とねり日記

とりことや舎人(とねり)の
どげんかせんとの日々

梅仕事(1) 酵素シロップ 

2018年06月26日 | 山里から
梅仕事の季節がやってきて舎長がまたそわそわしはじめた。
この前そわそわしていたのは茶摘みのころだったか。いやいやその後のドクダミ摘みのころもそわそわしとったなあ。まあ、フォーシーズン、なんかしらそわそわしてるのがうちの舎長なのです。
例年の梅仕事は、梅酒に梅シロップ、梅ジャム、ウメボシといったところだが、今年は梅を使って酵素シロップなるものに挑戦する。
「酵素シロップ」…私は始めて聞きましたけど、世間では少し前からプチッとブームらしい。

そもそも酵素とはなんぞや?
よくわからんもんがわかった風なことを書くとサプリ会社のチラシみたいになるのでやめておきます。
まあ、体にええもんやくらいでよいのではないでしょうか。
で、その酵素シロップをなぜ作ることになったかというと、毎月一度ご夫婦で泊まってくださるお客さんが「とりこと舎で酵素シロップを作りたい」とおっしゃられたからなんです。
とりこと舎の空気をこよなく愛してくださっているお客さんなんですが、空気のなかに漂う菌、柱や梁や天井板や畳にくっついている菌など、この空間のなかの見えない菌の存在も感じ、愛してくださって、「ここで醸したい」と思われたのかもしれませんね。

まえ置きはさて置き
裏庭の梅をまずは収穫。


かご一杯の青梅。


さあ作るぞ。
杉本雅代『手作り酵素シロップ』を手元のおいてページをめくりながら作っていく。
材料は梅でなくても酸っぱい系の果物や野菜、ハーブ、穀物など幅広い。複数の素材を組み合わせてもよいらしい。
梅で作る場合は、梅シロップの作り方、材料とほぼ変わらない。わが舎の梅シロップと違うのは、白砂糖(精製された上白糖)でなければならないということと、1日1~2回素手でかき混ぜる、できあがるまで蓋を開けておくということくらい。
まずは梅のヘタを取る。


次に梅の両端を包丁で落とす。こうすることで砂糖のなかに梅のエキスがにじみ出やすくなる。


そして砂糖、梅、砂糖、梅…とサンドイッチしながら瓶に詰めてゆく。
なぜ白砂糖かっていうと、精製度の低い粉黒糖や粗糖では腐敗して失敗することが多いらしい。


仕込み終了。簡単やったなあ。ちなみに手前右側の広口瓶は粗糖で浸けた普通の梅シロップ。これは、このままかき混ぜることもなく冷暗所においておくだけ。砂糖が溶けたら濾して飲み始められるのだが、うちの場合は5年、10年と長期保存のものもあり、熱愛してくださる密かなファンがいらっしゃる。


だが酵素シロップの方はこれからひと手間があり、これがおもしろい。
できあがるまでの1週間、毎日1~2回、素手でかき混ぜるのだ。


なぜ素手かっていうと、人間の体についている常在菌を混ぜ込むためなのだ。
レシピ本の著者によると「ぬかみそも手で混ぜるでしょ?」ってことらしい。
ところで「常在菌とは?」。またサプリのチラシになりそうだな。
まあご自分で調べてください。

そして3日目、だいぶ梅のエキスが出て砂糖が溶けてきた。


1週間ほどで砂糖が溶けきったら飲めるそうだ。ということは7月1日ころか。
アーシング・イベントの時に試飲してもらえるかもしれませんね…
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夏至祭

2018年06月24日 | 山里から
わが舎では毎年、夏至の日に「夏至祭」をする。
祭りといっても、まあ、舎長と二人、乾杯する程度のことだが。
ただ今年は6月21日は1日外出していたので、夏至の翌日22日に乾杯した。

一日が終わり土間の前のベンチに座ると夕陽が山の端にかかり始めていた。


スマホで夕陽を撮ると、光がハレーションして画面を縦に割るのがおもしろい。
試しに縦位置で撮ってみると…
画面を横に割る。
なるほどスマホのレンズに対しては常に同一方向にハレーションするわけだね。


夏至祭というのはフィンランドとかスウェーデンとかの北欧の国では盛大にやるらしい。クリスマスに次ぐお祭りで、夏至に近い土曜日を挟んで3日間くらいをアニュアルホリデーにして、夜通し飲んだり食べたり踊ったりの夏の最大イベントなんだそうだ。
その気持ち、わかる。
フィンランドの冬は一日中お陽さんの顔が拝めないような日が続くんだよね(その替わり夏は白夜になるのだが)。
うちも「安鳥のフィンランド」と言われていて(いないか)、冬の3カ月間くらい太陽は山の向こうに隠れ、陽がまったくささない。ほんの100メートルほど離れただけの川向の道路とわが舎の気温差は、晴れた日には5度以上ある(と思う)。服2枚分くらいはあるな。
そんなんで、立春が過ぎ太陽の高度が高くなり、山の向こうから陽が当たり始めるとほんとうに嬉しい。
その嬉しさのピークが夏至なんだ。
夏至を過ぎるとまた一日一日、日が短くなってゆく。
フィンランド人の気持ち、わかるよなあ。

