暑いなあ。夏休みがほしいなあ。でも、期日を切られたタスクのあれこれを抱えて、不快な汗にまみれながら老躯に喝!を入れつつ仕事に励む日々が続く。
田んぼの草取り、迫り来る能の発表会のお稽古、ハイシーズン突入の民宿業、そして新しい鶏小屋作り…。
家主さんから土地の境界(私たちが賃借している土地と、賃借していない家主さんの所有地との境界)にフェンスを設けるので7月末までに鶏小屋を移動するように言われた。
上の写真の古い鶏小屋の背後の斜面にフェンスを作るのだという。
この古い鶏小屋、十数年前、隣の集落(東牧山)に住んでいた舎長のお友だちのOさんから譲っていただいたもの。Oさんが京都市内の実家に転居することになり、ベンチなどいくつかの大きな荷物とともにいただいた。Oさんのダンナさんが移動することを想定せずに作った(に違いない)ので、太くて厚い古材をふんだんに再利用して堅牢に作ってある。これを6人がかりで、当時、車が通ることのできなかったわが舎への坂道を人力で運び上げたのだが、いま持ち上げてみようと試みてもピクリともしない。「こんなものよく持ってこれたなあ」と我ながら感心してしまう。あの頃はみんな若かったんや…
以来、錆びて穴があいた金網を張り替えたりトタンで塞いだり、壁板を補修したりしながら使い続けてきたが、この際、新しく作りなおそうではないか。
重たくて私と舎長の力では動かせないので現場で解体し、新しい小屋は別の場所で作り、現場に運んで組み立てることにした。
というわけで、新しく作る鶏小屋の条件は、まず軽いこと。そして、パーツごとに運ぶことができること。そしてなるべくお金をかけないで作ろう。
うまいことに3㎝×4㎝角の古い角材が何本かあったので再利用することにした。壁や床に使うコンパネは新たに購入した。
コンパネをカットせず最大限有効に使い、軽量かつ強度を増すために、枠となる角材にホゾ穴を穿ち、
ホゾを切り出して繋ぐ。
屋根は別に作る。
トタンは離れの裏の物置小屋を解体したものの再利用。傘クギを抜いた穴のところに野地板がくるようにして、古いクギ穴に新しい傘クギを打つ。こうすれば雨が漏れない。
新しい小屋ができあがるころ、古い小屋の解体にかかる。
解体することを想定していないので、まあなんと頑丈に作ってあることか…
ようやく土台まで解体。ここまで解体してもまだ一人で運べない。舎長と二人えんやこらせーどっこいせ。
解体が済んだら、新しい小屋の立地スペースを空けるために、下の写真の三つの小屋を50~60㎝ほど北側(向かって右側)にずらす。
これも重たくて二人では運べないので、小屋の両脇に枕木を置き、その上に単管(直径7~8㎝の鉄管)を渡し、その上に小屋を乗せ転がして移動する。
空いたスペースにコンクリートブロックの基礎を据え、小屋を設置。別枠で作った屋根を載せてビスとフックで小屋に固定。解体した小屋のドアから外した蝶番で新しいドアを付け、錠を付け、出来上がり。
ドア枠もあれこれの端材の寄せ集め。このピーコマークは当舎オリジナル木工作品に押す焼き印の試し押しのときの端材。今回の鶏小屋総制作費はコンパネ4枚5962円+金網3m2094円+コンクリートブロック4個440円=8496円。
何とか4棟並んだ。以前と違い、ピーコたちの様子が母屋側から一望できるのがいいなあ。それと母屋と離れ(空き家)の間に挟まれているので台風などの風の影響を受けにくい。加えて水やり餌やりなど管理がしやすい。いいことずくめだ。
新居にはコマたちを入れた。
どうや? 新居の居心地は。
ありがチュー!