とねり日記

とりことや舎人(とねり)の
どげんかせんとの日々

炭焼きへGO!(4)燃えろよ燃えろ~よ♪

2013年03月29日 | 山里から
3月21日~22日

これは3月17日時点の窯の側面。側面上端までまだ50~60センチほどある。


土を入れ叩いて締めて、土を入れ叩いて締めて、3月21日にはここまできた。


窯の焚き口もこのとおり、しっかりできた。


3月23日
窯打ちを明日に控え、今日は、窯の天井部に土を入れ、ある程度までは詰めておかねばならいが、窯のてっぺんまで、まだだいぶある。

でも大丈夫、新兵器「プレート」が来た。地ならし機みたいなもの。窯の側面を締める時に使っていたエンジン付き「ランマ」では天井を壊してしまいかねない。トシローさんが職場の同僚から借りてきた。ふふふ、頼りになりそう。


ところが、エンジンがかからない。最後にエンジンかけたのが5年前だそうだ。みんなでよってたかって、あーだこーだ、やってみるがダメ。ウンともスンとも言わない。しかたなく、地元JA農業機械担当責任者のリイチさんに電話した。リイチさんも地域(上小畑)の住人。
「ちょっと見てくれへんか。頼むわ~」
「いますぐには行かれへんけど、待っとって、行くさかいに」

30分、1時間…、時間ばかりが過ぎていく。トシローさん、たまらず、人力で窯を打ち始めた。
ミーちゃんのためならえーんやこーら。


「えらいなあ(しんどいなあ)」とぼやきながらトシローさんとセーやんが窯を叩いていると、リイチさんが仕事の合間を縫ってやってきて、ほんの15分ほど機械をいじったら動き始めた。これぞ、地域力。頼りになるなあ。

トシローさんとセーやんがプレートの両側を持ってジルバを踊るように圧をかける。ナガちゃんと私は土を入れる。


圧をかけた後、叩いて締める。


手を取り合ってダンスを踊るように、プレートを操る二人。
♪目を閉じて 胸を開いて ハダカで踊るジルバ~♪(byサザン)


土を入れる、圧をかける、叩く、締める。乗ってきたなあ。窯のてっぺんにどんどん近づいてくる。
ついにこの日、窯全体を土で覆うことができた。


さあ、明日はいよいよ窯打ち。みんなで最後の叩き締めをおこない、火を入れる。神事や振る舞いもあるよ~。


3月24日
朝から窯打ち。「里まる」フルメンバーのほか助っ人も来てくれた。上小畑のヨッさんとシゲやん、そして「府民の森」の炭焼きクラブから一人。


大勢でやると早いなあ。2時間ほどでほれこのとおり。窯打ち終了。ちょっとあっけない。


でも山の男たちの手は止まらない。次は小屋がけだ。棟木を乗せる柱を立て、柱を支える杭を打つ。ヨッさんは山仕事のベテラン。80歳近いが道具を持つとピシッと決まる。


9メートルの栗の枯れ木を乗せ棟木にする。


お昼になったのでいったん手を止め、神事。山の神様に洗い米と塩とお酒とぼた餅をお供えし、窯ができたことを感謝する。


お昼は「里まる」女子部が用意したおにぎり、豚汁、バーベキューなどが振る舞われる。


舎長が作ってくれたぼた餅(おはぎ)。ずんだ(枝豆〈黒豆〉のあん)と小豆と古代米の3色。黒豆はこの地区の耕作放棄地を活用して若手有志の会が作ったもの。


地域のお年寄りたちもお祝いに来てくれた。


お昼もすみ、小屋がけの仕事も一段落したので、いよいよ火入れ。パンパカパーン。「里まる」会長のセーやん(いつの間にか事務局長から会長に昇進していたのです)が点火。


燃える、燃える。


ナガちゃんも嬉しそう。後ろの兄ちゃん、チャラけるな!


