十分に優勢をキープできる。

 しかし、永瀬にとって頑張り甲斐がある局面になってきた。飛車を抑え込み、標的になっていた銀を守りに引き締め、遊んでいた桂馬を攻めに活用して攻めかかる準備をする。両者持ち時間が減ってくる。

 ここで、塚田九段がスーツから和服に着替えるために控室を出る。

「終局の1時間前くらいに着替えに行くのが丁度いい。ギリギリになると焦るから良くないんだよ」

 塚田九段が着替えに行っている間に、永瀬は桂馬をさらに跳ねて攻めかかる。豊島は金を上がり、得した香車を受けに打つ。局面は混沌としてきた。AIの評価値もいつのまにか互角に戻っている。

 和服に着替え終わった塚田九段から「(着替えるのは)早まったか」との冗談も飛ぶ。

「引き分けなら千日手ですね、持将棋にはなりにくい」と塚田九段。しかし、最初の局面よりはずっと持将棋の可能性が出てきたのは明白だ。「持将棋にはなりにくい」というのは願望も含まれていたのではないだろうか。

時間がなくなった時もかなり個性が出る
 一方のニコ生コメントでは、早くも3回目の持将棋を期待するコメントも散見される。好きなタイミングで画面をつけたり消したりできる視聴者にとっては、美味しい出来事なのは間違いない。

 一方で、アンケートでは願望込みで引き分け予想が過半数を超えていた。

 解説の佐藤天彦九段からは「(持将棋は)気は早いけど、なくはないですね」との声。

 局面は進み、両対局者ともに持ち時間を使い切り、両者1分将棋に。形勢は互角。前局では1分将棋が160手も続いたが、本局はどうなるのだろうか。

 形勢が不利な時にどういう手を選ぶかは人によると書いたが、時間がなくなった時もかなり個性が出る。

 タイトルホルダーと言えども人間である。1分では深く読みきることはできない。読みきれないままに指し手を選ばないといけないのだ。その時にどのような手を選ぶか。攻めきれるか分からないまま攻めるか、堅実で大きなミスになりにくい手を選ぶか。

 じっくり進めて五分。読みきれないまま攻めて、攻めが通れば勝ち、受かっていれば負け。それが五分五分と判断した時にどちらを選ぶのか。

 永瀬も豊島も、このような時に堅実な手を選ぶことが多い印象である。安定感と言っても良いだろう。それが今シリーズの、2回の持将棋、長時間の1分将棋につながっている。

最善を追い求める過去の積み重ねがあったからこそ
 ポーカーを非常によくプレイする有名な投資家がいる。彼いわく、

「ポーカーや麻雀は、最善を尽くした後は運に任せるしかない。それがポーカーのツラいところでもあり、楽なところでもある」

 とのこと。

 最善を尽くしても負けてしまうこともあるのがポーカーだ。逆に言えば、悪手を選んだのに運良く勝つということも日常である。

 一方将棋は本当に最善を尽くせば運悪く負けてしまうということはない。その代わり最後まで自力で勝ちきらないといけないのだ。

 読みきれない状態で指して、間違えていたら一気に負けになってしまう。それを良しとせずに最善を追い求める過去の積み重ねがあったからこそ、永瀬と豊島はこの場で対局しているのだ。

 筆者なら、堅実に行っても五分、攻めて勝てる可能性も五分だと思ったら読みきれていなくても攻めてしまう。それが将棋のアマチュアの特権でもある。一方でそのような開き直りと運悪く負けてしまうことへの諦観は、勝ち負けに運の要素がからむポーカーや麻雀においては非常に大切なのだ。

 ここで、AIが千日手の順を最善と示す。人間には非常に選びにくい順だ。解説、控室の両方から悲鳴があがる。

 佐藤天彦九段は「流石の軍曹(永瀬の愛称だ)でもこれは選ばないでしょう」と。

 その言葉通り、永瀬は自然に豊島玉に攻めかかる。

声を発する時はマスクをするのが新時代のマナー
 1分将棋の中、豊島は上部への脱出の含みがある手を指す。盛り上がるニコニコ生放送のコメント。悲鳴のあがる控室。

 しかし、終局は突然やってきた。

 一瞬のスキを突いて、永瀬が盤上と持ち駒の2枚の桂を捨てて豊島玉に攻めかかり、あっという間に豊島玉に必至がかかったのだ。永瀬玉に王手は続くものの、はっきり詰まない。読み切りである。

 負けを悟った豊島は、水を飲んだ後、鞄からマスクを取り出す。

 声を発する時はマスクをするのが新時代のマナーである。ニコニコ生放送でも「投了マスク」とのコメントが多数。そしてその通り、豊島が投了した。

 感想戦は、対局者から2メートルほどの距離にいた筆者にも聞こえるかどうかという小声で1時間ほど行われた。

 局後の勝利者インタビューで永瀬は、

「今日食べたバナナは2本。バナナを食べだしてから1勝、2勝と挙げることができたので、バナナを欠かさずしっかり食べて」

 と頑張ることを表明した。

 これで対戦結果は第5局を終えて永瀬の2-1。本来であれば既に決着がついているか、片方がタイトル獲得まであと1勝となっているはずだが、この二人はこれから何局指すつもりなのだろうか。次戦以降も非常に楽しみである。