ああ、もうすぐ陽が沈む。


乾杯!
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アーシングは「嗚呼! 深 goo!」

2018年06月14日 | 田んぼ・野良仕事
田植えの2日後、6月1日に2回目のヌカ撒き(1反あたり10キロ)をし、その3日後、1回目のチェーン除草をした。
現在、2回目のチェーン除草がすんだところ。あと2回、計4回チェーン除草をする予定だ。


今年は草が少ない、と舎長は言う。2回のヌカ撒きとチェーン除草が効いているのか。


失敗だったのはチェーン除草で苗まで抜けてしまったこと。
田んぼの所々にカンパチ(沖縄語でハゲ状の頭の傷跡)ができてしまった。


原因はヌカが効きすぎて苗の活着が悪かったこと、か? もう2~3日チェーン除草を遅らせてもよかったかなあ。
米作りは1年1作、毎年何らかの課題を次の年に持ち越す。

とまあ、田んぼはこんな状態で、静かに7月1日を待っている。

安藤庵との4回目のコラボイベント『からだごと大地と繋がるアーシング&乳酸菌作り』まであと2週間ちょっと。


その前に主催者である私たちもアーシングを実感しておこうと思い田んぼに行った。
実は、米作りを始めて8年になるが、ここの田んぼに素足で入ったことは一度もない。田植え準備から稲刈り・ハザ掛けまで、1シーズンに何十回と田んぼに入るが、田植え靴だったり長靴だったり地下足袋だったりでね。

で、何十年ぶりかで素足で田んぼに入ってみたのだが…


田んぼの土は思っている以上に柔らかく深い。田植え靴のゴムを隔てて感じてきた土の感触とはまるで違っていた。これまで何百回も田んぼに入っていた私たちにして、「なんだこれは?」というような感触。でも馴染んでくると、ええもんやぁ…

ただ、田んぼのなかで長時間作業するには素足はちとしんどいなあとも思った。一歩一歩がぐにゃっとして定まらない。
そして、だいぶ以前に舎長から聞いた美山のフサちゃん(84歳)の話を思い出した。
フサちゃんの若いころは田植えも田草取りも裸足だった。その後、地下足袋を履けるようになって、劇的に田んぼ仕事が楽になったそうだ。

昔の人の苦労を思いながら、小一時間ほど田草取りをし、
「ガハハハハ~」を三唱して本日のアーシング終了。


用水路で足を洗い、


家へ戻り、仕事納めの一杯。


当舎オリジナルのウォッカベースのヤギ乳カクテル。
名付けて「シャイン(舎員)のしずく」英語表記は「Shine drops」
コクがあって爽やかで涼味あふれる初夏のカクテル。特に夏の田んぼ仕事のあとは格別や。
一口飲むと、アースっとする。ガハハハハ~!
お酒がダメな方は、初恋の(人と30年後に再会したような)味『ヤギ乳カルピス』もご用意しています。

残席わずかですがまだあるそうです。
お申し込みは「こちら」からどうぞ。
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最後の田植え

2018年06月10日 | 田んぼ・野良仕事
5月29、30の両日、田植えがすんだ。


これがこの田での最後の田植えになる。


地権者(家主さんの娘婿さん)が今期限りで田んぼを返すよう通告してきたからだ。

この1枚の田でイセヒカリ(白米)、大師黒(黒米)、ヒエリ(香米)、みどり糯(緑米)の4種類のお米を作ってきた(もう1枚、別の地主から借りている小さな2畝ほどの田んぼで赤米と白もち米を作っている)。一反弱の田んぼだが、ここで穫れる米で、舎長と二人食べる分と宿泊やランチのお客さんに出す分、そしてわずかだが販売する分まで賄えた。
稲というのは何と豊かな作物なのかとつくづく思う。

2011年から米作りを始めたが、12年からはこの1反あまりの田も借りて、無農薬でやってきた。毎年草との闘いに負け、単位面積あたりの収量は15年まで若干の出来不出来はあっても概ね右肩下がりできた。
イセヒカリに限ると12年136キロ(3畝)、13年186キロ(4畝)、14年183キロ(4畝)、15年122キロ(4畝)、16年273キロ(5畝)、17年215キロ(5畝)…
だが16年はV字回復の大豊作となった。原因は米ヌカとチェーン除草による有機的な抑草・除草が成功したこと、加えて地力が少しずつついてきたこと、かな? 無農薬の米作りに手応えを感じ始めたところだった。

5月10日、反当たり200キロのヌカを撒いた田に水を入れ、荒代を掻いた。


今回初めての試みだ。隣町の園部で無農薬でやっている先輩農家から教えてもらったやり方を試してみることにした。
田植えの後、さらに反100キロのヌカを撒く予定(これは例年どおり)。

5月17日、畦付け。


5月28日、本代(植え代)を掻き、


均平した(舎長から「苦しい表情を!」と言われて演技しました)。


田植え当日、苗床からワイヤーで苗箱を切り離し、田植え準備完了。


田植え前に舎長が豊年エビを見つけて手のひらにすくい上げた。


ズーム・イン!


こういうものを見つけたときの舎長は本当に嬉しそうだ。
それにしても舎長の手のしわよ…苦労かけっぱなしや。

田植え翌日、雨降るなか挿し苗(補植)。


補植終了。
激しい雨が降った。


And it's a hard, it's a hard, it's a hard, it's a hard
It's a hard rain's a-gonna fall♪
(by Bob Dylan)
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