生畑のキレイドコロもおそろいでやってきた。


私らにも叩かせて~。お地蔵さんの頭をなでたら御利益があるみたいに、ぺたぺた。


キレイドコロも交えて記念撮影。


そして、2度目の乾杯。


夕方になり、そろそろ仕舞いの準備。焚き口に割り木を積み、


割り木の外側に焚き口を覆うように石を積む。


ここまでして、初日は終了。さあ帰ろうか…。


でも、みんな窯の前からなかなか動きません。
中天に13夜月がかかり、火勢ますます盛ん。火の粉を巻き上げ天まで焦がせ。

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炭焼きへGO!(3)××ちゃんのためなら

2013年03月21日 | 山里から
3月14日
泥を練って作った窯奥の煙突部分が固まってきたので、煙突の穴になる丸太ん棒をユンボで引っこ抜いた。


泥を乾かし固めるため、窯底部にある煙の出口で火を焚く。


上から見たところ。


火を焚きながら、窯のなかに木を並べはじめる。1本が約1.2メートル。モト(根元側)が上、スエ(先端側)が下。この逆だと上部にすき間ができてしまう。窯の周辺で伐った木だが、数十年も人の手が入っていなかったため、どの木も太くなりすぎていて、炭焼きに適した太さの木は少ない。この木は炭にするというよりも、むしろ窯を作るためのもので、焼き上がった後、炭にはなるのだが、あまり上質のものは望めないそうだ。2度目の火入れからが本格的な炭焼きになる。


高さの不揃いはチェーンソーで切り揃えていく。


窯の手前べら(「べら」というのは「~側」というこの地方の方言)に太い木を、奥の煙の出口付近には直径10~15センチほどの細めの木を並べる。焚き口付近は火勢が強くてすぐ焼けてしまうから太い木を、奥は煙の出口をふさいでしまわないように細めの木を、ということだ。


3月15~17日
窯の中心部には1.7メートルくらいの木を20本ほど並べる。


上から見るとこんな感じ。


これをワイヤーで縛る。


そして短く切った木を間に敷き詰めドーム型に形を整えていく。


ナガちゃんが木を切る。セーやんが並べる。セーやんの手の動き、早い。


みるみる間に、できあがり。


これに古ムシロを巻きつける。


窯の入口(焚き口)作りにも取りかかる。材料は木住川から運び上げてきた石。これを鳥居のように積みあげる。自然石なので、うまく合うよう調整するのが難しい。


窯の壁とムシロの間は赤土を詰めて叩き締める。ミズトくんが使っているこの道具も山の木で作ったもの。


土留めの柵を作るため枯れた栗の木で作った杭を打ち込む。いろんな作業が並行して進んでゆく。
ユキちゃんのためならえんやこーら。


ユキコちゃんのためならえーんやこーら。


ケイちゃんのためならえーんやこーら。


去年の大晦日、ラジオから流れてきた美輪明宏の『ヨイトマケの歌』、しびれました。

この杭に枯れた栗の幹を縦に半分に割ったものを渡し土留めの柵とし、土を入れていく。枯れた栗は、窯周辺にゴロゴロある。栗はむしろ枯れ木の方が硬くて強い。


そして叩く。締める。


筋肉仕事は力あるものに任せ、私は団子を丸める。


側面がある程度できあがってきたところで、入口天井となる石を載せる。


大仕事を終え、窯打ちと火入れを24日(日曜日)と定めた。
窯打ちというのは、窯の屋根となるドーム状の部分に土を入れ叩き締めること。窯づくりのクライマックスだ。


3月20日
春分の日。皆が集まれる貴重な日。だが朝からどんより曇り空で、いつ雨が降るか心配。
窯が24日に完成するか否かは、この日の作業にかかっている。午前中はなんとかもった。
だが、昼過ぎから雨が降り始めた。赤土で窯を作っているので、雨の中ではねちゃくって仕事にならない。

もうこれ以上無理かなあ、と思っていると、午後2時ごろ、ヒトッちゃんが軽トラにビニールシート、ロープ、脚立etc.を積んでやってきて、窯の上にテントを張ってくれた。頼りになる兄貴だ。


これでキン肉マンたちのやる気が復活。トシローさんがどこからか借りてきたエンジン付き「ランマ」も大活躍で、窯の側面部はほぼできた。チーム「里まる」やるなあ。


3月24日(日曜日)、窯打ちをします。窯打ちをしてみたい方、見たい方、おいでください。窯打ちの日にはおはぎを振る舞うのがこの地方のしきたりとかで、舎長がとりこと舎特製「無農薬天日干し古代米おはぎ」の仕込みにかかっています。また「里まる」女子部が豚汁やバーベキューを準備中。お酒の振る舞いもあります。飲みつぶれた方には、わが舎の農機具小屋ロフトの藁のベッドがありますよ~。
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炭焼きへGO!(2)半炭半カフェ