木原 直哉

 


竜王戦本戦常連・丸山忠久九段(49)今期ベスト4に進出 本戦初出場・佐藤和俊七段(42)を降す

2020年08月01日 03時40分38秒 | 事件・事故

胃ろうを拒絶して友人が「死を選ぶ」

2020年08月01日 03時26分57秒 | 医科・歯科・介護

NHK ETV特集 あなたはどう考えますか?2
―食べなくても生きられる~胃ろうの功と罪―

ご本人に代わって胃瘻を選択されたご家族、されなかったご家族、胃ろうを造るべきかどうかを医師らと話し合った末に選択されたご家族、それぞれの揺れる思いが番組では紹介されました。まずは、同じご家族の立場からのご意見を。

胃ろうの本質と医療の生命尊厳問題は別

藤沢市湘南台在住 清水 耕司

はじめまして。私は、神奈川県藤沢市湘南台在住の在宅介護の父(80歳、要介護5)の介護家族(1人)です。男性45歳独身です。在宅介護のために仕事を辞め(たまのアルバイトはしています。)介護生活へ移って11か月です。

父は昨年6月に重度の脳梗塞で右半身麻痺、嚥下障害で胃ろうという流れです。
失語症もありますが徐々に解消されてきています。思考能力は発症当初から見ると相当に回復し、普通に判断できる状態に戻ってきています。他に入院中に血便が見つかり運よく上行結腸癌のステージⅡで切除手術もして現在転移なしという容体です。市民病院の神経内科と消化器外科にそれぞれの主治医をもち、別にかかりつけ訪問診療医に月2回見てもらい、血液検査も在宅でやってもらって3か月に一度神経内科、半年に一度消化器外科と市民病院に通院しています。
介護サービスの範囲で訪問診療と同じグループ内の訪問看護ステーションに、平日5日間一時間の看護に入ってもらっています。胃ろう回りのケアと排便・褥瘡管理、手足の簡易のリハビリと嚥下訓練等です。
訪問医、訪問看護に対しては、市民病院主治医からすべて診療情報提供書と看護指示書を随時出してもらい、連携を密にしております。

昨年7月中旬に胃ろう造設、その後内視鏡検査で結腸癌確定診断。緊急入院時にすでに不整脈も診断され、その為に8月23日の切除手術まで、脳梗塞での神経内科から消化器内科に転科し、心臓から何から検査しなおし、最終的に心カテを循環器でやってもらい、手術okの判断をもらい、外科に転科後手術し9月9日退院と言う流れから在宅介護に入りました。

胃ろうは癌の手術もあり、当初1500kcalからスタートしました。

在宅になってからも当初2か月はそのままで維持し、その後体重が増えてきたということもあり、少しずつ減らしていき、1100kcalキープで落ち着きました。その後、嚥下リハビリ訓練等もあり、体の力もついてきたみたいで、口からまず水分がとろみなしで飲めるようになりました。それと並行して、サトイモや柔らかめのジャガイモ等が口から食べられるようになりました。
またパン類も今は食べられます。呑み込めないのは、噛み砕いて最終的に細かい粒になるものは無理みたいです。なので、ご飯も、介護用柔らかご飯を使用をしています。
現状では1日3回の注入、朝340、昼120、夜340の計800kcalをラコールで経管栄養にし、残りを口から取るようにし、一日の摂取カロリー目安を1100kcalにしています。

栄養注入に伴って経管注入で投薬をしています。ワーファリン1.75mg(朝) 脳梗塞からくるテンカン痙攣止めのエクセグラン(昼夜)とタケプロン(朝)と酸化マグネシウム(昼夜)です。

麻痺側の右手足も、手のヒラ・指が入院中は硬縮が始まっていたんですが、在宅に移ってからケアマネの紹介で医療リハビリマッサージを週3回1回20分を受けてから良好になり、腕は少しですが閉じ開きが出来るようになってきました。腕も足も意識的に力を入れられるようになってきて、もう少しで多少は動くようになるだろうと言われています。

長くなり申し訳ありませんが、まずは現状の状態報告をさせていただきました。ここから本題です。

【ETV特集の感想】
問題提起・発起の番組としては、胃ろうを知らない人にも広報するという意味でも一定の意味ある番組だとは思いました。しかし、一回で終わるには番組意図が隔たっていて意図的に視聴者の思考を誘導するような作りだったと思います。

