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大腸

2008-04-03 13:07:49 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
大腸は、脊椎動物の消化管の一部で、小腸より肛門に近い部位に位置し、盲腸に始まり直腸に終わる部分である。腸絨毛を欠く点で、小腸と区別される。

消化機能としては、細菌による食物繊維の発酵、及び一部の栄養素の吸収と水分の吸収が行われる部位である。また、吸収されずに残ったものが便を形成し、排泄されるまでの間、貯留される部位でもある。何らかの原因で水分の再吸収がうまく機能しないと、水分の多い便が排泄される状態になるが、これを下痢と呼ぶ。

【大腸の構造】
大腸に属するのは、盲腸、虫垂、結腸、直腸である。肛門管は直腸下端から肛門までの括約筋に囲われた部分で、大腸に含めて考える場合もある。結腸はさらに、上行結腸(盲腸から右結腸曲まで)、横行結腸(右結腸曲から左結腸曲まで)、下行結腸(左結腸曲から左腸骨窩まで)、S状結腸(左腸骨窩から直腸上端まで)に区別される。

大腸は結腸ひもと脂肪垂を有し、腸管壁がハウストラ(haustra, 結腸膨隆)と呼ばれる膨らみを呈するのが特徴である。横行結腸およびS状結腸は可動性に富むが、その他の部分は後腹膜に固定されている。

【大腸の機能】
大腸の主要な機能は食物の難消化性成分、いわゆる食物繊維の発酵と水分の吸収である。主として多糖類からなる食物繊維は大腸内の腸内細菌によって嫌気状態で発酵し、そのかなりの部分が酪酸などの短鎖脂肪酸に変換される。

小腸では栄養素を吸収しても、小腸組織の代謝には流用されずに即座に門脈によって運び去られ、小腸自体の組織は動脈血によって供給される栄養素によって養われる。しかし、大腸の組織の代謝にはこの発酵で生成されて吸収された短鎖脂肪酸が主要なエネルギー源として直接利用され、さらに余剰部分が全身の組織のエネルギー源として利用される。

ウマなどの草食動物ではこの大腸で生成された短鎖脂肪酸が主要なエネルギー源になっているが、ヒトでも低カロリーで食物繊維の豊富な食生活を送っている場合にはこの大腸での発酵で生成された短鎖脂肪酸が重要なエネルギー源となっている。

また、腸内細菌の活動によって生成されるビタミンがあることも知られている。吸収された発酵産物や水分は門脈を経由して肝臓で処理されるが、直腸下部の静脈は門脈を経由しないので肝臓での処理を免れ、直接下大静脈に注いで全身を巡る。坐薬が早くよく効くのはこのためである。

なお、この大腸内での発酵によって生じたガスが、食物の摂取時に飲み込まれた空気に由来するガスと混じって屁として排出される。


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