とねり日記

とりことや舎人(とねり)の
どげんかせんとの日々

道標(みちしるべ)

2024年05月11日 | 山里から

新緑の季節ですね。わが舎も息が詰まるような若葉にすっぽりと包まれてしまった。新鮮な酸素を胸いっぱいに吸い込むと細胞の隅々まで若返るような気がする。

一年中で最も美しいこの季節、晴れた日には古いシャンソンの名曲『美しき五月のパリ』とか『そよ風に乗って』とか口ずさんでしまうなあ。毎年のことだけど。

美しい山も川も越えて~ワゴンは二人を乗せて走る~♪

ああ自然はこんなに美しいのに、移ろいゆく時を止めることはできないのに、ああオレは過ぎ去る時をただ眺めているだけなのか…(これもシャンソン調)。それにしても最近、歩いてないよなあ、たまには山歩きでもしたいなあ…、お客さんもそう思うだろうなあ、歩きたいというニーズは強いはずだ、と強く感じる今日この頃。

3月に来られたお客さんにも、どこか歩けるコースがないかと聞かれ、峠の向こうの山中に人口4人(2世帯)の集落があり、そこに「九(くう)」という不思議な雰囲気のブックカフェがある。片道1時間半で行ける、と薦めたところ、「それじゃあ来月、また来ます!」と言って帰っていかれた。

薦めてはみたものの、地元の人が時たま通るだけの杣道(そまみち)で、登山道として整備されているわけでもないし、国土地理院の地形図にものっていない。お客さんに何かあっては心配なので、「九」のご夫婦と私たちで簡単な整備をすることにした。

まず現地調査から。

文字が判別できない古い道標や、壊れている道標、

斜面が崩れている箇所、イバラが茂って通りにくくなっている場所などを確認。

4月12日に道を整備し、

イバラを切り、

道標を補修、

峠には新たな道標を設置した。

そして「来月、また来ま~す」といって帰っていかれたお客さんを、4月の連休初日に迎えた。

私たちが整備した道の最初の利用者。行ってらっしゃ~い、と笑顔で送り出したのだが…

道標が不備なところが1か所あって迷われたのと、新設した道標も何ものかに破壊されていたとのこと。

写真を見せられ、ガ~~ン!!

「九」のお二人に連絡すると、翌日、現場を見に行ってくれた。

二人によると、犯人は動物ではないかとのこと。人間が器物を使って破壊したにしては変だし、よく見ると牙か爪の痕のようなものもあると。人間の仕業ではないと聞いて、いくらかホッとした。

道標のプレート部分はラッカースプレーで下地を黒く塗った後、白ペンキで文字を書き、杭の部分にはクレオトップ(木質防腐剤)を塗布したのだが、シンナー系の匂いに反応したのだろうか? 熊か鹿かキツネかアライグマか、中型以上の動物のシンナー遊びかな…。

壊された道標は九のお二人が補修し作り直して再度設置してくれた。そして…嬉しいことに、当舎と九の間の地図も!

九の営業日は毎週金、土、日、月の4日間。魅惑のスパイスカレー、ネルドリップのトロリ美味しい珈琲、野草茶、ケーキなどがある。九からさらに1時間ほど下ると日吉温泉(スプリングスひよし)も。

連休初日のお客さんは「来月もまた来ます、今度は迷わずに(九へ)行きます!」と言って帰っていかれた。

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