具体的に書きます。
胃ろうを日本に広めたというドクターが出演していましたが、意思表示の困難な患者さん、要介護者さんに対しての胃ろうからの経管栄養が、延命・生命尊厳という次元の話になって行ってしまっています。
これは【胃ろう】というものからはずれ、医療の生命尊厳問題に視点を移されてしまっていて、胃ろうの本質と違う部分へ思考を誘導されてしまっています。これは、それこそ手術も、がん治療なども含めて延命と生命尊厳という問題の範疇・次元であり、【胃ろう】を知らない人に向かっていきなりああいう問題提起はおかしいと感じました。
うちみたいに胃ろうのおかげで目に見えて様々な部分が良い方向に向かっている介護家族としては、胃ろうのいい部分が数言の言葉でのみ流され、胃ろうのメリット部分が隠されてしまっていると思います。
あのような番組、生命尊厳の問題の次元になることで胃ろうのマイナスイメージを刷り込むという意図が感じられて仕方がありません。ワザワザ胃ろうをダシに使い【延命・生命尊厳】を考えさせようとするような番組だったと思います。
公平公正な番組と言うならば同じ分だけ胃ろうのメリット・ポジティブ部分を示すべきだったと思います。

この真夏・異常気象下でも、高齢者にも関わらず水分補給は完全管理ができ、水分不足での熱中症の心配は少ないです。食べられない時は、その分を増やして注入することもできますので、ある程度の栄養管理も大丈夫です。何より各種リハビリに対する基礎体力が付いてきますので、いい方向にいっています。

さらに、在宅での胃ろうへの本人・介護家族の取り組みなども紹介した方が、より胃ろうについて理解を広げられたと感じています。

結果的に、生命尊厳問題と必要以上にリンクさせすぎた為に、胃ろう自体の本質部分を示せなかった番組だと思います。3回シリーズくらいで幅広く取り組むのならば、そのうちの一回としては今回の内容でもいいかと思いますが、これ一回のみでは評価できない番組構成と言わざるをえません。

以上長くなりましたが、ETV特集の感想とさせていただきます。 ありがとうございました。

苦渋の選択であるべき

東京在住 K.I.

胃ろうを拒否した家族が二件紹介されました。

最初のは、納得しました。

二件目は、あの映像だけで考えると、少し短絡的なやり方だと思いました。

食べられない、会話できない・・・・即、胃ろう拒否ではなく・・・・いろいろ、頑張ってみるとか・・いくら本人の意思が「命は食なり」とはいえ、胃ろうで、死ぬまでの時間稼ぎして、本当に植物人間的なことを見定めたうえでの苦渋の選択であるべきだと思います。本当に。

まず、本人の生きる気力を引き出す刺激を

北海道在住 池田 暁

小生も妻も関心が有るので見ました。

胃瘻は確かに画期的な医学的処置だと思います。しかし、現実に妻に食道瘻を造り、その後の病院とのやり取りを考えてみると見えてくることがあります。

昨年12月、妻は風邪の症状が出て、新型のインフルエンザを心配して受診したが、現実に診断は誤燕性肺炎の疑いで7日間の入院でした。妻の入院~その後の病院との関わりを考えて、小生は病院や施設では本人や家族の本当の思いや希望を叶える事は難しい。病院任せは危険なことだ、と思ってます。

乱暴な考えですが、本人の思いと家族の思いはみんな同じだと思ってます。良くなりたいのに。病院に行き本人も頑張っているのに。生きる気力が無くなったお祖母ちゃんを、何人も見てきました(妻の入院中に)。先ずは刺激を沢山取り入れて脳を活性化して、本人の生きる気力が一番大事、と思ってます。

妻も小生も、脳幹出血で誤燕性肺炎の恐れがある後遺症をもってしまい、瘻を造るのですが。目的は以前と同じように口から食べ物を摂取する事にあると思っています。

胃瘻を造り栄養が充分に行き渡るようになると、身体の機能もあがります。経鼻管栄養よりも障害が少なく。訓練を重ねれば、摂取の可能性は増えると思うのですが。現実に病院に入院していてその様な動きは無かった。かえって胃瘻は管理しやすいという、病院側の管理制度が見えてきました。

本人と家族の目的希望を叶える為に、本人の意志・家族の思い・病院側の意見を総合して家族が判断するのが一番自然な姿だと思ってます。症状は個人差があるので一概には決めつけられませんが、家族が決断したら安心感があると思います。

妻も燕下機能の麻痺は今でもあり、将来、何時か又口からの摂取が難しい時が来ると思いますが、それはその時考えます。お陰様で日々自宅で過ごすことが出来てます。皆さんのお陰だと思ってます。

胃瘻を造り栄養が充分に行き渡るようになると、経鼻管栄養よりも障害が少なく、身体の機能もあがります。訓練を重ねれば、摂取の可能性は増えると思うのですが。先日の放送では、胃瘻を造ってからの追跡(外して食べれるようになった部分)が少なかったと思ってます。

