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糖尿病

2008-03-12 20:06:39 | 疾病とその予防
血液中のブドウ糖濃度(血糖値、血糖)は、正常では常に一定範囲内に調節されている。これは、ブドウ糖が脳をはじめとした各器官の主要なエネルギー源であるだけでなく、組織の糖化ストレスをもたらす有害物質でもあるからである。血糖が上昇したときの調節能力(耐糖能)が弱くなり、血糖値が病的に高まった状態(または、高まることのある状態)を糖尿病と言う。 一般には、血糖値が160~180mg/dLを超えると尿に糖が出るようになるといわれている。

耐糖能の低下はインスリン作用が不足することによって起こる。インスリン作用は、血中にインスリンが必要なだけ分泌されることと、血中からインスリンが必要なだけ消費されることの、両方が必要である。血中にインスリンを分泌するのは膵臓にあるランゲルハンス島の内分泌細胞であり、血中のインスリンを消費するのは肝臓や脂肪、筋肉等である。従って膵臓での分泌や、脂肪筋組織での消費に問題が起こると糖尿病になる。膵臓でのインスリンの分泌は血糖値に応じてランゲルハンス島から分泌され、肝臓等各組織でのインスリンの消費はグリコーゲンの合成や脂肪の合成、タンパク同化を促している。

糖尿病は、糖代謝の異常によって起こるとされ、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高まることによって、様々な特徴的な合併症をきたす危険性のある病気である。一定以上の高血糖では尿中にもブドウ糖が漏出し尿が甘くなる(尿糖)ため糖尿病の名が付けられた(Diabetes=尿、Mellitus=甘い)。腎臓での再吸収障害のため尿糖の出る腎性糖尿は別の疾患である。

全世界の患者数は2006年現在で1億8000万を越えると見積もられ、2030年までに倍増すると予想されている。 日本国内の患者数は、この40年間で約3万人から700万人程度にまで膨れ上がってきており、境界型(糖尿病予備軍)を含めると2000万人に及ぶとも言われる。

1型糖尿病
「インスリン依存型糖尿病」ともいい 、膵臓のランゲルハンス島でインスリンを分泌しているβ細胞が死滅する病気である。ほとんどの患者が20歳までに発症することから昔は小児糖尿病とも呼ばれていた。しかし、20歳を過ぎて発症するケースも少なくない。血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極度に低下するか、ほとんど分泌されなくなるため血中の糖が異常に増加する。20世紀前半にインスリンが治療応用されるまでは、極度の食事制限を要する致死的疾患の一つであった。血中に自らの膵細胞を攻撃する自己抗体が認められるものを1A型(自己免疫性)、ないものを1B型(特発性)とする。飲み薬は無効で、患者はかならず注射薬であるインスリンを常に携帯し、毎日自分で注射しなくてはならない。インスリンを注射しなければ、容易に生命の危険に陥る。また、1型糖尿病のなかでも、特に20歳を過ぎてから発症する「劇症1型糖尿病」という数日間でインスリンが枯渇するさらに危険な病もある。診断の基準としてはGAD抗体、抗IA2抗体が陽性かどうかが重要である。2型と違い遺伝素因は少ないとされている。生活習慣病である2型とは違い、1型は生活習慣病ではない。

2型糖尿病
「インスリン非依存型糖尿病」ともいい、インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病である。欧米では感受性低下(インスリン抵抗性が高い状態)のほうが原因として強い影響をしめすが、日本では膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因である。少なくとも初期には、前者では太った糖尿病、後者ではやせた糖尿病となる。遺伝的因子と生活習慣(過食、運動不足、ストレス等)がからみあって発症する生活習慣病。糖尿病全体の9割を占める。


症状
糖尿病は、極度の高血糖(約600mg/dl以上)にならない限り自覚症状は、
①多飲・多尿(血糖値の上昇による浸透圧の上昇のため)、
②体が疲れやすくなる(頻繁に尿を出すことで細胞や筋肉の働きに大切なミネラルや食塩も体外に排出することになってしまうため脳に血液が充分行き届かなくなり疲れやすい症状が出るようになる。)、
③食欲が旺盛になる(インスリンが過剰に出るため食欲が過剰になる症状が表れる。糖尿病が悪化してくると食欲があるのに体重は減少してくるという症状が出てくるようになる。)、
④からだがむくんでくる(症状が進んでくるとタンパク質が尿と共に排出されるようになり、腎機能の低下からからだがむくんでくるようになる)。

あるいは急性期(発症初期)の血糖高値のみでもこむらがえりなどの特異的な神経障害がおこることがある。慢性期になって、下記の合併症が発症したり進行すると、それに応じた症状が出現する。


糖尿病の合併症
①目が悪くなる(網膜症や白内障を引き起こし、物が見えにくくなったり、二重に見えたりするようになってくる)

②手足のしびれや痛み(針で刺されたような痛みを感じたり、手足に熱さや寒さを感じなくなる症状が表れ、手足の寒さと体の暑さの感覚が崩れてきてしまう。)

③歩くのが困難になる(手足の筋肉の衰えにより歩くのが困難になったり、足がつるような症状が表れる。)

糖尿病性網膜症(後天性失明原因の第一位)
糖尿病性神経症(神経痛・知覚異常・痺れ・壊疽など)
糖尿病性腎症(透析原因1位)
糖尿病性神経障害などの3大合併症の他
白内障・動脈硬化症・感染症・心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などがある

血糖検査
血液中に糖がどれくらい含まれているかを調べる検査。
一般的には、空腹時の血糖値は70~110mg/dL未満、食後の血糖値は160mg/dL未満であるのが正常である。
一方、空腹時血糖値が126mg/dL以上、食後の血糖値が200mg/dL以上あれば糖尿病と診断できる。

糖尿病の予防
①食事のバランスを整える
 糖尿病の予防には肥満にならないような食生活が必要。肥満を予防するためには脂肪分の摂取量を考えた食生活をすることが大切である。

②適度な運動をする
 高血糖を予防するとともに、肥満の予防にもなる適度な運動をしていくことが必要である。特にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は糖尿病の予防となる運動に適している。

③ストレスをためない
 さまざまなことでストレスがたまると、交感神経中枢が刺激されアドレナリンが分泌されるようになる。それにともない肝臓のグリコーゲン分解が促進されグルコースが血中に放出されるために血糖が高くなることにつながっていく。更にインスリンの分泌を抑制することにもなるので、糖尿病の予防にストレスを予防していくことは大切である。



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