とねり日記

とりことや舎人(とねり)の
どげんかせんとの日々

トチの脚にも春が来た

2017年03月22日 | わが舎の動物たち
ようやく春らしい陽ざしが届いた春分の日。
庭に洗濯物を干した。


去年も一昨年もこの時期のブログには庭の洗濯物の写真を載せている。
くすんだ色合いのくたびれたユニクロの服ばっかりだから舎長はいやがる。
でも、貧しき我らの暮らしも春の陽ざしは等しく包んでくれているのだよ。
今はそれだけを喜びたい。なんちゃって。

庭に椅子を出して読書するお泊まりのお客さんの上にも、砂浴びをするピーコたちの上にも、等しく春の陽ざしは降りかかる。


そしてトチ君の上にも。
ん?トチ君の脚…
そう、包帯が取れたのです。


10日ほど前、トチを動かないようにロープで柵にくくりつけ、石膏包帯の隙間から剪定バサミを入れ、少しずつパチンパチンと切り開いていった。
どうだ、せいせいしたろう。脚が少し痩せたな…


久しぶりに外に出し、コンテナに干し草をひとつかみ入れてやると、押しのけ合いながらガツガツモグモグ。


あっという間に平らげ、もっとくれ~


もっとくれ~


もう無いとわかると、じゃれ合い始めた。


さあ、小屋でお昼ご飯だよ。
小走りに帰るトチ。
まだびっこを引いているが、6割くらい元に戻った感じだ。
コメント (2)
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門出の春

2017年03月16日 | 山里から
朝から冷たい霙が降り続いている。春まだ遠い3月15日、大阪からIさんと娘さんのAちゃんがやって来た。Aちゃんが大学に合格して遠くへ行ってしまうので、「これからは娘が来れなくなるかもしれないから」と連れて来てくれたのだ。

ひとつき前にチョコレートをもらっていたので、お返しに、檜の端材でカッティングボードを試作してみた。以前から舎長に「作って~」と言われていたのだが、よいきっかけだと思い作ってみた。一緒に来るAちゃんの合格祝いも含め2枚作った。


まだカフェを始める前の2012年夏、中学2年生のAちゃんは仲のよい友だちと二人でわが舎に泊まりに来たことがある。お母さんからとりこと舎の写真を見せられ、「行ってみたい」と思い、自分でわが舎に電話をかけ、自分で時刻表を調べ、汽車を乗り継いでやってきた。

裏庭の栗の木陰でフェルト細工をしたり


下の川で釣りをしたり


懸樋で引いた沢の水に浸したもぎたてのトマトを食べたり


夜はトランプをした。
大貧民大富豪でAちゃんは無敵だった。
どのカードがどのあたりに隠れているのか、今どのカードを出せばよいのか、正確に判断して札を切った。舎長も私もまるで歯が立たなかった。
「こん子は大丈夫、社会に出てん何の心配もいらんばい」(なぜか九州弁)と思った。

僅か1泊だったが、二人はとりこと舎の夏を目一杯楽しんで帰っていった。
このとき一緒に来た友だちもこのたび志望の大学に受かったそうだ。おめでとう!

それからも、お母さんやお父さん、妹らと一緒に何度かわが舎に来てくれた。
2014年の春にはお母さんと別の友だちと3人で来て、炭焼きを手伝ってくれた。(こちら)


炭窯の前で一緒に泥団子を練ったこの友だちもやはり志望の大学に受かったという。おめでとう!
実は中学3年のこの時、Aちゃんは高校受験に失敗していた。
私たちもわが事のようにガッカリしていたが、Aちゃんは明るかった。
それから3年、中国地方の中心都市にある大学の法学部に現役で合格した。
がんばったんだな。
私たちはわが事のように嬉しかった。
「あん子が法学部なら鬼に金棒たい!」
4月2日に大阪を離れ、大学の寮で暮らすのだという。

舎長が心尽くしのケーキを用意した。
おめでとう!


3時間ほど滞在して、霙降るなか、二人が車の窓から手を振りながら帰っていく。
出会いと別れか…
春はもうそこまで来ているのだなあ。
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