どちらを選んでも、家族も患者も救われる終末期ケアを

匿名

89歳、寝たきり、認知症の母をもつ患者家族です。最近食べられなくなり医師から胃ろうの造設を勧められました。

特集を見て、胃ろうを母につけたくないと考えています。

石飛幸三先生の本を読みましたし、高齢者への胃ろうには基本的に反対です。

鈴木先生の「がんばってがんばって、ひっぱる医療が本人のQOLに貢献するかどうか疑問に思う」という考えにも賛同します。

番組の中で、今里先生が「人にとって空気と水と栄養という基本のものを与えてあげることは医療の倫理として絶対に守られなければならない理念である」というようなことをおっしゃっていたと思います。しかし、高齢者にとって本当に「栄養」までもが含まれるのかと疑問に思います。ひっぱって生きながらえても必ず死はやってくるからです。避けられない真実だからです。

ローコストで取り扱いが簡単な胃ろうという画期的な技術だったからこそと思いますが、10年間で40万人に造設されているという日本の現状は、「生きる質」についてもっと皆で話し合う必要があると思います。

胃ろうが発達した日本にだけ、栄養の種類が大変多くあるという番組での報告は、日本に胃ろうビジネスなるものができているのではないかとさえ思います。

私の結論として、たとえ胃ろうの効果でいったんはうまく口から食べられるようになったとしても、高齢者にはまた胃ろうに返らざるをえなくなる時期が必ずやってきて今度はいつはずすのか? 果たして誰が胃ろうをはずすことができるのか? という大問題が先にある限り、「簡単に胃ろうを造るべきではない」と考えます。「生」は良くて「死」は悪いという考え方の大きな方向転換が、高齢者の終末期医療に早急に必要だと考えます。

また、社会の風潮としての問題もあると思います。家族が「胃ろうを造りません」といったときに、それも選択であるという誰からも受け入れられる社会ができていないと、はっきり言うことが怖いというような社会では困ると思います。石飛先生のようにどちらを選んでも家族も患者も救われる終末期ケアを望みます。

高齢者にとって、口から食べられなくなったときに「なにもしない」ということのもつ意味は、自然界に生きる動物のうちの1つの種として当たり前のことと思うし、死への過程で「起こる苦痛は取り除く」ということができるのは、人間という動物に生まれたこの上ない恵みと思います。

死が近づいてきたら、家族だけでなく、みんなでその人が自然に近い状態で旅立てる「見守りの環境」を整えて欲しいと望みます。

「終末期医療はEBM(Evidenced-Based Medicine:科学的根拠に基づく医療)ではなく、NBM(Narrative-Based Medicine:語りに基づく医療)となるべきであるという見解が、先進国の主流である」と言う意見があります。


本田圭佑、「若者の自殺」に「他人のせいにするな」 米津玄師「言ってることがよくわからない」

2020年08月01日 03時08分26秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

2017年05月31日15時00分

  若者の死因で最も多いのは自殺だという報道について、サッカー日本代表MF本田圭佑(30)が「他人のせいにするな!」などと発言したところ、ミュージシャンの米津玄師(よねづ・けんし、26)が「言ってることがよくわからない」と口を挟んだ。

   米津は本田の発言内容に「とても危険な振る舞いだなあと思いました」と否定的な見解を示している。

本田圭佑

「成功に囚われるな!成長に囚われろ!」

   本田は2017年5月30日、時事通信の「若い世代の死因、自殺最多=15~39歳『深刻』―政府白書」という同日付記事のリンクを張りながらツイートした。記事は30日に公表された自殺対策白書(2017年版)の内容を取り上げている。自殺者数は減少傾向にあるものの、15~39歳の死因は自殺が依然として最多で、白書では「若い世代の自殺は深刻な状況にある」との見方を示している。国際的にみても、全年代を合わせた10万人当たりの自殺者数は、G7諸国の中で日本が最も多かった。

   これに対して本田は「他人のせいにするな!政治のせいにするな!!生きてることに感謝し、両親に感謝しないといけない。今やってることが嫌ならやめればいいから。成功に囚われるな!成長に囚われろ!!」と発言した。本田はツイッター開始から数日後の24日、「自分なりの価値観や哲学などを日本語でも共有していきたいと思ってます」と宣言しており、今回の投稿はその一環なのかもしれない。

   ツイートには他のユーザーから大量の返信が届いた。「ほんと日本人って成功に囚われてますよね...」との意見もあったが、目立ったのは「考えが足りていないと言わざるを得ません」「あまりにワケわからないこと言っている」と本田に否定的な意見だった。また「本田さんのツイートが正しいか間違ってるかは自分のなかで決めればいい」といった声もあった。

   そうした中、米津が本田の投稿内容に「言ってることがよくわからない」とツイートし、2万2000以上の「いいね」を集めるなど大きく注目された。続くツイートで米津は「人生や親に感謝するのはいいと思うんだけど」と部分的には認めつつ、「少なくとも元の記事には他人や政治のせいにして自殺した人の様子なんてひとつも出てこないし、そこからの『成功に囚われるな、成長に囚われろ』という言葉もどこから出てきたのかよくわからないっていうのが正直な感想です」と疑問を呈した。
「『自殺する人間像』を自分の中で固定して、それを自明なことのように話す」