2013年03月18日 | 山里から
炭焼き窯建設予定地までの道はできた。


だが、実際にどこに窯を掘るかがなかなか決まらない。

3月6日から7日にかけて、試しに2カ所、ユンボで掘ってみた。1カ所は、地表から1.5メートルほどは窯に適した赤土が出るのだが、その下に砂礫(されき)層がある。砂礫層からは小石がボロボロ崩れ落ちる。これではまともな炭は焼けない。


もう1カ所からは水がにじみ出てきた、これもダメ。

ここはナガちゃんが20歳のころ炭焼きをした窯跡。ここを再利用できないかと、底の方をユンボでさらってみたが、水が出てきた。


60年の歳月を経て、地中の水の道が変わってしまったようだ。


ナガちゃん曰く「窯の場所をどうするか考えると夜も眠れなかった」と。なにしろ「里まる」のメンバーで唯一の炭焼き経験者(熟練者)なのだから、誰にも相談できない。ナガちゃんが眠れない夜を過ごしていた時、何も知らない他のメンバーはいびきをかいてぐっすり眠っていた(んじゃないかな)。

そして3月8日、カフェのお客さんが帰った後、午後2時半ごろ現場に行ってみると、まあ、なんということでしょう! 直径2.5メートルの窯の底が立派にできている。場所は、あの砂礫層が出てきたところ。ナガちゃんによると、最初に砂礫層のあるところを広く深く掘り下げ、掘り下げたところに赤土を入れ、ユンボのシャベルの部分などで押し固め、そうやってできた直径6メートルほどの円形の場所の中心に直径2.5メートル、深さ1メートルの円を掘ったとのこと。やるなあ。ニコニコ顔のナガちゃん。今夜から眠れるなあ。


80歳の顧問が一人でこれだけ頑張ってくれたんだ、俺たちもやるぞ~。で、腰打ち開始。「腰」とは窯の側面のこと。ここを巨大な木槌みたいな掛矢(かけや)で叩き締める。


叩く。締める。叩く。締める。


しんどい~。「石や土をなぶる時はたらたらやれ」と誰かが言ってた。頑張りすぎると続かない。叩いては休み、叩いては休み。


叩いていると、砂礫層が残っていたところから壁が崩れはじめた。なかの砂礫を掻き出し、


赤土を練って丸めた泥団子を入れ、叩き締める。


3月10日、11日は煙突の縦穴を掘り、


底に煉瓦を並べ、


煉瓦の上に丸太を置き、泥団子で塗り固める。この丸太は泥が乾いた後で引き抜く。


この間の作業はほとんどナガちゃんだったが、セーやんやミズトくんも昼勤と夜勤の合間や、半休を取って駆けつけてくれた。とりこと舎はこの間、嬉しいことに連日のお客さんで、客が帰った2時か3時ごろようやく現場に行くといった半炭半カフェ状態。働くナガちゃんの後ろ姿に手を合わせつつ、窯はじわじわ形を整えていく。





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炭焼きへGO!(1)目玉のダン

2013年03月12日 | 山里から
炭焼きクラブ「里まる」(昨年12月29日付ブログ参照)が、いよいよ動き始めた。

上稗生(かみひよ)と安鳥(やすとり)、2集落の共有林で炭焼きをしてよいとのお許しが得られ、3月2日、作業が始まった。場所は木住(こずみ)川の始点からさらに支流(谷上=たんじょ)をさかのぼった「目玉のダン(段?)」と呼ばれる場所。毎朝ラク(犬)を散歩させている林道の途中にある。

初日の作業は、その目玉のダンから窯建設予定地の斜面までの間に、軽トラックの入れる道を作ること。約100メートルほどある。

朝8時半、主要メンバーが谷上の目玉のダンに集結。


続いて「里まる」顧問のナガちゃん(80歳、現役)がトラックにユンボを積んでやってきた。一同拍手でお出迎え。


この奥の斜面に窯建設予定地がある。人の手が入らなくなって数十年。すっかり荒れ果ててしまった。


塩と洗い米


そしてお酒をお供えし


山仕事の安全、窯の建設、そしてよい炭が焼けるよう、山の神様にお願いする。


みぞれ混じりの冷たい雨が降るなか、作業開始。


男性陣がチェーンソーで木を伐り


作業の邪魔になる小枝などを女性陣が運び出す。


ユンボを操るのはトシローさん。


みんなでやると作業がぐんぐんはかどる。


1日で窯建設予定地までの道が開けた。


作業終了後、記念撮影。
オーラが出ている?
いえいえ、焚き火の煙です。

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