   米津はさらに「『自殺する人間像』を自分の中で固定して、それを自明なことのように話すのはとても危険な振る舞いだなあと思いました」と本田の考えを否定した。「もちろんあれが彼なりの激励であり優しさであるのはわかってるつもりです」と譲歩しつつ、「ただ自殺で知人を失った経験がいくつかあり、思うところがあったので、一応突っ込んどこうと思った次第です。おわり」と自身の経験と重ねながら物申した。

   米津は12年にインディーズデビュー、22歳だった13年にメジャーデビューし、以来テレビCMやアニメとのタイアップ曲も数多く手がけている。15年には『Bremen』で日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞した。イラストレーターとしての一面も持ち、17年4~5月に開かれた福岡アジア美術館でのルーヴル美術館特別展では、米津のイラストが特別展示された。

   ツイッターで米津は、創作活動以外の発言も少なくない。死生観に関するものもあり、12年11月1日には「『自殺という表現はイメージが悪いので自死に』という記事をみかけたが、どんな場合であれ懲戒の意味を込めて自殺という表現であるべきだと思う。外部に責任を問うたり死んだ人間を慈しんだりするのはその後じゃないか」と主張した。14年3月1日には「死に対する哲学を持ってないと生きることもままならない」との考えを述べている。

「『自殺する人間像』を自分の中で固定して、それを自明なことのように話す」

   米津はさらに「『自殺する人間像』を自分の中で固定して、それを自明なことのように話すのはとても危険な振る舞いだなあと思いました」と本田の考えを否定した。
「もちろんあれが彼なりの激励であり優しさであるのはわかってるつもりです」と譲歩しつつ、「ただ自殺で知人を失った経験がいくつかあり、思うところがあったので、一応突っ込んどこうと思った次第です。おわり」と自身の経験と重ねながら物申した。

   米津は12年にインディーズデビュー、22歳だった13年にメジャーデビューし、以来テレビCMやアニメとのタイアップ曲も数多く手がけている。15年には『Bremen』で日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞した。イラストレーターとしての一面も持ち、17年4~5月に開かれた福岡アジア美術館でのルーヴル美術館特別展では、米津のイラストが特別展示された。

   ツイッターで米津は、創作活動以外の発言も少なくない。死生観に関するものもあり、12年11月1日には「『自殺という表現はイメージが悪いので自死に』という記事をみかけたが、どんな場合であれ懲戒の意味を込めて自殺という表現であるべきだと思う。外部に責任を問うたり死んだ人間を慈しんだりするのはその後じゃないか」と主張した。14年3月1日には「死に対する哲学を持ってないと生きることもままならない」との考えを述べている。

本田圭佑「言葉足らず」と反省 自殺めぐり1200字超で「本意」

2017年06月05日15時13分

 サッカー日本代表FW本田圭佑選手(30)が、若い世代の自殺者数の増加について「他人のせいにするな」などとツイッターで意見を述べ、賛否両論が出た件について、自身の公式サイトに1200字超のコメントで「本意」をつづった。

   「言葉足らずで本意が伝わっていないのと、繊細な内容であるのに配慮に欠けた部分があると自覚し反省して、ここで想いを共有したいと思います」。本田はそう切り出し、自身の身近な人物とも絡めて、改めてメッセージを発信した。

「3回も自殺を考えて川までいって踏み止まった」親友

   本田が2017年6月4日にコメントを掲載したのは、5月30日の自身のツイートを受けてのものだ。

   ツイートでは、15~39歳の死因は自殺が依然として最多を占め、「若い世代の自殺は深刻な状況にある」との見方を示した自殺対策白書(2017年版)の内容を取り上げたニュースへのリンクを張り、本田選手は「他人のせいにするな!政治のせいにするな!!生きてることに感謝し、両親に感謝しないといけない。今やってることが嫌ならやめればいいから。成功に囚われるな!成長に囚われろ!!」と述べた。ツイートに対して、他のユーザーからは、「その解釈もまた人それぞれ」とするものもあったが、「一方的な意見」「安易な綺麗事」といった否定的な意見も多く寄せられた。

   本田選手は公式サイトでのコメントで、伝えたかったのは「『死なないでほしい』、『生きていればいつか良いことがある』、『良しとする基準は自分が作ればいい』、『出来ることを見つけて少しずつ進んでほしい』ということなんです」と説明した。「正直言って自殺を考えるくらい深く悩んでいる人の気持ちはわかりません」としつつも「ただ本気で、そういう人達に自ら生きようと思ってもらえないものかと感情移入しているのも事実です」と訴えている。

   その背景にはまず、「3回も自殺を考えて川までいって踏み止まったという過去」を持つ「親友」の存在がある。その「親友」から、人が自殺を考えるのは「人に必要とされなくなったと『思った』とき」だと聞いたとし、本田は、万一の時は「少なくとも俺は必要にしてるというのを必ず思い出してくれ」と伝えたという。

   社会構造にも触れ、「あらゆる不平等(社会や環境)が人を傷付けるシステムが存在する」「社会は冷たいし、多くの政治家が国民のことをあまり考えていないように見えます」と述べている。
努力しても「成功するとも限らない。しかし...」

   これらの点から、本田は改めて「外的要因であれ、自分であれ、命を絶つまで自分を追い込んではいけない」と訴えた。「努力しても上手くいくとは限らないですし成功するとも限らない。しかし努力すると必ず何かしらの成長をします」といい、「自分自身こそがどんな状況をもプラスに変えられる唯一の味方」との考えを述べた。

   本田は国内外での社会貢献活動に積極的で、その功績から16年6月には国連財団の「グローバル・アドボケート・フォー・ユース(青少年のための国際的支援者)」に任命され、特に恵まれない子どもたちへの支援を活発にしている。

   今回の公式サイトでのコメントで本田は、世界には戦争や貧困で命を落とす人が多いとして「そこに目を向けることで何かを感じてもらいたいと願っています」ともつづっていた。


東出昌大と杏が離婚 不倫相手・唐田えりかと再婚可能性は…

2020年08月01日 02時54分03秒 | 社会・文化・政治・経済

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東出昌大と唐田えりか

俳優の東出昌大(32)と女優の杏(34)が離婚したことがわかった。2人は2013年のNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で共演し、交際に発展。15年元日に結婚し、3人の子供をもうけた。  

 そんな円満家庭に修復不能な亀裂が入ったのは今年1月。東出と女優・唐田えりか(22)の3年にわたる不倫が発覚。東出は子供たちと住む自宅から追い出され、一部で〝車中生活〟を送っているとも報じられた。  

東出と杏が正式に離婚となったことで、さらなる窮地に陥りそうなのが唐田だ。  

騒動以降、唐田は公の舞台に姿を見せていない。芸能事務所幹部は「現在、事務所のホームページに唐田のプロフィルが載っているように、いまのところ事務所と契約はしていますし、ああいう騒動が起きたからといって見放すということはしないようです」と語るが…。  

正式に離婚となったことで、唐田には名実ともに「一つの家庭をぶっ壊した女」のレッテルが貼られることになってしまった。イメージ商売の芸能界でこれは厳しい。

「唐田の事務所にはほかにも売れている女優は多いですからね。その女優たちを差し置いて唐田をプッシュすることはできない。唐田を契約解除にしなかったのは、むしろ監視下に置いておくという意味合いもあるようですから」と同幹部。

 東出が独身になったことで、唐田とまさかの再婚も一部で噂されているが、別の関係者は「ありえない。杏さんに浮気がバレた時の彼の頼りなさ、器の小ささを見て、幻滅したそうですから」と話す。  

唐田はツイッターで東出との交際をにおわせていたことで、猛バッシングを受けた。特に女性から不評で〝悪女〟のイメージは変わっていない。  

他方で唐田を知る人物からは「本人は表裏のある子ではない。東出さんと付き合えたことで舞い上がり、はしゃいでしまっただけ。たしかに悪いことをしたとは思うが、正直叩かれすぎな面もある」と同情の声も上がっている。  どちらにせよ、東出は杏と唐田、2人の人生を大きく狂わせたようだ。

東京スポーツ

 

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俳優 石田純一、妻・東尾理子との亀裂明かす 反対された沖縄行き強行で「価値観が合わない」

2020年08月01日 02時45分41秒 | 社会・文化・政治・経済

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俳優の石田純一(66)が31日、フジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」の取材に応じ、自粛要請のさなかに沖縄へ行ったことが原因で妻の東尾理子との仲に亀裂が入ったことを明かした。
 番組では新型コロナ感染から回復し、2カ月以上が経過した石田を取材。石田は身体の具合は「大丈夫」と語ったが、自粛要請の最中に仕事で沖縄へ行ったことで、妻・理子と対立したことを明かした。  
石田は「(沖縄に)行くと言うことで、うちの奥さんと『価値観が合わない』ぐらいいわれまして。離婚じゃないですけど、そういうところまで行きました」と打ち明けた。  
石田は4月に仕事で沖縄へ渡ったが、そこで体調を崩し、帰京したところで検査を受け陽性が判明し入院。5月に無事退院したが、理子は感染が判明した直後にブログで「主人を止めきれなかったことを深く後悔」とファンへ謝罪している。  
石田は理子から「全部の考え方、行動が全然合わない」と言われたといい、結果、沖縄行きを強行しコロナに感染したことで「もちろんだから怒られた。ほらみたことかと」と言われたともコメント。「コロナ離婚じゃないけどそういう言葉が出るくらい大変な時期だった」ともコメント。その後も「僕らも話し合ったりもしましたけど、それがいい状態になっているか、未だに分からない」と寂しそうに語っていた。
 

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感染した父親が自宅療養 一緒に暮らす娘が心配する家庭内の感染 「盲点だったのは歯磨き粉」 新型コロナウイルス

2020年08月01日 02時39分28秒 | 医科・歯科・介護

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中京テレビNEWS

 新型コロナウイルスの感染が日々拡大する中、懸念されるのが患者の受け入れ先の状況です。愛知県の入院待ちの状況はどうなっているのでしょうか。  その問題に直面したという、名古屋の女性に話を聞くことができました。

 名古屋市内で、家族4人で暮らす女性。父親が新型コロナウイルスに感染し、高熱や咳の症状があるものの、自宅療養となっています。 「何度も、入院させてほしいという話を、保健所としてるみたいなんですけど」(女性)

<記者>お父さんの現在の状態は?

「体温は39℃、38℃から下がらず、そのままですね」(女性)

父親は、先週から発熱があり、一度下がったものの、7月25日に再び40℃近くまで熱が上がりました。  

この25日に、PCR検査を受け、28日に陽性が判明。その後3日間、自宅療養を続けていますが、40℃近い発熱が続いているといいます。

「急に悪化したりという可能性はゼロではないので、病院に入院させてもらえるのが一番」(女性)  

父親の、病状の悪化を心配しています。

 取材後、家族のもとに連絡があり、ようやく31日から入院できることになりました。ただ、女性にはもう一つ、気がかりなことが。

「一緒に自宅で療養しているというのが、心配なところです。家庭内の感染が」(女性)

 一戸建ての家に、父と2人の弟と4人暮らし。家の中では、基本的に別室で過ごし、接触がないよう気を付けているといいますが。 「盲点だったのは、歯磨き粉。みんなで共有していたので」(女性)  また、食べ物などの必要品は、近くに住む祖母や知り合いに玄関外まで運んでもらい、家から一歩も出ない生活を送っているといいます。

 しかし。 「(私は)28日~29日に37.2℃ぐらいの熱があって。弟は夜に熱が上がると言っていまして、37.6℃ぐらいまで上がったのかな」(女性)  

女性や弟たちに微熱の症状が出ていたといいます。3人は30日午前、PCR検査を受け、31日に結果が判明するということです。

中京テレビNEWS

 

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60歳以上の半数近く、預貯金取り崩し生活 内閣府調査

2020年08月01日 02時32分40秒 | 社会・文化・政治・経済

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60歳以上の人の4分の3が経済的な暮らし向きについて「心配ない」と考える一方、預貯金を取り崩して生活している人が半数近くにのぼることが、内閣府の調査でわかった。
政府が31日に閣議決定した今年度の高齢社会白書に盛り込まれた。  
調査は1月、全国の60歳以上の男女1755人(回答率58・5%)から聞き取りで実施した。
 経済的な暮らし向きについて「まったく心配ない」と答えた人は20・1%、「それほど心配ない」は54・0%。「非常に心配」とした人は5・1%だった。
日常生活の支出で預貯金を取り崩すことが「時々ある」は34・6%、「よくある」が13・5%だった。「ほとんど・全くない」は51・6%にのぼった。

朝日新聞社

 

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感染で入院の男性、鍵壊して外出し半日行方不明…温泉でシャワー浴びる

2020年08月01日 02時32分40秒 | 事件・事故

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埼玉県は31日、新型コロナウイルスに感染して入院していた同県春日部市の男性(40歳代)が30日夜に無断で病院を抜け出し、約半日の間、行方不明になっていたと発表した。  

男性は31日午前、同県川越市の入浴施設「小江戸はつかり温泉川越店」でシャワーを浴びたといい、同施設は消毒を行った。県は同日時点で濃厚接触者は確認されていないとしているが「施設を利用し、不安がある人は保健所に連絡してほしい」と呼びかけている。  

発表によると、男性は16日に感染が判明し、同県羽生市の羽生総合病院に入院。30日午後10時頃、病棟内の鍵を壊して外出し、タクシーで自宅に戻った。31日午前3時頃には自家用車で同県三郷市内の勤務先に滞在。その後、仕事の関係先がある川越方面へ向かった。

 家族の届け出に基づき、警察官が同日午前10時、入浴施設周辺で男性がいるのを確認。男性は県内の別の医療機関に再入院した。男性は無断外出の理由を「仕事の進み具合が心配だった」と話しているという。  

県は今後、入院を拒否する感染者に対しては「感染症法に基づき強制入院措置も検討する」としている。

 

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都医師会長「国全体が感染の火だるまに」 法改正求める

2020年08月01日 02時29分36秒 | 医科・歯科・介護

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「良識ある国会議員の皆さん」と書いたパネルを掲げる東京都医師会の尾崎治夫会長=2020年7月30日午後、東京都千代田区、荻原千明撮影

 東京都医師会は30日、記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて国が金銭的な補償を伴う休業要請を行い、応じない場合は罰則を適用できるよう、新型コロナ対応の特別措置法の改正を政府に求めていく考えを示した。

尾崎治夫会長は「良識のある国会議員のみなさん、コロナに夏休みはない。国会をひらき、国がすべきことを国民に示し、国民、都民を安心させてほしい」と早急な対応を訴えた。

【写真】「今が感染拡大を抑えるための、最後のチャンス」と書いたパネルを掲げる東京都医師会の尾崎治夫会長=2020年7月30日午後、東京都千代田区、荻原千明撮影  

会見では、新宿の歌舞伎町や池袋の繁華街をはじめとした感染が集中している地域向けの施策として、(1)休業補償を伴う強制力のある休業要請を地域限定で14日間ほど行う(2)その地域で集中的にPCR検査を実施し、無症状者も含めた感染者の洗い出しと対策を徹底する――ことなどを提言した。

 尾崎会長は、東京だけでなく愛知、大阪、福岡、沖縄でも感染者が急増していると指摘。「休業のお願いという(従来の)形のままだと日本全体が感染の火だるまに陥っていく。

国が特措法を改正することが全国の火だねを消す唯一の方法だ」と危機感をあらわにした。  公衆衛生上必要なPCR検査の拡大についても、「保健所中心(のいまの態勢)では能力的に無理。大学や研究所などを動員してしっかりやることが大事で、感染症法の改正が必要になってくるかもしれない」などと述べた。(嘉幡久敬)

朝日新聞社

 

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感染状況、4段階で対策 状況に応じ営業自粛要請 新型コロナ分科会

2020年08月01日 02時25分00秒 | 医科・歯科・介護

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新型コロナウイルス感染症対策分科会を終え、記者会見する尾身茂会長=7月31日午後、東京都千代田区

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)は31日、新型コロナの感染状況を四つの段階に分けた上で、感染防止策として飲食店への休業要請や、緊急事態宣言を検討するよう政府に求めることで一致した。

【図解】感染状況と対策  4段階の区分けにより地方自治体の取るべき対策を明確にすることが狙い。自治体が現状を評価するための指標に関しては、数値を含めて検討を続ける。  

安倍晋三首相は同日、首相官邸で記者団に対し、「地方自治体としっかり連携を取り、必要な対応を講じる」と述べ、分科会の提案を踏まえて対処する意向を強調した。  

分科会では感染状況を、(1)感染ゼロ散発段階(2)感染漸増段階(3)感染急増段階(4)感染爆発段階―に分類。「爆発段階」は死者が急増する事態を想定した。尾身会長は記者会見で、東京都や大阪府の現状について「『感染漸増段階』に当たる」との見解を示した。  

分科会は感染段階を判断する指標として、▽重症者向け病床の稼働率や60歳以上の感染者数を踏まえた医療提供体制の状況▽PCR検査の陽性率▽新規感染者数や感染経路不明の割合―などの項目を列挙。各指標の具体的な数値については、引き続き詰める。  

その上で指標に基づき、「急増段階」に進む予兆があると判断すれば、都道府県知事から飲食店への休業要請や人数制限、外出自粛や、感染拡大地域への移動自粛などを要請。メリハリを付けた感染対策を取ることを提案した。

 感染悪化に歯止めがかからず、「爆発段階」への予兆が見られれば、接触機会を全面的に低減する必要性を指摘。対策として、緊急事態宣言の再発令や県境をまたいだ移動の全面自粛、生活必需品を取り扱う事業者以外の全面休業要請などを挙げた。 

 

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新型コロナ感染で異常行動 和歌山の50代男性、脳症と診断

2020年08月01日 02時23分01秒 | 医科・歯科・介護

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 和歌山県は7月31日、新型コロナウイルスに感染し、異常行動が確認されている50代男性会社員について、新型コロナによる脳症と診断されたと発表した。
県によると、国内では新型コロナによる髄膜炎とみられる症例はあるが、脳症の症例は珍しいという。男性は21日に感染が確認され、27日から大声を出すなどの異常行動を取るようになったという。現在は快方に向かっている。【新宮達】
 

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郡山店舗、過去に消防法違反 爆発で周辺184棟に被害

2020年08月01日 02時20分09秒 | 事件・事故

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骨組みだけになった店舗を現場検証する福島県警の捜査員ら=2020年7月31日午後0時13分、同県郡山市島2丁目、田中基之撮影

 福島県郡山(こおりやま)市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」が爆発し、1人が死亡、19人が重軽傷を負った事故で、郡山消防本部は31日、周辺の民家やビルなど少なくとも184棟で爆発による被害が確認されたと発表した。

【動画】飛び散った破片や爆発の震動で窓ガラスが割れるなど、パニックに  

消防によると、調査は30日と31日に実施。爆発した飲食店の半径数百メートルの範囲で、建物にひびが入ったり、ガラスが割れたりする被害があったという。

 また、消防が2018年12月に同店を立ち入り検査した際、防火管理者の未選任や消防訓練の未実施などの消防法違反が判明。10日以内に改善し報告するように指導したが、店側からの報告はなかったという。飲食チェーンを傘下に持つ外食大手コロワイド(横浜市)は「事実関係を現在確認している」としている。

 県警は31日、爆発当時、店に工事の点検に来た現場責任者の男性(50)の死因について、正面から強い爆風を受けたことによる肺挫傷と発表した。また、31日から容疑者不詳のまま業務上過失致死傷容疑で現場検証を始め、店舗のプロパンガスのボンベ6本を回収し、破裂していないことを確認した。

朝日新聞社

 

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